もとmoto元・甲斐の馬券神

2007年甲斐から笄に、2011年芝浦に拠点を移し、さらに2016年からは本拠札幌にて競馬三昧の日々を送る毎日。

心臓弁膜症戦記(その5)ICUからの脱出

2017年09月28日 | Health-care
★ICU暮らし/そしてICU脱出(6/26 14:40~6/27 午後)

◆ICUについては、普段なかなか入れないので、家族に「撮影しておいてくれ」と依頼しておいたが、後で確認すると「携帯電話持ち込みNG」だし「撮影禁止」といわれたとのことで、残念ながら全身チューブに繋がれた雄姿を記録に留めることはできなかった。
◆本人は記憶にないが、手術室からICUに入ったのは嫁によれば「14:30頃だったよ」とのこと。診療明細から推測すると9:00から手術を始めたとすれば14:40頃に手術終了だから、その記憶は正しそうだ。
 目覚めた時回りに誰かいたかの記憶もハッキリしておらず、夜中までうつらうつらした状態だったような気がする。
◆ICUでは全身いたるところからチューブや配線が出て、それが測定器に繋がれているため体の自由がきかない。もっとも、体全体を動かそうとすると開胸した傷口がかなり痛いので、極力手先のみでいろんなことを済ませる作戦で臨む。
 体に接続されているのは以下の6本(だったと思う)
① 経鼻カニューレ(鼻、酸素供給用)
② 中心静脈用カテーテル(右首筋、心臓への薬・栄養点滴用)
③ 膀胱留置カテーテル(リトルジョン先っちょ、膀胱からの直接排尿用)
④ 吸引留置カテーテル(みぞおち脇左右各1本、体内出血の排出用)
⑤ 点滴(手首、抗生剤・水分補給用)
⑥ 体外ペースメーカー用心臓植込ワイヤー(左胸下部、心臓機能監視用?)
◆21時頃、看護士から「水飲んでもOKですけど、飲みます?」と声をかけられる。それほど強烈な渇きは感じなかったが、このチャンスを逃すといつまた飲む許可が出るか不安だったので、水を所望。とりあえず100mlとのこと。
 馬:体おっきいんだからもう少し多くてもいいんでないの?
 N:「ダメ」
 馬:ケチ。
◆ICUにいる時は、1~2時間おきに血圧測定やらで頻繁に起こされる。そんな中、夜中の3時頃だったと思うが、水を飲む時に看護士が「少し体を起こしてみますか?」と聞いてきた。変化がなくて飽きてきた時だったのでその提案にのることにしたが、看護士がリモコンで電動ベッドに角度をつけて状態が45度位起きた途端、頭がスーッと冷たくなり、吐き気を催す。
 馬:ダメだ。ダメだ。ベッド水平に戻しておくれ。
 N:あ、ダメですか?(意外と冷静。すぐさまベッドは水平に)
 馬:うーーー。気持ち悪い。戻しそうだから洗面器置いといて。
 N:はいはい、どうぞ。
 結局、初回の起き上がりトライは失敗。嘔吐することはなかったものの、洗面器と友達になったまま朝を迎えることになった。
 後で確認すると、手術後の心臓に負担をかけないよう血圧を下げるコントロールをしているため、寝た状態から起きると脳に血が届かなくなり貧血を起こす。心臓手術後の状態としては普通のことらしいが、こっちとしては「手術によって何かしらの不具合が起きたんじゃないか」と不安だったぜよ。
◆朝になると、看護士が面倒をみてくれる頻度も少なくなる。
 N:「この病院のICU、有線が聞けるんですけど何か聞きますか?」
 馬:んじゃ、J-POP頼む。
 最初のうちは気が紛れたが、いわゆる音楽番組と違って次から次に曲がかかるだけなので、次第に苦痛に感じるようになったため、1時間ほどで有線放送停止。やっぱ、「音楽+DJ」が50:50位の比率の方が耳が休まるんだな。音楽番組っちゅうのは良く考えた構成にしてるよな。と妙に納得。
◆昼前、看護士2人が「体洗いまーす」とやってくる。1人は30代前半、もう1人は20代半ばの女子。上半身だけかと思ったら、下もスッポンポンにされた。下の面倒見は予想通り後輩たる20代がやらされてた。可哀想に20代は我がリトルジョンの清掃を余儀なくされたのであった。。。合掌。
 洗う方も洗われる方も、笑顔でというワケにもいかず、かといって楽しく語らいながら、ともできず、無言のまま互いに神妙な顔で洗浄終了。なんだか気まずい空気が蔓延してきたぞ。
 手術前にお世話になっていた病棟の看護士は中年域に入った人が多かったが、ICUの看護士は総じて若手が多く、しかも行動のスピードが早い。やっぱりICUって言うだけあって、看護士側も四六時中集中しなきゃいけないし、何か緊急事態が起こることも多いだろうし、若くないと持たないんだろうな。ICUメンバーは病棟に比べると、若くて優秀な選抜メンバーなんだろうな、というのが感想。
 診療明細書でチェックすると、ICUの宿泊代は、1泊=75790円ナリ。
◆暇つぶしのネタとしてだろうと思うが、ICUの主任らしき看護士が「このベッド、北海道では北大とここにしかない、っていういいベッドだそうですよ」と自慢しつつ、リモコンであれやこれや動かしてみせてくれた。それに乗っかって、ベッドの中から電動ベッドの操作をしてたら、突然リモコンが効かなくなる。「あれれ、壊したかしらん?」と思いつつ、さっきの主任を呼んで「おーい。●●さん。ベッド動かなくなった」とヘルプ要請。
 主任が早速馳せ参じ、設定を初期化するなどいろいろやってみるも回復せず。少々慌てた様子で販売店の担当に電話で問い合わせていろいろ試みるも不具合は解消しない。
 「お、まずい。ベッド修理代も追加で請求されたらどうするべ。保険効くかな?」と、かなり心配になる。
 十数分後、主任登場。
 主N:「取扱説明書読んで分りました。一定角度以上起こすと、患者側のリモコンでは操作できなくなるようです。ケラケラ。」
 そして、外側のNurse操作用のリモコンで操作すると、ベッドの電動機能無事回復。
 しかし、購入してから今まで取説読まないで使ってた、って、いざ緊急事態の時にどうしたんだろうね?
◆10時頃に「一般病棟への引越は15時の予定だったが、次のICU患者がくるから午後の早い時間に一般病棟に移す。」と聞いていたが、昼過ぎに「次の患者は来なくなった」との情報が。当初の予定通りに15時過ぎに一般病棟に引っ越し。しかし、「ICUが不要になった患者」の末路はどうなったんだろうか?
 手術前には相部屋だったが、同室の患者のところに出入りする看護士や見舞客などの自分に関係ないところでの人の出入りが鬱陶しいため、嫁に頼みこんで差額ベッド代10000円/泊の個室の507号室を確保。


            

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