初日の結果は上出来。
思いがけず上が狙える位置で折り返し。
しかも2日目は水温も下がり初日よりも難しくなると予想が出来る反面、僕のスピナーベイトに食ってくる奴がまだ居ると変な確信があった。
だけど、その辺な確信に縛られたら終わりだ。
リセット。
初日の結果や釣れた場所に固執しないようにリセット。
初日終わって基地にしていた実家に着くなりカーステのCDを交換。
音が出る前にエンジンを止めた。
車内の空気をリセット。
サッサと夕飯を済ませ風呂へ。
頭を洗って、体は3回洗う。
全てを洗い直しリセットリセット。
早く寝よ。
朝イチ、デカイのがスローロールに食ってくる。
起きてるうちから何度も何度もそんな夢を見ているので、一向に眠れなかったけど・・・
朝、車に乗り込みエンジンをかける。
交換したCDから流れる一曲目は
「b.e.l.i.e.v.e」
自分を信じよう。
夜が明け、雨が上がり
まだ薄暗い中ボートヤードに明かりが灯る。
朝6:00ボート屋の準備が始まっていた。
朝一番で昨日釣った杭のポイントに入りたい。
その為には80lbのハイパワーエレキを装備した常連達を54lbの僕が我先レースで勝たなきゃならない。
なので、昨日は雨を避けて桟橋に屋根のあるところのボートを選んだが、今回はなるべく桟橋先端のボートを選んでタックルを乗せ準備に入った。
実際始まってみると上エリアに向かうボートは数艇。
そして早々に抜かれ、ドンドン離されていく。
が、それを後ろから見ながら「あ、あのボート アチヘ入ったな」とか「こっちのボート、更に奥へ行きそうだな」とか動きが見える。
そして、僕のポイントには誰も入らなかった。
ただ、プライベートでジョンボートを出している2人組がそのポイントで釣りをしていたが、乱杭の外周りにボートを停めてライトリグをやっているようだったので
反対側に回り込んで互いのキャストの邪魔にならないように釣りを開始。
東側から南側へ回り込みながら角度を変えて通すコースを変えながらスローロールを繰り返す。
昨日より2度水温低下で11度台。
若干白濁り気味。
だけど、全て予想通り。
それを踏まえてスピナーベイトのリアブレードが昨日使っていたものより1サイズ大きく、且つカラーは白濁りに実績のあるインパクトカラーのホワイト/チャート。
東側から南側へ回り込んで投げた数投目が杭に引っ掛かった。
素早く煽れば、外れて何事も無かったようにまたリトリーブ出来ると思い、軽く上方向へ2度煽ると「グン」「グン」と引っ張り返された。
そのまま咄嗟にフッキングしリールを巻いて竿を曲げる。
グンッと竿にトルク感が出たところで、ベリーの辺りに魚が突っ込もうとするグイグイとした感覚が伝わってくる。
杭に巻いてるのか?
それを竿で耐えながら少しずつラインテンションを上げていくと
水面がモワッと波立った。
杭から離れた。
ネットを素早く足元に置いて
今度はジャンプされないように竿を寝かせて寄せにかかる。
ボート近くに来て魚体がチラリ。
絶対にバラせれないサイズ。
ボート際で2度ほど突っ込むも竿で耐えて
上がって来たやつを1発でネットイン。
夢見てた通りや!
50有る無しサイズ。
近くでやってたジョンボートの2人組も完全釘付け。
手は震えるわ、心拍数上がりまくりで呼吸しにくくなるわ・・・
落ち着こう。
ラインチェックして、傷はなかったが結び直し。
いや待て待て、落ち着かせる為にも一旦昨日釣れたスピナーベイトに結び替えよう。
巻き心地が若干違うので、ブレードの回転を意識し集中していく。
まず、とりあえずは落ち着こう。
さっきキャストして来たのとは逆回転でボートポジションを変えてキャストしていく。
ジョンボートの方達も少し移動して、南東付近から中心にキャストし始めた。
そしてライトリグで45クラスをヒット。
やっぱ、まだおるわココ。
だけど、彼らも中心にキャストし始めたし、自分自信も何かスピナーベイドじゃない気がした。
(風の感じ?日の照り方?なんかそんな感じがしたわけです。)
そこでスピナーベイトじゃないならとラバージグを投入。
今回、家から持って来たのはハードプラグを小さいボックスに2つとスピナーベイト、バズベイト。
それとラバージグ4個とトレーラー2種類。
どうしても巻きの気持ちが折れた時に使おうと思っていたラバージグだが、昨日の夜に、ふと、杭に対してピッチングで入れていったら比較的根掛かりも少なくやれるのでは?
スピナーベイトに反応しないけど、ラバージグは食うってやつもいるのでは?と頭に浮かんでいた。
9gのラバージグをピッチングで杭に入れていく。
縦さばきで沈んでいる何かや杭を外して落とす。
打ち所を少しずつ変えながら打っていく。
周りの人の動きや色々を気にしながらやっていると「スコッ」と吸い込まれた感じが!?
ラインに何かが触ったのか?とも思ったが、ラインテンションが明らかに弛んでいる。
もう一度ラインを張ると「クンッ」。
そしてラインが横に流れているようなので、そのまま鋭くフッキング。
しかし、なんの抵抗もなく帰ってきた。
歯形も無い。
恐らく2回目の「クンッ」の直後に離したのだと思う。
このままラバージグで続けるべきか迷いながら暫く撃つも
さっきのバイトがどの状態で食ってきたのかイメージ出来なかったので改めてスピナーベイトに。
すると数投で杭に引っかかる。
完全に引っかかって根掛かり回収棒を出すことに。
場を荒らすことになるので出来れば出したくなかったが、ブレード交換が上手くいっているルアーなので出来れば回収したい。しかし、根掛かり回収棒を持ってしても外れず。
仕方ない、切るかと引っ張るとゆっくり上がってくるような・・・
これは根掛かったラインに引っかかってる。
なんとか上げれないものかと頑張ると
プツン
・・・切れた。
と思いきや切れたのは杭に絡んでいたラインの方で、ルアーは無事に帰ってきた。
やった!
ツイてる。
場を荒らしてしまったので1度離れる決断をする。
何れにせよ、ココに時間を掛けていては恐らく勝てない。
昨日のキーパー連発の棚跡へ。
遠目から見て誰も入っていなさそうだったが、棚の位置もハッキリと確認出来ない。
昨日はかなりクリアだった水が、今日は完全に白濁り。
棚跡の杭の頭が辛うじて分かる程度。
昨日薄っすらと見えていたウィードなんてまるで分からない。
一応、ものは試しで大体の棚沿いを通していくも反応無し。
濁ってウィードに固まっていたやつが動いたか?
それとも濁ってビビってウィードから出てこないのか?
一旦クランクを動きの強いGBB1に替えてみるが反応無し。
昨日と違って太陽が出ているので、水面が反射して棚位置が正確に捉えられない。
その上徐々に風が強くなってきた。
ここで、ひょっとしたらもうワンチャンスあるかもと思い杭のエリアに戻る。
すると1艇入られていた。
ならば試しにとブラインドで数本杭の入っているところへ。
減水時なら杭の頭が水面下に薄っすらと見えるところだが、台風後に増水しマイナス水位まで下がってない今は全く見えない。
大体のところとアバウトなGPSのマークが頼り。
風が徐々に強くなってきた。
エレキのヘッドに掛けてあるネットが揺れる。
竿を置いてネットの位置を変えようとした瞬間、ネットが風に煽られてボートの外へポチャッ!
慌ててボートの向きを変えて取りに行こうとするも風に流され素早く向きを変えられず、向きを変えれた頃にはネットの姿は無し。
ルアーが回収出来てツイてると思ったのも束の間ツイてない。
朝の杭のポイントが空いたので、すかさず入りスピナーベイトをまた角度を変えながら引いてくると再び引っかかる。
これはリズムが合っていないな。
風も予想外の西から吹いてきている。
下流に行けば北風なのかもしれないが、やはりココはもう離れるべきだ。
固執しない。
リセットし直し!
途中、昨日気になってGPSにマークを付けたところに手を出すが、なんの確信も無し、風も強いという状況なので直ぐに離れ、おおよその地形が把握出来ている水中岬の沈船へ。
スピナーベイト、クランク、ラバージグと入れていくもバイト無し。
もっと風が穏やかになっているところを探そう。
下流に向かうにつれてウネリが大きくなり、合わせて人も少なくなってきた。
ディープホール北側のワンドのブレイク沿いに刺さっている杭をシャッド系ルアーで通していく。
続いて3mに数本刺さっている杭へ。
3/4ozフットボールをリアクション気味に動かしてみるもバイト無し。
そういえば前来た時にフットボール良さそうと思ったところがあった。
エリ跡東側からディープホールにかけて緩やかに落ちるブレイクをリアクション気味に。
やっていると目の前のエリ跡にルアーを引っ掛けてルアー回収棒で突きまくっている人が。
あそこはもうダメだな。
後で知ったが、彼が1dayカテゴリーの優勝者で
持ち帰った中の最大魚を釣った直後の様子がこれだったようだ。
風も強いし、あと可能性があるのは水路西側のシャロー、昨日最後にキーパー二本を釣ったところ。
到着すると風が幾分かプロテクトされウネリは全くなかった。
まずは風に向かってシャッドで流していく。
改めてウィードを意識しながら進んでいくと
ウィードの生えているのはインサイド寄りで水路に近い方。
ちょっとしたワンド状の地形が終わるところまで流して、風に流されながら水路出口まで戻る。
今度はこの手のエリアで昨日釣れてたクランクで、再度風上に向かって進んでいく。
すると軽くウィードを抜けた瞬間にヒット。
小さくはない。
寄せてネットで掬おうと思ったが、ネットが無いことを思い出す。
リアフックが口に二本刺さっているのを確認し、ラインを持って抜き上げる。
35cm近いナイスキーパー。
このパターンでまだ行けそう。
そのままワンド終了付近まで流し時間をチェック。
13:15。
帰着に向かうか?
13:30にアラームが鳴るようにしてあるので、あと15分やれる。
風に流されながらクランクを巻いていくとまたまたヒット。
さっきのと同サイズ。
この時、ネットが有るのと無いのとで、こんなに安心感が違うものかと思いながらファイトしていた。
そして、自然と声に出た。
「バレた」
痛恨のフックオフ。
「まだ出るまだ出る」と思いながら
折り返し風上に向かってキャストしていく。
そして帰着のアラームが。
揃わなかった。
やり切った、充分と思いエレキ全開で帰着に向かう。
大体通常30分で帰れるところ、今日は追い風になるので充分間に合う。
はずだった。
2本目の橋を越えようかというところで、ふとGPSの速度を見ると
全開で6km/hくらいのはずが4.8km/hしか出ていない。
バッテリー切れ!?
慌てて魚探とライブウェルに使っている老体のバッテリーに繋ぎ替える。
全開で6km/h出ていると思ったものの、長くは続かずあっという間に5km/hを切った。
やっぱこっちのバッテリーの方が弱い。
改めて繋ぎ替える。
風は北西風。
徐々に東岸に寄せられていく。
そうだ!
傍らにあったオールで漕ぐ。
スピードアップしたがバッテリーはどんどん弱りエレキのパワーは無くなっていく。
オール一本で推進と操舵を兼ねた状態。
1本目の橋を潜り、腕の疲労感ハンパない。
心折れそうになったが、心が折れるとそのまま葦の岬に座礁してしまうので必死に漕ぐ。
なんとか桟橋までたどり着くと、既に何艇かは片付けが終わっていた。
帰着遅れ。
と思ったが、ボートを桟橋に括り付けてくれたオッチャンが
「バッテリー切れやったんか?オールで一所懸命漕いではったから。ギリギリやったなぁ。1分前や。」
揃ってなくても、ウェイト落としてもちゃんと測ってやらなきゃ自分にも魚にも悪い。
ウェイインの列に並ぶと短日6,500gのウェイイン真っ最中だった。
(大会責任者の方のブログ『kuniのブログ』からお借りしました。
https://ameblo.jp/kuni-second-life
元はボート屋ニイちゃんのFacebookかも。)
既に列に並んでいたanDOさんやヘリオ君もウェイイン開始早々にそのウェイトだったらしく「恐れいった」顔だ。
ヘリオ君は50アップを一本持ってきたが、僕と同様揃わなかったようだ。
anDOさんはこの天候に翻弄されたのか一本のみ。
全体で見てもほぼウェイトを落としているが、一部で3kg以上の好ウェイトを持ってきている人もいる様子。
初日トップのレジェンドは初日を上回るウェイトを持ち込んだ。
やはり上位はハズさない。
そして自分の番。
恐らく2キロちょい。
2,490g
思いの外重かった。
そう考えると最後にバラした奴が入っていれば3kgいってたかな?
まあ、タラ、レバは無しだな。
皆、片付けが進んで、ボートも徐々に陸揚げされていっているので自分も急いで片付け始める。
ボート上の物を桟橋に上げ、デッキとエレキを外そうかというところで表彰式が始まった。
まずは1dayカテの表彰から。
6,500gの上をいく奴などそうそういない。
あのエリ跡で獲った50アップはショットオーバー2だったらしい。
2位はライトリグ。
3位はよく聞こえなかった。
そして、2daysカテの表彰。
まずは3位。
まさかの僕だった。
初日3位で大会責任者であるkuniさんが、まさかのノーフィッシュ。
大会運営で、てんてこ舞いだったのか?
お陰で最後の最後に本当に楽しいトーナメントをさせてもらった。
2位とのウェイト差は880g
バラしたアイツを持ち帰っても順位は変わらなかったな。
結果は3位だったがまあまあ満足している。
初日、2日目と全域を上手く回れたし。
初日の結果を踏まえて2日目のプランを立て、それなりの結果が出た。
拾い釣りではない。
新たに来年の目標が出来た。