ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 ラプラスの魔女 」  東野 圭吾

2015-11-30 14:54:53 | 
  「 ラプラスの魔女 」  東野 圭吾

     

「 ラプラス 」って何? 
そこから調べて、ラプラスとは、人名でフランスの数学者、物理学者、天文学者で、ピエール・シモン・ラプラスの事と分かりました。
彼が唱えた説から、「 ラプラスの悪魔 」と言う言葉が生まれました。

登場人物のそれぞれの視点から描かれています。  空想科学ミステリーとうたっています。
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羽原円華は母の実家に遊びに行き、竜巻に遭遇して母を亡くす。
父はある少年の手術のため同行せず助かる。

8年の時がたち、円華は医者である父のもと数理学研究所で桐原玲と、ボディーガードの元警察官の武尾徹に守られ暮らしている。

その頃、赤熊温泉で映像プロデュ―サー水城義郎が温泉から出る硫化水素の事故で亡くなった。
遠く離れた苫手温泉でも役者の那須野五郎が同じように亡くなって、地球科学研究者の青江教授が調査を依頼される。
青江はどちらの現場にも円華の姿を見かけ、この事故に疑問を抱き調べ始める。
刑事の中岡裕二も事件性を疑い動き出す。

青江と中岡は、8年前の甘粕才生の家族の悲惨な事故に行きあたり、甘粕の書いたブログから、生き残った意識不明の息子の謙人を手術したのが円華の父・全太郎であると知る。
謙人は、目覚めてから、主に物理的な現象を予測できるようになっていたが、或る日、円華とともに暮らしていた数理学研究所を出て行方不明になる。
円華は、彼を探して事件のあった温泉街を訪ねていた。
青江は円華と接触を図り、父全太郎とも会い、事故の原因を究明する。

事件は8年前の甘粕の事件と繋がり、中岡にも青江にも政府や警察の上部から妨害が入るが、やがて意外な動機と展開で解決へと進んでいく。
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甘粕才生も謙人も生まれ持ったものに振り回され可哀相な人たちです。 この天才、鬼才( 奇才 )に、関わり合った妻や娘・息子や友人・知人たちも不幸でした。
世界中で、裏で秘密裏に進められていること。色々な実験や研究。知らされない事実。 私たちは、知らぬが仏で、楽しいような恐ろしいような。

文中の才星と謙人の言葉が、心に残りました。

P430の、真実とは? 残った物( 歴史 )が真実とは限らない。
P436の、世界は、一部の天才やあなたのような狂った人たちで動かされているのではない。
凡庸な人々が、集合体となった時、劇的な物理法則を実現していく。この世に存在意義のない個体などない。ただ一つとして。

時々、自分の生まれてきた存在意義を考える私は、この言葉に痛く感じ入りました。

この世の未来はと尋ねられた円華が「 知らないほうがきっと幸せだよ 」と言います。
私は、『 謙人は何処に消えたのかしら? 』と思います。

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  ありがとうございます

コメント (3)
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