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安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

修道院の医学の本質 42 修道院医学の根幹 31 修道院の庭園 07 アンゼリカ

2024-08-01 04:00:00 | 修道院の断食・医術・ハーブ
6・アンゼリカ

伝説によると天使ラファエル(注・01)が

アンゼリカをペストに効く植物として授けてくれたと言います。

それゆえに修道院では、細菌性疾患のために用いていましたが、

その後、苦いアンゼリカ茶は胃腸薬として、愛飲されるようになりました。

特にベネディクト会、カルトゥジオ会の修道院では、

アンゼリカのオイルで風味づけしたリキュールを飲んでいます。

日本では「セイヨウトウキ」といいます。

セリ科の二年草です。

欧州各地、北欧・東欧・シベリアおよびグリーンランド等の湿原や

アルザス地方などの山地に自生しています。

草丈1 - 2m。寒さに強いので、

スカンジナビアでは貴重な野菜として利用されています。

葉は大きく羽状の切れ込みがあり、初夏に黄緑の散形の花序をつけるます。

生育は冷涼な場所を好みます。

栽培では、春播きで翌年、秋まきで翌々年に花をつけます。

甘味、ほろ苦味と強い芳香があります。

冷涼な場所を好むことからアルプス、ピレネー、ボヘミア等の

寒冷地で自生していた植物でした。

現在のように欧州諸国に広まったのは、

北欧からヴァイキングがもたらしたためです。

アンゼリカという名前は、ラテン語で天使を表す"Angelicus"であり、

種小名archangelicaは「大天使の」という意味です。

伝説として、疫病が流行したとき、一人の修道僧の夢の中に天使が現れ、

この草に疫病を防ぐ力があることを伝えたといわれます。

それが天使ミカエル(注・02)であり、

この草の花は、5月8日の聖ミカエルの日に咲くのです。

そのためヨーロッパ諸国では「天使のハーブ」、「聖霊の宿る根」

とも呼ばれています。

その名の通りヨーロッパでは古くからこの芳香が悪魔を退け、

病気を治すと信じられてきており、

中世ヨーロッパでは「魔女の霊薬」としても用いられていました。

乾燥させた茎や根はハーブティーに使用します。

アンゼリカティーには強い香りと苦みがあるため、

ほかのハーブとブレンドするとよいでしょう。

ヨーロッパでは、アンゼリカの茎と葉を取って砂糖漬けにし、

お菓子作りの材料として使用しています。


天使ラファエル(注・01)
ユダヤ教に由来し、キリスト教へと引き継がれた天使。キリスト教ではミカエル、ガブリエルと共に三大天使の一人と考えられている(ユダヤ教ではウリエルも含めた四大天使)。ラファエルについては正典では言及されていないが、旧約聖書外典の『トビト記』『エノク書』にあらわれる。イスラム教ではイスラーフィールとして知られる。薬剤師、盲人、病人、精神障害、旅人の守護者。キリスト教では守護天使を監督する天使とされている。(ウィキ)

天使ミカエル(注・02)
旧約聖書の『ダニエル書』、新約聖書の『ユダの手紙』『ヨハネの黙示録』、旧約聖書外典『エノク書』などに名が現れる天使。日本正教会では教会スラヴ語・ロシア語からミハイルと表記される。ミカエルは、旧約聖書からユダヤ教、キリスト教、イスラム教へ引き継がれ、教派によって異なるが三大天使・四大天使・七大天使の一人であると考えられてきた。彼はユダヤ教、キリスト教、イスラム教においてもっとも偉大な天使の一人であり、「熾天使」として位置づけられることもある。(ウィキ)

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