一杯の水

動物であれ、人間であれ、生命あるものなら誰もが求める「一杯の水」。
この「一杯の水」から物語(人生)は始まります。

カルパ(劫)

2005年08月12日 11時14分52秒 | インド哲学用語集
カルパ(kalpa)は、漢訳仏典では音写の「劫波(こうは)」、また、略して「劫(こう)」。

ヒンドゥー教では、宇宙は、「生成(膨張)」と「消滅(収縮)」を繰り返す(「振動宇宙論」のようなもの)とする。『ヴィシュヌ・プラーナ』によれば、この世は4種の「ユガ(yuga)」という時代で区切られる。

・ クリタ・ユガ…正法の時代。
・ トレーター・ユガ…正法の4分の1が欠ける時代。
・ ドヴァーパラ・ユガ…正法が半分欠ける時代。
・ カリ・ユガ…末法といわれ、正法の4分の3が欠ける。現代。

この4種のユガの時代をあわせて1マハー・ユガと呼ばれ432万年であり、このマハー・ユガが1000回繰り返されると1カルパ(43億2000万年)と呼ばれ、ブラフマー神が起きている昼間の半日に当たる。そして同じ期間だけブラフマー神は眠り、ブラフマー神によって創造された宇宙も消滅する。その後覚醒して、ブラフマー神は宇宙の創造を再開する。
ブラフマー神の一昼夜に当たる86億4000万年が100年分繰り返されると(311兆400億年)、ブラフマー神の寿命が尽き、ブラフマー神を含めて宇宙は消滅する。
しかし、それもヴィシュヌ神の一昼夜に過ぎない。

なお、『マヌ法典』などでは、数え方は異なる。

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