一杯の水

動物であれ、人間であれ、生命あるものなら誰もが求める「一杯の水」。
この「一杯の水」から物語(人生)は始まります。

ヴィパッサナー考――地橋秀雄著『ブッダの瞑想法』(春秋社)を読む(2)

2006年06月17日 14時52分33秒 | インド哲学&仏教
さて大いに期待して読み始めた本書であったが、著者の地橋氏とは肌が合わないのか、読み進めるのには骨が折れた。(参照「サティ考――『ブッダの瞑想法』(春秋社)を読む(1)」) 《理論編》 まず、著者はヴィパッサナー瞑想の効果を三種に大別して述べる。 ・ 頭が良くなる等の「能力開発」 ・ 人間関係の改善や健康回復等の「経験事象の変化」 ・ 心の否定的要素等が無くなる「心の変化」 上記の好ましい変化 . . . 本文を読む
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「ラシクの物語」――ラーマクリシュナ家住信者の物語(1)

2006年06月10日 10時24分45秒 | インドの小さな物語
19世紀のインドでのお話です。 カルカッタ北方にカーリー女神を祀ったダクシネッショル寺院がありました。 寺院に付属する庭園の掃除人にラシクと言うパリアがいました。 当時のインドはカースト制度の締め付けが厳しく、そのうえパリアといえば、4カーストにも入らないほど低い階級でした。もしバラモンがパリアの顔を見たときには、「断食をしたうえに、祈りの言葉を唱えなければ再び清められることはない」、と言われて . . . 本文を読む
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サティ考――地橋秀雄著『ブッダの瞑想法』(春秋社)を読む(1)

2006年06月03日 21時09分36秒 | インド哲学&仏教
パーリ語「サティ(念)」は、サンスクリットの「スムリティ」に対応する。 「サティ」という用語は、八正道の「正念」などとしても用いられるが、自分にとっては分かりにくさの伴う用語である。 ここ十数年来、南方上座部(タイ、ミャンマー、スリランカ等)の「ヴィッパサナー瞑想」が、瞑想を志す多くの方々に受け入れられ、実践されている。この「ヴィパッサナー」は、「止観」の「観」にあたり、「サティ(念)」は「ヴィ . . . 本文を読む
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