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現代の英ロイヤルファミリーは、どれほどの“力”を持っている?


戴冠式で大きな注目を集める英王室。実はよく知らない、彼らの権限の実態をここでチェック。

BY MEHERA BONNER AND RYOKO KIUCHI2023/05/05WPA PoolGetty 



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エリザベス女王亡き後、イギリスと英連邦加盟国の元首となったチャールズ国王、そしてその家族は、2023年の現在も実質的な“力(権限)”を持っているのだろうか?

現在戴冠式でいっそう注目を集めている英王室の、意外と知られていないこの話題について、US版『コスモポリタン』が深掘りする(ちなみに、即位した直後、インクが漏れるペンにいらだつ様子を見せた国王の姿は、人々の目にどう映ったのだろうか…?)。



ロイヤルメンバーに権限はある?

イギリスは、「立憲君主制」の国。国王は君主であり、政府は「国王陛下の政府」と呼ばれる。そのためチャールズ国王は(故エリザベス女王もそうだったように)、多くの書類にサインをしたり、頻繁に首相と会ったりする。

だがその国王は、元首として政治的に中立な立場を取る。つまり、基本的にその存在は象徴的なものであり、実際に国を統治する権限は持たない。

王室のウェブサイトはこれについて、以下のように説明している。

「君主は国家元首であるものの、法案を作成し、可決する権限を持つのは、選挙によって選ばれた(議員からなる)議会です。君主が政治的役割、行政執行における役割を果たすことはありません」

「ですが、国民の生活において、君主は現在も重要な役割を担っています。君主は国家に対する責務に加え、『国民の代表』としての責務も負っています。

国民のアイデンティティ、団結、誇りを表す中心的存在として行動し、安定と継続性を示し、成功と卓越性を公認し、奉仕活動の理想をサポートします」

元首としてのチャールズ国王の任務には、議会の新会期の開会を宣言すること、成立した法案を裁可すること、毎週首相の謁見に応じることなどが含まれる。


2022年5月、エリザベス女王にかわり議会の開会式に出席したチャールズ皇太子(当時)WPA PoolGetty Images


王室のウェブサイトによると、「首相は必ず、ひとりで君主に謁見する」ことになっている。また、国王はすべての事柄について政治的な中立を保つものの、必要と判断すれば、首相や閣僚たちに「助言や警告」をすることができるそう。そして、イギリスを訪れた外国の指導者たち(大統領や首相など)は、国王が自ら応接することになっている。


その他の国々といえば、イギリスの国王は今も、厳密にいえばその他いくつかの国の元首でもある。これは植民地時代の名残であり、当然ながらそれらの国では、君主制に反発する人がますます増加している。


国王は軍の最高司令官でもある

繰り返しになるが、こうした役割(例えば閲兵式への出席など)は、完全に儀礼的なもの。ロイヤルたちは伝統的な式典に出席するときなどには、決められた衣装や宝飾品などを身に着ける。
また、 国王は英国国教会の首長でもある。



Chris JacksonGetty Images


ちなみに、経済への影響力は甚大

英王室はもはや、イギリスを統治する権限を持ってはいない。だが、それでも国の経済に多大な貢献をしている。

経済誌『フォーブス』によると、「ザ・ファーム(会社)」とも呼ばれる王室は、イギリス経済に年間およそ27億ドル(約3600億円)の利益をもたらしているとのこと(ロイヤルファミリーは、究極のインフルエンサーだと言えそう!)。

経済的な影響力の大きさを示す具体例として挙げられるもののひとつは、2018年に行われたヘンリー王子とメーガン妃の結婚式。このロイヤルウエディングの経済効果は、およそ15億ドル(約2000億円)だったとされている。



WPA PoolGetty Images


――つまり、チャールズ国王をはじめとするロイヤルファミリーのメンバーは現在、もはや国を“統治”してはいない。だが、ある意味では依然として、イギリスを“支配”し続けているということ。














女王が生前、自ら分与の準備をしていたはずと伝えられている。
BY MEHERA BONNER2022/10/03


Karwai TangGetty Images


エリザベス女王が個人で所有していたジュエリーのコレクションは、膨大な数にのぼる。女王亡き後、それらがどのように受け継がれるのかについては、さまざまな憶測が飛び交っているものの、大半はキャサリン皇太子のものになるとみられている。

王室専門誌の編集者イングリッド・スワード氏は『デイリー・メール』紙に対し、「ジュエリーはいずれかの時点で、女王が自ら分類し、整理されていたはずです」として、次のように述べている。

「多くの親族たちに贈られると思います。大半は、未来の王妃であるプリンセス・オブ・ウェールズ(皇太子妃)が受け取るでしょう」

ただし、“誰より先にひとつを選び、それを受け継ぐ権利”は、カミラ王妃に与えられているとのこと。なかには、「現在の君主の妻、つまりカミラ王妃が使用するものとして、保管しておくべきものもある」という。定められた役割を果たすためには、王妃には数多くのジュエリーが必要になる。


James DevaneyGetty Images


また、亡き女王のドレスや衣類について、王室専門家のクリスティーン・ロス氏はこう説明している。

「当然ながら一部のアイコニックなアイテム、たとえば女王がジュビリーのお祝いのときに着用されたアンサンブルや、ロイヤルたちのウエディングで身に着けられたコートや帽子などは、歴史的にも保存する意味があるものです」

「(王室所有の建築物やゆかりの品々を管理する非営利団体)ヒストリック・ロイヤル・パレシズ(Historic Royal Palaces)は、ヴィクトリア女王やダイアナ元妃のものだった衣類を数多く保存しています。

エリザベス女王の衣類も同じように、歴史的な重要性と興味深さがあります」

「女王のウエディングドレスと戴冠式のドレスは、(王室所蔵の美術品を管理する)ロイヤル・コレクション・トラストが保存し、頻繁に展示会が行われることになるはずです」

いっぽう、ベアトリス王女が自身の結婚式で着用したドレスのように、女王が個人的に所有していたアイテムは、孫たちが受け継ぐことになる可能性もあるとのこと。


もともとエリザベス女王が所有していた、ノーマン・ハートネルがデザインしたこのドレスは、ベアトリス王女が結婚式でも着用したKarwai TangGetty Images


「女王のボールガウンの多くは、ベアトリス王女やユージェニー王女に合うように仕立て直すことができるでしょう」「新たなプリンセス・オブ・ウェールズ(キャサリン皇太子妃)、あるいはシャーロット王女やリリベットも、いずれはそれらのドレスを着用することがあるかもしれません」

ストーリーとともに引き継がれてゆくロイヤルのジュエリーやドレスを、いつか実際に見てみたいところ。




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