なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

暗黒のアンチ・ミステリ

2012年10月05日 23時59分34秒 | 本・雑誌
占領都市 TOKYO YEAR ZERO II」(原題: Occupied City) デイヴィッド・ピース/イギリス 2012/8 読む 
1948年1月26日。雪の残る寒い午後。帝国銀行椎名町支店に白衣の男が現われた。男が言葉巧みに行員たちに飲ませたのは猛毒の青酸化合物。12人が死亡、四人が生き残り、銀行からは小切手と現金が消えた。悪名高い“帝銀事件”である。苦悶する犠牲者たちのうめき、犯人の残した唯一の物証を追う刑事のあえぎ、生き残った若い娘の苦悩、毒殺犯と旧陸軍のつながりを知った刑事の絶望、禁じられた研究を行なっていた陸軍七三一部隊の深層を暴こうとするアメリカとソヴィエトそれぞれの調査官を見舞う恐怖、大陸で培養した忌まわしい記憶と狂気を抱えた殺人者。史上最悪の大量殺人事件をめぐる12の語りと12の物語―暗黒小説の鬼才が芥川龍之介の「薮の中」にオマージュを捧げ、己の文学的記憶を総動員して紡ぎ出す、毒と陰謀の黒いタペストリー。アラン・ムーア「フロム・ヘル」に比すべき呪われたアンチ・ミステリ大作(出版社)

ダルデンヌ兄弟最新作

2012年10月05日 23時57分45秒 | 映画
少年と自転車」(原題: LE GAMIN AU VELO/THE KID WITH A BIKE) 2011/ベルギー・フランス・イタリア DVD21012 ☆☆☆☆
監督: ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 出演: セシル・ドゥ・フランス, トマ・ドレ, ジェレミー・レニエ, ファブリツィオ・ロンジョーネ, オリヴィエ・グルメ
カンヌ国際映画祭で5作品連続主要賞受賞の快挙を成し遂げたダルデンヌ兄弟が手掛けた感動ドラマ。親に見捨てられホームで暮らす少年・シリルの願いは父親を見つけ出し再び一緒に暮らすことだった。サマンサとの出会いを機に、父親探しを始めるが…。(「キネマ旬報社」データベースより)
サマンサの大らかな包容力が伝わってくる