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「サセックス公爵夫人、メーガンです」王室利用しながら批判する矛盾 人気急上昇のウィリアム王子には対抗心?〈AERA〉

1/2(日) 8:00配信


米ニューヨークのイントレピッド海上航空宇宙博物館で開催された式典に参加したヘンリー王子とメーガンさん。米国でも英王室の威光を背景に、精力的に活動する/2021年11月10日(写真:gettyimages)
 コロナ禍でも抜群の存在感を発したヘンリー王子夫妻。とりわけメーガンさんは「公爵夫人」を名乗りながらも王室批判に余念がない。和解の日は訪れるか──。AERA 2022年1月3日-1月10日合併号の記事を紹介する。 【写真】メーガンさんの児童書『ザ・ベンチ』。表紙には「サセックス公爵夫人」とも記されている
*  *  *  ヘンリー王子(37)とメーガンさん(40)が英王室を正式離脱したのは、2020年3月だった。今はメーガンさんのふるさと米カリフォルニア州で、約16億円の大豪邸に、アーチー君(2)とリリベットちゃん(0)とともに暮らしている。  幸せそうな生活ぶりだが、豊かな暮らしをもたらしたのは英王室を利用した結果といえるかもしれない。メーガンさんが結婚時にエリザベス女王(95)から授かった称号「サセックス公爵夫人」は、あらゆる場面に登場する。21年6月に出版された児童書『ザ・ベンチ』の表紙には、著者名としてメーガンに加え「サセックス公爵夫人」が大書されていた。 ■“ドッキリ”にも登場  政治活動にも利用される。米国には国レベルの出産育児の有給休暇制度はない。ただ、複数の州が独自に導入しており、サポート制度を設ける企業もある。メーガンさんは「リリベットを産んだあとに、全米をまたぐ有給の育児休暇制度を設けるべきと実感した」と強調する。  ロビー活動も同時に開始した。2人の上院議員に電話を入れたが、そのうちの一人は運転中に突然、非通知設定の相手からかかってきたと明かした。電話を取ると、「こちらはサセックス公爵夫人メーガンです」と話したという。もう一人の議員も「驚いたわ。私の個人携帯に電話してきて、サセックス公爵夫人と自己紹介しました」と言う。政界入りを目指すといわれるメーガンさんは、政治活動に「サセックス公爵夫人」と名乗ることを決して忘れない。  テレビ番組の出演にも使う。21年11月、エレン・デジェネレスさんが司会を務めるバラエティー「エレンの部屋」で対談した。長寿番組で人気も高いが、彼女らに対し、スタッフなどからパワハラの訴えがあったため、22年に終了する。この番組でメーガンさんはドッキリのコーナーにも登場した。エレンの指示にしたがって、屋台前で唐突にスクワットを始め、猫耳を頭につけて鳴き声をまね、哺乳瓶からミルクを飲んだ。これも、ばかばかしいしぐさであればあるほど、「公爵夫人」とのギャップが笑いを誘う仕掛けだ。


ヘンリー王子夫妻はネットフリックスとスポティファイと計200億円を超す大型契約を結んだ。それも、英王室の威光が効いたからという見方がもっぱらだ。王室の称号が、莫大(ばくだい)な資産を生んだのだ。  それなのに、恩を仇(あだ)で返すような振る舞いが続く。二人は英王室を厳しく批判する手を緩めない。21年3月のオプラ・ウィンフリーさんのインタビュー番組では、生まれてくる子どもの肌の色を問題視されたとして、王室内での人種差別を示唆した。  この番組は世界中に配信されたが、女王はさっそく「記憶は人によって異なるはず」と指摘。ウィリアム王子(39)は「英王室は人種差別をしません」と記者の質問にきっぱり答えた。 ■決意のクリスマス写真  11月に発売された暴露本『ブラザーズ・アンド・ワイブズ(兄弟と妻たち)』では、肌の色を口にしたのはチャールズ皇太子(73)と明かしている。ただ著者クリストファー・アンダーセン氏は、皇太子のカミラ夫人(74)へのたわいのない問いかけに過ぎなかったと言葉を添えている。それがヘンリー王子とメーガンさんの口から出る時には、大問題に発展したのだった。  また、19年のクリスマスは、二人にとって、一つの決意を促す出来事だったという。  女王のクリスマススピーチは毎年楽しみにしている国民も少なくない。女王の横に置かれたテーブルに、誰の写真が飾られるかも見どころの一つ。だが、前年にはあったヘンリー王子とメーガンさんの写真が飾られていなかった。当初は置いてあったが、女王が外させたという。  それをもって、ヘンリー王子は「自分たちは王室に必要がない存在だ」と受け取った。王室離脱を発表したのは、それからわずか2週間後。女王は、王子一家がクリスマスを王室と共にせずカナダで過ごすと知り、それなら飾るまでもないと判断したのだろう。これまでの女王の愛情あふれる言動を思い出せば、誤解するはずはないのだが。  王室離脱を女王のせいにするのは、ただの言いがかりに過ぎないとみなされている。自分たちに非があるのではなく、むしろ英王室から差別やいやがらせを受けたからだとする。二人は「被害者だ」というストーリーにもっていきたい。その方が米国で同情を得やすく、受け入れられやすいからとみられている。  22年はヘンリー王子による暴露本が出版予定だ。ターゲットは主にチャールズ皇太子。皇太子は強烈な個人攻撃を覚悟しておいたほうがよいと言われている。王室を利用して利益をあげ、長女に女王の幼名をつけながら、王室批判を繰り返すダブルスタンダードは続きそうだ。



 ところで、12月に入って、ウィリアム王子の人気が急上昇している。王子は「Apple Fitness+」に声の出演をして、母ダイアナさんの思い出を歌にちなんで語ったのだ。 ■兄の思いやりに称賛  母は全寮制イートン校の長期休暇明け、2人の王子を学校に送る車内で、運転しながら声を張り上げた。それは、ティナ・ターナーの人気の一曲「ザ・ベスト」だった。子どもたちを励まそうとするダイアナ流のやさしさが伝わり、聞いていた人たちの胸を熱くした。  また、21年のクリスマスカードの写真は、王子一家のヨルダン旅行時の一枚だった。  王子は18年、中東歴訪の際にヨルダンを訪ねたものの、キャサリン妃(39)はルイ王子(3)の出産後だったため同行できなかった。ヨルダンは、妃の父がブリティッシュ・エアウェイズ勤務だったとき、2年間ほど家族で滞在した思い出の地だ。残念に思ったキャサリン妃の意をくんで、21年、一家5人でヨルダンを再訪したのだった。  妃の喜びようは大きかったと伝えられる。ダイアナさんの好きな曲名を明かして思い出を語り、妻の夢をかなえた写真をクリスマスカードに採用する。そんな王子のさりげない思いやりに改めて称賛が集まっている。 ■メーガンさんの胸一つ  これを知ったメーガンさんは対抗心をつのらせているのではないかと、英国のデイリースター紙は書いた。ネットフリックスとスポティファイの作品公開が待たれているが、予告済みのヘンリー王子の「インビクタス」やメーガンさんの「パール」はいつ発表されるのか。ウィリアム王子の成功は、ヘンリー王子夫妻にとってさらなるプレッシャーになるかもしれない。  また、22年6月の女王即位70周年の記念行事に、女王はすでにヘンリー王子一家に招待状を送った。ウィリアム王子が創設した環境賞「アースショット賞」授賞式は、22年は米国での開催が決まっている。  このためにウィリアム王子とキャサリン妃は、コロナ禍の様子を見ながらではあるが、渡米する予定だ。その時に弟一家の邸宅を訪問するだろうか。いとこ5人は一緒に遊ぶ機会をもつだろうか。貴重な兄弟の和解の機会を生かすかどうかは、やはり、メーガンさんの胸一つで決まりそうだ。(ジャーナリスト・多賀幹子) ※AERA 2022年1月3日号-1月10日合併号



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最終更新:1/2(日) 8:00AERA dot. 
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