ちょっと前に少しだけ書いたけど・・
シュタイナー教育の「にじ工房」でここ3ヶ月ほど
やってみた『バイオグラフィ・ワーク』
とても興味深い体験でした。
”バイオグラフィ”とは、「自伝」や「伝記」という
意味があるそうで、このバイオグラフィ・ワークは
自分が歩んできた人生を7年ごとの周期で分けて
振り返ることで、自分が今まで出会ったものや人たち、
経験してきたことから、改めてそれがどういうことだったのかを
考えたりしながら、これからの人生へのヒントを見つけることにも
繋がるというちょっと壮大な?作業の時間でした。
振り返るだけなら自分ひとりでも出来るけど
それを造形活動をしてカタチに表すことと
それをいろんな視点から人に説明するという作業をします。
シュタイナー教育の考えの中で、人の
人生は7年ごとの周期で区切りを迎えるという
考えがあるのだそうです。
誰もがこの時期にぴったりと当てはまるとは
限らないと思うけど、でも確かにそうかも・・と
思えることが多かったです。
①第1周期(0才~7才)
自分の中の一番古い記憶・・(なるべく人から聞いた話ではないもの)を
思い出して、その場面をクレヨンで描く。
いつごろ(何歳)どこで、何をしてるところか、誰といるのか
自分の服装、髪型、体型・・なるべく細かく
思い出せるだけ思い出して描く。
それを説明しながら、その時の気持ちも
思い出せたら説明する。。
私は、3才~4才のころ住んでた家で弟と遊んでる場面を描いた。
すご~くぼんやりとした記憶なんだけどね・・
結構記憶って残ってるもんだなーってびっくり。
★この0才~7才の時期は、赤ちゃんから人になる?ための
基本を学ぶ時期。食べる、寝る、立つ、歩く・・見る、聞く、喋る・・
人として生きる力の基礎を覚える時期。
この時期は主に家庭の中にいるので、自然と身近にいる親や兄弟、家族が
お手本になっているのです。
②第2周期(7才~14才)
10才ころ自分がよくやっていた遊び(習慣になっていたもの)の
様子を粘土で形作る。(粘土は陶芸用粘土)
私は、その頃、父の仕事の関係で家族4人でアメリカの
テキサス州に1年間住んでいたので、学校から帰ってくると
弟と2人でよく遊んでた。よく覚えてる遊びは
自分で紙に住んでみたい家の図面?を書いて
すごろくのコマみたいなものを人間に見立てて
これは○○ちゃん、とか言いながら想像遊びをするのが
好きな子どもだった。。今思うと日本で仲の良かった友達を
思い出してたのかも・・?アメリカの学校生活も楽しんではいたんだけどね。
既製のおもちゃで遊ぶより、何か作って遊ぶほうが
好きな子どもだった・・気がする。。これって今も変わらない?(笑)
★この時期は、学ぶ場が家庭から社会に広がる。影響を受ける人が
家族だけじゃなくて、友達や先生・・と今までより世界が広がる。
この頃、基本的な生活習慣を身につけることがとても大事なんだそう。
良い生活のリズムができてたり、食生活のバランスが取れてることが
心身の成長に大きな影響を及ぼす・・ということみたいです。
確かに・・このころの自分、祖父母と一緒の生活で
毎日健康食、規則正しい生活で好き嫌いもなく健康だったな。。
いろいろ、不安定な時期もあったんだけど、でも生活習慣だけは
ちゃんと守られてたようです。。
この時期の生活習慣がきちんとしていた子どもは
大きくなって困難にぶつかったとき、ちゃんと乗り越えられるのだそうです。
なんかちょっと納得。。
③第3周期(14才~21才)
この時期、自分の将来のことについて決めるきっかけになった
出来事・・その場面を思い出して描く(木炭で)
私は、母の妹で小学校の教員をしている叔母と
進路について話してたときの場面を描いた。
社会福祉に興味を持っていて、障害児教育の方向に進もうと
考えてたころ・・それもいいと思うけど、幼児教育を勉強してから
でも遅くないと思うよ。最初から障害児教育っていうのは
大変なことだと思うよ・・というような話がきっかけで
幼稚園教員の免許が取れる大学を目指し始めたんだったと思う。。
沖縄の短大を勧めてくれたのも叔母だったし。。
④第4周期(21才~28才)
この時期に出会った人の中で、一番自分にとって大きな出会いを選んで
その人との場面を水彩で描く。
第4周期は、今までの3つの周期は親の目の届く範囲で守られていたけど
ここからは社会に出て、自分で生きていくことを学んでいかなくては
いけない時期。社会に出てからの赤ちゃん期。社会に出てどうやって
生きていくか・・を学ぶ時期。
この時期には、たいがい、大きな出会いがあるのだそうです。
「この人、すごいな~」とか、「あんな人になりたいな~」とか・・
仕事の面で憧れる人だったり、その出会いで結婚する場合もあるし・・。
考えたら、ホントにこの時期、大きな出会い、憧れるような人との
出会いが多い時期だった。仕事の面でも、趣味やプライベートな面でも。
そういう人に出会えたことってすごく幸せなことだな~って思う。
私は一番いろんなことがめいいっぱい詰った時期だったので
迷ったけど、やっぱり中でも一番思い出の詰った時期を選びました。
そのあと「その人について語ってください」ということで
その人との出会いから、受けた影響(与えられたもの)、
今はどう思っているのか・・
どんな風にその人と繋がっているのかいないのか・・
そして最後に
「あなたはその人に何を与えたと思いますか?」という質問。
これには・・答えが出なかった。。
「何かできたかな・・・」って。
もう直接聞くことは出来ない人だったので
その答えは想像でしかないけど・・何かちょっとでもあったらいいな。。
⑤第5周期(28才~35才)
この時期の中で、2つの場面を粘土で形作る。(陶芸用粘土)
A:大地が崩れさるような・・心の支えを失ったような瞬間
(絶望感を味わったとき)
B:自分の夢や希望が叶ったと思った瞬間
(※人に話せないような辛い体験を無理に話しなさいということでは
ないので、話せる範囲での内容でいいということです。)
この時期は、社会の中である程度経験を積んできて
もう新人扱いはされなくなる時期。。今まで周りがフォローしてくれたことが
自分で責任を持たなくてはいけなかったり・・大きな衝撃を受けたり
また逆に何かを成功させたりする時期。。
なるほどー・・
うん。確かに。
挫折と立ち直りを繰り返してるなー。。。
なかなか大きな夢の実現♪を実感することって
少ないけどね・・・
挫折、凹みの方が多いな。。でも、”小さな嬉しいこと”で立ち直れたりする。(笑)
私の場合、この第5周期までで現在の年齢まできたので
振り返ることはここまでで終わり。
今さしかかってる次の第6周期(35才~42才)は
社会に出てからの、3周期のまとめの時期なのだそうです。
今まで学んできたこと、温めてきたものを何かの形にする・・
そして、42才からの次の周期は、今まで社会から学んできたものを
社会にお返しする(役立てる・・)時期なのだそうです。
ほぉ・・・・。。。
その頃お返しできるようになってるといいな。。
バイオグラフィー・ワーク。。
普段ではなかなかここまで、考えたり
自分のことを人に話すことってないと思うけど
改めて自分を見つめ直すいい時間でした。
考えるだけじゃなくて、造形作業も
それぞれの周期に合った画材が選ばれていて
おもしろいと思った。
クレヨンは・・なんとなくおぼろげな記憶を柔らかい色で表現できるように。
粘土は・・はっきりしてる記憶を立体で表すことでもっとリアルに表現できる。
いろいろ納得です。。