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キューバのオバマ … 歴史の捏造

アメリカ

2016年3月24日 (木)

キューバのオバマ … 歴史の捏造

Finian CUNNINGHAM
2016年3月23日
Strategic Culture Foundation

三日間のキューバ公式訪問は“二国が関係を構築する歴史的好機だ”とオバマ大統領は述べた。

家族とともにエア・フォース・ワンに搭乗して到着したオバマはこう宣言した。“キューバ国民と直接会って、話を聞くのを楽しみにしている”。

何という傲慢。もしキューバのラウル・カストロ大統領が、支配者を無視して、アメリカ国民に似たような見下した呼びかけをした場合、ワシントンでの騒動は想像がつく。

ニューヨーク・タイムズの見出しは“オバマは、キューバ国民に耳を傾けると誓って、キューバに上陸”だ。

全て重要で和解的に響く。悲しいことに、そうではないのだ。アメリカ・マスコミの誇大宣伝は、キューバに対するワシントンの見方が、一方的で、グロテスクなまでに歪曲されているという事実と矛盾している。

ワシントンが、貧窮化した人口1100万人の島国に対し、残酷な禁輸を課し続けているのが事実だ。多くの人々が思い出すことさえできない理由とされるものにもかかわらず、これはまさに経済戦争に他ならない。本当の理由は単にこういうことでから、禁輸の公式な正当化は、当然の如く忘れられがちになる。ワシントンの裏庭と見なしている国で、あらゆる類の政治反対派を粉砕する、勝てば官軍だ。

アメリカはグアンタナモ湾の軍事基地-拷問センターというキューバ領占領も続ける。

両方の点での、キューバ主権のこうした基本的な侵害は、横柄なワシントンによれば、議題にならない。

しかし、キューバは、民主的権利と言論の自由を妨げているというアメリカの主張に譲歩することが期待されている。いずれにせよ、こうしたキューバの違反は、諸外国の容赦ない転覆から、本格的な侵略戦争に至るまで、ワシントンが行っている世界的犯罪の規模と比べれば僅かなものだ。

この現実の不一致が、問題の核心を捕らえている。勝手に自分に資格を付与し、後悔の片鱗もなしに、より弱い国々を踏みにじるアメリカ支配層の傲慢さ。

アメリカ権力者の傲慢さが横行す余り、オバマ・キューバ訪問が、キューバの歴史と、国際関係における、彼らの重要な役割を、アメリカが本気で、再評価する機会ではなく、ワシントンが変化と希望をもたらすという馬鹿げた言辞に変わっている。

オバマ訪問に関するこびへつらうマスコミ報道は、90年ほど昔、現役アメリカ大統領がカリブの島国を訪問して以来、初めてのことだと語る。カルビン・クーリッジが、アメリカ戦艦に乗って上陸したのは、1928年のことだった。この些細な情報は見過ごされがちだが、これは、邪悪な背景をほのめかしている。

アメリカ-キューバ関係は実際に歴史的重要性に満ちている。1898年、米西戦争後に、アメリカがキューバを手にいれて、西半球におけるヤンキー帝国主義が出現し、そのもとで、中南米諸国は、しばしば分割され、ウオール街資本主義に隷属することとなる。独裁者と暗殺部隊が溢れ、何百万人もの人々が恐ろしい暴力と略奪にさらされた。

1959年、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラと、フィデルの弟ラウルが、キューバ革命を率いた際  彼らはキューバをアメリカが支援する独裁者から解放するのに成功した。アメリカが支援する実に多くの独裁者政権同様、キューバは、貧困と大衆への残虐さの代名詞だった。

キューバ革命はこの運命に逆らい、社会発展のモデル、飢餓と病気を廃絶し、無料教育と無料医療をしっかり守る国となった。現在、50年以上の悪質な経済封鎖にもかかわらず、キューバ人の平均余命は、大半のアメリカ国民より長い。

島国が 1961年に、ピッグス湾侵略で、アメリカによって攻撃された後初めて、社会主義キューバはソ連を奉じるようになった。この侵略未遂は、中央情報局(CIA)にとってきまり悪い失態だった。それでも、南の隣国に対するアメリカによる戦争行為だった。

以後、何十年にもわたり、何十回ものフィデル・カストロ大統領暗殺未遂、テロ行為や破壊活動、1976年のキューバ民間航空機爆破、農作物や家畜の大規模汚染などを含むアメリカがキューバに対して無数の戦争行為が行われることとなった。

マスコミが都合良く隠しているもう一つの歴史的つながりは、現代アメリカ“陰の政府”台頭の上で、キューバが極めて重要なことだ。キューバ革命を粉砕するという強迫観念から、軍産複合体、ウオール街銀行と大企業権力が支配する本当の陰のアメリカ政府が生まれたのだ。

アレン・ダレス長官指揮下のCIAも、アメリカ支配集団も、ジョン・F・ケネディ大統領が、ピッグス湾の大失敗を救済するための大規模軍事侵略部隊の派兵を拒否したことを決して許さなかった。それ以後の、JFKによる、カストロや、当時の他の第三世界革命政府との関係改善政策は、CIAや銀行家や実業家によって、アメリカ資本主義への裏切りと見なされた。1963年11月、ダラスで、CIA狙撃者が彼の頭を吹き飛ばして、ケネディは命を失うことになった。

過去50年間、アメリカ民主主義が存在していないことは論証可能だ。大統領は傀儡として次々入れ代わるが、選挙で選ばれていない、責任をとらない陰の政府が本当の権力を行使している。アメリカの社会条件が、年々悪化し続け、貧困と不平等は天井知らずの歴史的水準に達しているのも不思議ではない。1963年のCIAクーデター以来、アメリカ民主主義は、国民の利益に反する大企業権力の行使を隠すためのうわべだけの茶番なのだから。

アメリカ民主主義消滅の隠された歴史で、キューバは中心的役割を果たしている。だが今週のオバマの“歴史的”キューバ訪問に関する主流マスコミ報道を読んでも決して知ることはできない。

対キューバ・アメリカ禁輸停止と、グアンタナモ湾返還を拒否していることが、ワシントンが悔悟することのない犯罪者政権のままであることの主要指標だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/03/23/obama-in-cuba-history-in-the-faking.html

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おりしも、伊東光晴著『ガルブレイス─アメリカ資本主義との格闘』を拝読中。

はしがき ivの一部を転載させていただこう。

ジョン・ケネス・ガルブレイスはこの1930年代を、実り多き20代で過ごし、経済学への道を歩み、一生を通じて、この30年代のリベラルで革新的な思想を持ち続けた経済学者であった。
1930年代の経験は、良き政治によって社会は変わるという確信をかれに与えた。それゆえに、ハーバードの講師時代、学生であったジョン・F・ケネディには大きな期待をよせ、友人であり、隣人であり、思想を同じくした歴史学者シュレジンガー・ジュニア・ハーバード大学教授とともに、その政策立案に関与した。
 ケネディの突然の死は、ガルブレイスの理論を実現させる政治を奪ったが、屈することなく、その後もアメリカの政治が再生することに期待し、努力し続けるのである。

170ページでは、TPPに触れられている。

戦後の国際経済学者を代表する故ハロッド オックスフォード大学名誉教授は、あらゆる国際交渉は経済理論と公正を全面に出し、その実、利害と力の対抗の場だと言ったが、GATTからWTOへの流れ、そしてTPPを含め、地域協定はこのことを示している。

伊東光晴京都大学名誉教授、『アベノミクス批判 四本の矢を折る』で、彼の経済政策のデタラメさを完膚無きまでに粉砕し、更には右翼的政治の方向性までも的確に予言・批判しておられる。

中学生向けの素晴らしい経済学入門『君たちの生きる社会』で、既に原子力発電の非合理性を指摘しておられた。

事故を受けた大人向けの詳細な現代版が『原子力発電の政治経済学

政治経済学や歴史に限定されない広汎な学識でしかかけない評論が『日本の伏流 時評に歴史と文化を刻む

『経済学入門―激動する現代資本主義の核はなにか』をこの後再読しようと思っている。

 

 

 
 

2016年3月23日 (水)

「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」: またはジーン・シャープの妄想

2011年12月3日 reedによる投稿     
アサド・アブハリル
2011年12月2日金曜
Angry Corner

ルアリド・アローによる「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」が、おそらく他でも上映されているのだろうか、ブランダイス大学中東研究シオニスト・センターで上映された。「フォーリン・ポリシー」誌が、ジーン・シャープが“アラブの春抗議行動参加者をかきたてた”と決めた後の上映だ。これは全て、何の証拠も無しに、ジーン・シャープが、アラブ世界中で非暴力革命をかきたてたと決めつけたニューヨーク・タイムズの一面記事から始まった。

もちろん、アラブの反乱は決して非暴力ではなかった。エジプト国民は、スエズや他の場所で暴力的に反乱し、国中で政府庁舎や警察署や、ホスニ・ムバラクの政党事務所も攻撃された。リビアの蜂起は、NATO介入で悪化し、リビア国内での複数戦争になった。チュニジアでは、反政府派は政府庁舎も攻撃した。シリアでは、状況は、いまや必ず“内戦”とレッテルを貼られる。だから、今頃は、むしろアラブの秋のようだが“アラブの春”の非暴力でない性格を強調して、ジーン・シャープ理論による、いわゆる鼓舞を、はねつけのは容易だ。しかし、ドキュメンタリー「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」は一体何を語っているのだろう?

映画を見終えるのは困難だ。実際、何の筋もない。いささか不穏でもある。映画は、マサチューセッツ州の自宅の、年老いたジーン・シャープに焦点を当てる。家の地下室で、アルバート・アインシュタイン研究所事務局長が働いている。映画はこの両方に焦点を当てる。しかし、監督は主張の正しさを証明するのに苦闘しており、映画には、カルトのプロモーション映画の雰囲気がただよう。

シャープは、気味が悪いほど平然と自らを売り込み、称賛し、それどころか自分の影響力の誇張までする。彼の考え方の広がりという頻繁に使われる証拠について語って映画が始まる。彼の本は、30以上の言語に翻訳されている。著書の一冊の(映画の中で際立って紹介される)アラビア語翻訳について、彼らは語り続ける。だがこれは誠実ではない。シャープは、彼の著書が、アラブ人ファンの主導で翻訳されたわけではないことを知っている。著作は、彼の組織に対する外部からの資金援助のおかげで、彼自身のアインシュタイン研究所によって翻訳されたのだ。

ジヤミラ・ラキブ(映画の中では、彼の信奉者として紹介される)は、研究所が著作の翻訳に資金を出した数年前に私に連絡してきました。彼らに、翻訳過程を監督し、正確さを確認するよう依頼されました。けれども本には、私は興味がもてず、仕事を断りました(彼らのことを友人と呼びますが)。自身が自分の著作翻訳を発注しているのを知りながら、彼の著作が複数の言語に翻訳されたのが、彼の影響力の証拠だと、シャープは一体どうして納得できるのだろう?

政治的に言えば、シャープは、主として、アメリカ外交政策目標と協調して活動してきた。彼はその非暴力行動を、冷戦中、共産主義政府に対して推進しており、彼のパートナー(元アメリカ陸軍大佐)が、共和党国際研究所庇護下での彼の仕事について語っている。しかし、もしシャープが非暴力推進に熱心なのであれば、一体なぜ彼は、世界の大半の国々よりずっと暴力を行使するアメリカ政府に、非暴力を説かないのだろう? シャープは一体なぜ、パレスチナ人には非暴力を説くが、イスラエルには説かないのだろう? 彼の非暴力プロジェクトは、現在世界で最も暴力的な政府には関心が無いようだ。

映画はシャープの影響力のいかなる証拠も提示できないので、シャープが革命を鼓舞したことを確認するため、四人の男性を招いている。一人はセルビアから、もう一人はジョージアから、もう一人はエジプトから、四人目は、ロンドンのシリア人だ。四人はそれぞれが、そう、シャープが“彼の”革命を触発したという趣旨の証言(明らかに、カメラの背後にいるインタビュアーに催促されて)をする役目が課されている。そして、まさにそうだった。映画は、革命と抗議行動の映像を、自宅にいるジーン・シャープの顔のクローズアップと対比する荒削りなものだ。しかし、この方法では、もし革命の画像を、ジャガイモの画像と対比すれば、ポテトが革命をかきたてたのを証明することになるだろう。

また映画は、彼の影響力ゆえに、世界中の政府がジーン・シャープの著作を攻撃していると偽って主張している。シャープ自身、何の証拠も無しに、ロシア政府が彼の著書を印刷していた二台の印刷機に放火したと主張した。映画は、イランの抗議行動参加者が、シャープの指示に従ったかどで有罪判決されたと主張するが、またしても何の証拠も提示されない。

映画の後半は、エジプトとシリアの例が中心だ。エジプトの例では、男性を映し“エジプト革命の指導者”だと我々に紹介する。私は個人的に、この男性のことを全く聞いたことがないが、彼は革命指導者だと信じなければならない。彼は、もちろん、シャープが“彼の”革命を鼓舞したのだと語る。シリア人男性のウサマ・ムナジッドは、より奇妙だ。彼はロンドンに住んでいるが、映画は彼を - 皆様はお気づきだろう - シリア革命“指導者”として紹介した。事務所で、彼が国中に“設置した”と映画が主張するカメラからの画像をアップロードするのを見る。だが、この男性の証言では十分でないとなると、ボストンまで飛行機でやって来て、シャープの助言に耳を傾けている所を撮影された。

もちろん、シャープの著作を笑い物にするのは難しいことではない。シャープの功績とするには、彼の革命にむけての指示は、余りに基本的過ぎて常識的だ。映画は、シャープの本が(彼自身が主導して)スペイン語に翻訳されるよりずっと昔から、中南米では、この手法の抗議行動を、何十年も行ってきたのに、セルビアで鍋やカマを叩くのは彼の発想であるかのようにさえ言う。例えば、彼はまるで抗議行動参加者が、シャープの著書が刊行される前に、それを考えなかったかのように、彼らは旗をふるべきだと示唆する。

様々な点で、映画には違和感がある。シャープのメッセージは恩着せがましく、上から目線で、自分の国際的影響力に対する彼の確固とした信念は自己欺瞞の雰囲気を帯びている。彼 - 白人 - だけが世界中の人々にとって、何が最善の行動かを知っていると彼は信じている。彼はアラブ人に、指導者の辞任を主張するのは間違っていると説教する。あたかも、アラブで良く使われるスローガンはそれを狙っていないかのように、そうでなく、政府の崩壊を強調するように強く促す。シャープ(あるいは映画の中の一人のエジプト人ファン)は、イスラエル向けのエジプト・パイプラインが9度も爆破されたのを聞いていないようだ。これはシャープのどの著書にも書かれていない。

記事原文のurl:https://revolutionaryfrontlines.wordpress.com/2011/12/03/how-to-start-a-revolution-or-the-delusions-of-gene-sharp/
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花に水 人に心 ムネオ オフィシャルブログ 2016年3月22日記事後半に唖然。「北海道民を思う政治家」と尊敬したことを反省している。

文章から判断して、戦争法案、TPP、憲法破壊、属領化推進ということ。あきれるの一言。

放送記念日特集 激動の時代を越えて を見た。

ラジオは国家の方針?を伝え続けました。

アメリカ人女性の発言「GHQの方針は?民主主義を広めるというかたちをとった、いわばプロパガンダだったのです。」

といっていた。あれは、実は

激動の時代に突入して
問わず語りに、現状はあの当時と全く同じになっています。きをつけてください。ということを、現場の方が言外に伝えたがって制作されたのではないか?と勝手に理解した。

前回、トランプ選挙運動集会に入り込んで妨害している連中と、ソロスや、この主人公のジーン・シャープらの悪辣さに関する記事「ソロスによる妨害: アメリカ風」を翻訳した。何といまでもこの洗脳番組、ネットで見ることができる。たまに制作するまともな番組がネットに転載されると文句を言って削除させているはずの大本営広報部、洗脳番組を広めたいので放置しているとしか思えない。

この古い記事を翻訳したのは、参加し損ねた新宿でのAEQUITAS集会ロゴを見たため。
紙を握る?「握り拳」マーク。些細なことに文句を言うなと思われるむきは、いささか長い下記記事をお読み頂きたい。

ウォール街占拠と“アラブの春”: 誰が抗議運動に資金提供しているのか? 誰が背後にいるのか? 2014年2月22日

ソロス、シャープらが推進する「アラブの春」他のエセ運動、共通して「握り拳」がロゴ。

昨年、原発再稼働反対集会で「握り拳」マークを見て愕然とした。左右逆転しただけ。
取りまとめの方々まさか宗主国の走狗ではあるまい?ロゴは体を表すのではと不安。

何とも驚いたことに、大本営広報部電気洗脳箱が垂れ流した「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」の批判記事、見つからない。驚くほど圧倒的大多数の方々が、映画も著書も大絶賛。もしああれば、ご教示いただければ補足・リストさせていただく。

ジーン・シャープの本、文庫は最近刊行されたが、1972年、別本翻訳が刊行されている。この年を見た瞬間、70年代学生運動背後の資本とイデオローグの正体に出会った気がした。

ジーン・シャープや、ソロスらが画策する、インチキ運動を批判しているのは、かろうじて、下記記事。手前味噌で恐縮だが、上記チョスドフスキー記事にも触れて、そうした運動のインチキさを指摘しておられる。

リビア問題からわかる日本左翼の欠陥2

先程ようやく購入した『小説外務省II 陰謀渦巻く中東』 孫崎享著 を拝読中。

丁度、IWJで、待望のインタビューが見られる。読んでから見るか?見てから読むか?

2016/03/21 『小説 外務省II~陰謀渦巻く中東』刊行企画! 岩上安身による元外務省 国際情報局長孫崎享氏インタビュー(動画)

 
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