写真は、息子の作った正月飾り。
ただただのんびり家で過ごす無為無産の日々を過ごしている。
友人知人が訪ねてきて、杯を重ねる。
息子と気ままに遊ぶ。
台所に立ち、料理を作る。
好きな音楽を聞きながら、窓を開け放って風呂に入る。
そして午睡。
どこにも出かけない。
いわば、おうちリゾート状態である。
なんだかワダカタマっていた何かが、溶けてゆく気がする。
そんな風に、たゆたっていたら、たった今、胸を打ち抜かれた。
HDDに録りためてあった映画のうちの一本、「Lost in Transration」。
数年前のソフィア・コッポラの映画、劇場公開時に見逃していたものである。

(というか●年ほど、劇場で映画を見ていないという話もあるが)
殆ど観終わりかけて、ブログでも書こうとラップトップを開いた瞬間の事であった。
藤原ヒロシとか、HIROMIXが出たりとか、
カラオケでゴッド・セーブ・ザ・クィーンを絶叫したりとか、
なるほど、なるほど、と思うシーンはいくつもあった。
僕を打ち抜いてしまったのは、ラストシーン。
抑制の効いたラブストーリーに、少しじーんと来始めていたときに、それは鳴った。
Juses and the mary chainの「Just like Honey」。
おー、ここでそう来るか、ソフィア。
30代男子の胸をサックリと一差しの選曲、すんばらしい。
そしてさらに追い打ちをかけるかのように、
最後のタイトルロールでは、はっぴいえんどの「風をあつめて」が。。。
ソフィア、君は本当によくモノを分かっている。
出来がどうとか、そーいうこととは全く無縁の事柄である。
ただただ、そのセンスに無性に勇気づけられた。
激しく感動した。
こういう全くの無為無産の時間の中でしか出会えない何かってありますよね。
多忙な日常がつづくと、自分が消しゴムみたいにすり減っていってしまうような錯覚に囚われるのだが、自分自身を養い、再び闘いの中に身を投じるための、何か。
うまい表現が見つかりませんが・・・。
ソフィア、ありがとう。
とてつもない量の、その何かをこの映画から受け取りました。