一杯の水

動物であれ、人間であれ、生命あるものなら誰もが求める「一杯の水」。
この「一杯の水」から物語(人生)は始まります。

「四住期」

2005年12月20日 11時55分19秒 | インド哲学用語集
四住期とは、バラモンまたはブラーフマナと呼ばれる階級(本ブログ「カースト」)を始めとする上位3カーストの一生を4期に区分し、規定したもの。
(1) 学生期…師のもとに入門し、ヴェーダの学習に日を送る。厳格な禁欲と純潔な生活。
(2) 家住期…結婚し、祭祀などの家長としての義務を果たす生活。
(3) 林棲期…家督を息子に譲り、妻とともに森で暮らす祈りと瞑想の日々。祭祀は続ける。
(4) 遊行期…ヴェーダの祭祀を含む一切の義務と、この世を放棄しての遍歴生活。

学生期から、そのまま遊行期に入る場合は、完全な放棄の一生となる。

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4 コメント

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しっつもーん! (吟遊詩人)
2005-12-23 18:21:49
林棲期と、遊行期の違いが、分かるようで分からないんですけど。

それを分ける意味はあるんでしょうか。



ただ単に、祭祀を続けるか否か、森に住むか遍歴するかってことなの?



初めの2つは、それぞれの目的が分かりやすいんだけど、残りの二つは、目的が同じように思えるんですよねぇ。

どちらも目指すところは同じようで、ただ生活の形が違うだけのような・・・。

あるいは、3の延長に4があるだけのような。



3を飛ばして4に行ってしまってはいけないの?

いけない理由があるの?



難しいものだねぇ。

ちなみに、バラモン以外の人は、こういう生活をしてはいけないの?

他のカーストの人は、どういう人生規定があるのかなぁ?
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Re*しっつもーん! (便造)
2005-12-25 14:37:01
林棲期と、遊行期の大きな違いは、祭祀を行うかどうかなのです。祭祀は、「この世の繁栄と神々の世界等へ生まれ変わりたいという願いのもとに行なわれるもの」とされているので、未だ世俗的な願望が残っている、ということです。それさえも放棄して、解脱のみを求めるのが遊行期ということです。



もちろん3を飛ばして4や、1から4へと行く場合もありますね。

ヴィヴェーカーナンダはクシャトリヤ階級の出自で遊行僧へ、アドブターナンダはシュードラから遊行僧へとジャンプしていますね。



バラモン以外の生活規定なども、「マヌ法典」等に記述されているので、読んでみるといいと思いますよ。

でも、バラモン中心の記述にはなるのですが・・・・・・。
返信する
ニセ行者 (mugi)
2005-12-28 20:44:52
こんばんは。



このような四住期を貫徹した人物は稀でしょうね。

カウティリヤは宰相を辞任した後、林棲期、遊行期まで行ったといわれてますが・・・

ただ、『実理論』では行者を装ったスパイを送り込めとも書いてたのは驚きました。ゴルゴ13で行者姿のエージェントが出てきたのですが、劇画は正しかったのですね。
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Re:ニセ行者 (便造)
2005-12-31 15:36:52
mugiさんこんにちは。

ちょっとこのところ忙しかったもので、返信遅れてしまいましたm(__)m



>四住期を貫徹

本当にそう思いますね。

ままならないのが人生ですからね。

我が身を省みても、思い描いた理想通りはなかなか行かないものです^^;



>行者姿のエージェント

インド人は、やはり行者やバラモンの呪いが、我が身に降り掛かるのを恐れるようなので、「行者を装ったスパイ」は成功の確立がとても高いのでしょうね。



今年も、残りあと数時間となりました。

mugiさんも、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。



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