アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

「銅版画 さまざまな技法による銅版画の実際」

2015-12-05 07:24:20 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
創元社クラフトシリーズ
 銅版画 さまざまな技法による銅版画の実際
          渡辺達正著  創元社 定価2500円

 これを本格的な銅版画制作書とは言わない。これがちゃんとした銅版画制作入門書である。つまりこれぐらいちゃんと書いていないと入門書にならないのである。それぐらい銅版画は敷居が高い。したがって本書は初心者向けの良書である。惜しむらくは、銅版プレス機を買えなければ借りるしかない、借りるにはどうしたらいいか、について触れられていないことである。
 冒頭に「銅版画の流れ」という題で、ごく簡単ではあるが、銅版画の歴史について触れているのもよい。
 残念ながら本書は絶版なので、手元になければ古本で見つけて是非買っておきたいところだ。

 付)私はこの本を図書館で借りました。買いたいと思って書店で調べてもらったら、絶版とのことでした。他にいい本があるのかなあ。そういうこともちょっと調べてみたいと思っています。
 ただよく考えてみると油絵制作の入門書もいいのがないよなあ。どれも通り一辺しか書かれていない。けれどそれで済むんだよな、油絵の場合は。そう考えると油絵制作は敷居が低い。いいことだ。
 そういえば水彩画制作の入門書もいいのがない。水彩画は敷居が低すぎるのが災いしている。敷居が低いだけで、極めようとしたら油彩よりも大変なのに。メーカーによる紙や絵具の差違について詳しく述べている本なんて見たことない。油絵よりも支持体や絵具選びが深刻なので(それが仕上がりに決定的な差となって表れる)、初心者にある程度の情報を与えないといけないはずなんですが。
 もうね、下手な入門書読むぐらいだったら、インターネットで調べた方がいい。そんな時代になっちゃった。私も随分お世話になってます。


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