ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 日の丸あげて 」  赤川 次郎

2015-11-04 18:45:18 | 
      当節怪談事情 「 日の丸あげて 」  赤川 次郎 

          

持ち歩きに便利で読みやすい文庫の短編集。  久しぶりに赤川次郎さん買ってきました。
怪談と言うより、愚かな人間が起こした後味の悪い結末の事件の数々でした。
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第一話 失われた顔 
( 以下 ネタバレあり )
仲井光明と会田里美は付き合って2年と少し。しかし、仲井は後輩の南亮子と付き合いだし、亮子との結婚を考え里美との間に別れ話が持ち上がる。
里美は、仲井を道連れにして車を崖から落とし無理心中を図る。
死んでもなお怨念が残り、首が「 あんたも恋人を裏切るのね 」の言葉を残す。
事件を取材中に憑りつかれた女性レポーター横山は仕事に失敗。 功名心に走る彼女は、仲井の弟・宏行を使いスクープで再生を狙い南亮子を追い込む。
亮子は飛び降り、ノイローゼになった横山は首を吊る。
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「 人の心は移ろうもの 」絶対に縛れないものです。 恋は熱病のようなもので長くて3年、短ければ数か月で冷めます。
あの上沼恵美子さんもネタで、ご主人のことをあんなに好きだったのに今は、、、、とぼやいています。
最後までアツアツのご夫婦もいますが、ほとんどは結婚してからは情がわいてきて身内になります。
裏切りや失恋は辛いですが、変わってしまった人の心は取り戻せません。
いつまでも怨念を残さず、思いっきり泣いて相手を蔑んでもいい。 諦め忘れれば、苦しくてもいつかは思い出になります。
殺された仲井さん、自殺に追い込まれた亮子さん、レポーターの横山さんが哀れで怖い話でした。

第二話 日の丸あげて
祝日の国旗掲揚に固執する元刑事の尾田は、断った同じ団地の会社員・江口に思い知らせるため、元部下や近所の主婦を使って江口のあらぬ噂をねつ造して広める。
江口は、子供や妻が保育所や近所からはじき出され、自分も会社を辞めなくてはならなくなり自殺してしまう。
それから、近所の団地では全戸、国旗が掲揚されるようになる。  その後、尾田は、、、!?
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理不尽な話です。
何にも悪いことしていなくても、権力や世間から標的にされると人間は弱いです。
江口の無念さと、妻と子供の行く末を思うと辛いものがあります。恐ろしい話でした。

第三話 路地裏の戦争
未買収の土地に交渉に行った不動産屋の久米原は、現地で拳銃を持った少年と少女に呼び止められる。
少年はこの土地の持ち主の息子で父と母は殺され、雑木林から襲ってくる見えない敵と戦争をしていると言う。
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黒猫が登場する不思議な怪談話です。

第四話 恋するビデオテープ
大学教授の夫宛てに、差出人不明のビデオテープ届いた。
大学の教え子と恋愛をしている教授は不思議な出来事に巻き込まれていく。
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久しぶりの赤川ホラーです。話し言葉が多くテンポよく待ち時間にすぐ読めました。

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  ありがとうございます

コメント (2)
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