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2023年J2リーグ・開幕前の編成の雑感4 ~天に届く糸、発信元は欧州スタイルかマスコット人気か

2023-02-09 16:00:59 | 雑記

その1 その2 その3 

※例によってあまり込み入った事は書いていません

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どのクラブも当然目標はJ1昇格であるが、好機と見てそこへ向けて這い上がるべくの糸を放つも、それが果たされなかった際には跳ね返りが大きいという絵図もまた下位カテゴリの悲しい性か。
前年は熊本が昇格へ後一歩と迫り、まさかの「J3から昇格して1年でJ1へ……(といっても以前J2に居た実績はあるが)」という夢を見せたものの、結局はプレーオフを勝ち抜けずに終わるとオフの編成を経た現在地は瀬戸際に近い状況に。そうした乱高下を身近で見る立場となった?南方のクラブ、まずは揺るぎ無い基盤を作り上げる事も求められる。
その一歩となるのがフロントの体勢で、まずはジャパネットという大基盤を得て数年という長崎。そして今オフに、あくまで欧州路線を貫くという姿勢を内外に示した徳島が、糸を放つ資格を得ている状況だろうか。当然、熊本同様POで敗退するも戦力ダウンは小さかった岡山や、引退即社長就任という荒業を見せた山口の動きも見逃せない。

<ファジアーノ岡山>

その手腕を発揮し、就任1年目で最後まで昇格を争った木山隆之監督。しかし理想のサッカーを貫けたとは言い難く、非常に選手とくに助っ人勢に依存する形のような印象を受けた。そのうちW杯でも名を上げたミッチェル・デュークが町田に引き抜かれたのが大きなトピックだが、それを補う術はあるだろうか。
ビルドアップ能力の改善を目指すかのように、鈴木を獲得したのは僥倖。他にも札幌から借り入れた井川のフィード力は、バイスの代役としても(攻撃面では)謙遜なさそうだ。こうして後ろから繋ぐ土台を作り上げ、いかにデュークというターゲットへのロングボール頼みからの脱却を図るか。3バック・4バックどちらも行った前年だが、強度(バイス・柳)との両立を図るには3バックの方が優れていると思われる。
前線にデュークの穴を埋めるように加わった櫻川をはじめ、レンタル選手に舵を振ったような編成。その数(継続の仙波含め)7人だが、その櫻川以外は律義にバックアップを集めたというような一見の印象。それとも無理矢理前年のレギュラーと入れ替えるとともに、スタイルの変換を実現するのか。

予想フォーメーション 3-3-2-2(3-1-4-2)

GK 堀田 金山 谷口 山田大樹
CB ヨルディ・バイス(C)柳(CR)濱田(RLC)鈴木(LC)井川(RLC)(本山R)
WB 河野(R)佐野(L)木村(L)ハンイヴォン(LR)高木(L)高橋(L)野口(LR)
DH 輪笠 本山 田部井 (河井)(井川)
IH 河井 仙波 田中 ステファン・ムーク 川谷 (本山)
FW チアゴ・アウベス 永井 櫻川ソロモン 坂本 福元

予想順位 5位~12位

<レノファ山口FC>

まだ余力を残しながらも、引退した渡部の社長就任がサプライズとなり。おかげで話題性は保ちつつも、(菊地・佐藤健太郎も併せて引退したため)層の薄さがネックという感じの編成。「沼田(駿也)が抜けて沼田(圭悟)が入って来た」というギャグを述べている余裕もあまり無く。最も痛手となったのは橋本の移籍だろうが、個人昇格とはいえレンタルかつJ1最下層?の横浜FCが移籍先なので、戻ってくる可能性は無きにしも非ず。
ともかく渡部・菊地が抜けたため、完全に若いメンバーが中心となるセンターバック。ボランチの層も薄いため、4-3-3を選択すれば一気に守備崩壊しかねない危なっかしい編成に見える。前のポリバレント能力を活かしての3バックで安定性を図るべきだと思うが、選択は果たして。
前線(1トップ以外)には面白いメンバーを揃えた。生え抜き7年目の池上中心の組み立てに、レンタル組はアタッカー気質旺盛な若手、完全移籍は中堅組で味を加える。
これを得点に繋げるべき1トップ、若手(梅木・河野)とベテラン(大槻・皆川)の中間が居ないという断層は相変わらず。補強の皆川が故障に塗れない事を祈る。

予想フォーメーション 4-1-2-3

GK 関 寺門 吉満 チェヒョンヤン
CB ヘナン 生駒 上本 松本 国本 (前)
SB 前(RL)石川(LR)高橋(R)沼田(L)(高木RL)
DH 佐藤 神垣 (前)(池上)
IH 池上 山瀬 矢島 (神垣)(吉岡)(松橋)(小林)(五十嵐)
WG 高木(RL)吉岡(R)小林(L?)松橋(L)田中(?)五十嵐(R)
CF 大槻 梅木 河野 皆川

3-4-2-1の場合

GK 関 寺門 吉満 チェヒョンヤン
CB 生駒(CR)ヘナン(L)前(RL)高橋(R)上本(?)松本(?)国本(?)
WB 石川(LR)吉岡(R)高木(RL)沼田(L)(前RL)(高橋R)(五十嵐R)
DH 佐藤 神垣 (前)(池上)(山瀬)
IH 池上 山瀬 矢島 小林 松橋 田中 五十嵐 (河野)
FW 大槻 梅木 河野 皆川

予想順位 11位~19位

<徳島ヴォルティス>

欧州路線を継続。2期連続でJ1クラブに監督を実質引き抜かれたとあっては、精神的に折れて頓挫してしまいそうなものだが、今回は新監督ベニャート・ラバイン氏の所属していたクラブ(レアル・ソシエダ)との育成業務提携というニュースが付いてきた。あくまでこの路線を貫く姿勢を内外に示すと、編成の終盤には柿谷再加入というサプライズで締める、華麗なオフとなった。(実質的な最終加入はケサダだけど)
そうした要素と前年の反動から、獲得多めとなったオフ。GK5人をはじめやや過剰という感じだが、新監督の構想によりこれから激しい振るい落としが開催されるのだろう。
前年の4-1-2-3を受け継ぐのかどうかは不明。個人的にやはり柿谷の活かし方がキーとなると思うので、3トップでは起用が難しくなる(仮に4-1-2-3では、インテリオールがベストか?)という思惑を下に予想を組み立ててみた。FWの補強も旺盛なので、2列目トップ下が最適のような気がする。
そんな編成だけを見れば昇格争いは必至な布陣だろうが、ラバイン氏はトップチームの監督業が初めてなうえ若年なので、その見通しは不透明。当たりとなるか、あるいは数年掛けて磨き上げる人材なのかで順位予想を変えてみたがどうなるか。(後者ならば、10得点以上する若手が現れなければキツイと推測)

予想フォーメーション 4-2-3-1

GK ホセ・アウレリオ・スアレス 長谷川徹 松澤 田中 後東
CB カカ 石尾 安部 内田 石井
SB 田向(LR)エウシーニョ(R)ルイズミ・ケサダ(L)外山(L)吹ヶ(L)西坂(?)(安部L)
DH 白井 長谷川雄志 櫻井 山下 (杉本)(玄)
OH 児玉(CR)西谷(LR)杉森(RL)杉本(C?)浜下(R)坪井(R)玄理吾(C?)オリオラ・サンデー(RL)柿谷(CL)高田(RL)中野(R)棚橋(?)(外山L)
FW 渡 森 千葉 (柿谷)(坪井)

予想順位 3位~7位 or 11位~15位

<V・ファーレン長崎>

まさかの守備崩壊で松田浩政権が消失してしまった前年。途中就任のファビオ・カリーレ監督もそれを立て直す術を図れずとあっては、ディフェンスラインの刷新を図るというオフとなったのも当然であり。
J1から2人獲得(ヴァウド・今津)し、さらにカイケ・白井の成長も期待できる陣容であり、前年のような高さの不足も無い。これで解決出来ずに低迷とあらばカリーレ氏も言い訳が効かず、今季も監督が途中交代となるのは避けられないと思うし、松田氏(今季からJ3・宮崎の監督)も居ない中で当たりの人材を連れて来れるかどうかも不明。
中盤以前は、植中・山崎が抜け、名倉・フアンマが(再び)加わった事以外はほぼ前年と同じ。それでも不安要素が大きいのは、植中が抜けた事で実より名を取るといった編成になってしまった感が強いからか。とうとう退団となったビクトル・イバルボの稼働率の低さからも、そろそろ「有名な助っ人を獲ればチーム力は上がる筈」という発想からの脱却が欲しい。その意味では、名倉がどれだけ攻撃に流動性を齎せるかのウェイトは想像以上に大きいか。
相変わらず、ヴィヴィくんの人気ぶりジャパネットという基盤の大きさを利用した発信面はJ2屈指。新スタジアムも完成する近い将来もあり、その際にJ1に居ないと格好がつかないと思うがさて。

予想フォーメーション 4-2-3-1

GK 富澤 原田 波多野
CB 櫛引 カイケ 白井 ヴァウド 岡野 今津
SB 加藤聖(L)米田(LR)奥井(R)高橋(R)
DH カイオ・セザール 鍬先 加藤大 秋野 安部 五月田 瀬畠
OH クリスティアーノ(R)クレイソン(LRC)澤田(LR)大竹(RL)笠柳(L)名倉(LR)増山(R)宮城(L)(加藤大C)
FW エジガル・ジュニオ 都倉 フアンマ・デルガド

予想順位 4位~8位 or 12位~17位

<ロアッソ熊本>

プレーオフに最後まで残った事で感動を与えたものの、「経過より結果が全て」というJリーグからの無情な返答を受けたオフとなった。果たして主力選手の大幅引き抜きに遭い、ほぼ一からやり直しを強いられる事に。個人的には、鳥栖を選んだ河原に更なる成長を祈るばかり
可変式3-3-4・3-1-5-1・そして昨季の3-3-1-3と特異なフォーメーションを操って来た大木武監督も、未知数のメンバー数多という状況では機能させられるかどうか……という訳でオーソドックスな布陣で予想。それでも3バックとボランチの不確定ぶりはどうしようもない。
センターバックはJ1に居た岡崎を中心に、ボランチは前年栃木でレギュラーを勝ち取った松岡が中心となるだろうが、新人起用を交えなければならない苦しさはどうやっても避けられず。
比較的マシなその他のポジションも、盤石なのは竹本・三島・平川ぐらい。他クラブから獲得した大本・島村・石川も、元岐阜という大木監督繋がりでしか無いパイプ面の苦しさも露呈。どこを見ても苦戦必至なシーズンとなりそうである。
躍進した一年から一転と、2年前の北九州・小林伸二監督(当時)の苦難を感じさせるものであり、いくらピッチ上の手腕に優れていても……となってしまうのか。あるいは新人の中から颯爽と救世主が現れるのか。

予想フォーメーション 3-4-2-1

GK 佐藤 田代 増田
CB 黒木(R)阿部(RL?)岡崎(C?)相澤(?)宮嵜(?)(江崎L?)
WB 竹本(L)三島(R)上村(R)田辺(L)藤田(L)江崎(L)(大本R)(阿部R)
DH 松岡 大西 豊田 (阿部?)
IH 平川 伊東 粟飯原 東山 大本 島村
FW 土信田 石川 大崎 道脇 (粟飯原)

予想順位 12位~21位

<大分トリニータ>

琉球の降格に伴い、J2最南端のクラブへ。
前年選手が多かった影響もあり、放出の方が膨らんだオフ。しかし主力の流出も相成って狙い通りとはいかず。左センターバック(三竿)・右ウイングバック(井上)・ボランチ(下田)・サブGK(吉田)と要所要所のポジションで引き抜きに遭い、1トップで最も安定感がありそうな呉屋も千葉へ移り。
目を引くのが生え抜き選手で固まったボランチで、前年を踏まえると弓場・保田のユース組の2人。これに心許ないと待ったをかけるのが大卒の羽田と面白い布陣ではあるが、一度不振に陥った際に歯止めを利かせる選手が欲しい。新加入の池田も攻撃型であるし……
今季も恐らくはプレーオフ争いには加わりそうだが、九州勢でも影が薄くなりつつあるのが難点だろうか。J1時代にあった「限られた資源を最大限に生かす」気質も、最近では同じ九州勢の鳥栖に取って代わられている感があり、アイデンティティを喪失していやしないか。

予想フォーメーション 3-4-2-1

GK 高木 西川 新井 テイシェイラ
CB ペレイラ(C)上夷(R)坂(CR)刀根(CL)デルラン(?)安藤(R?)高橋(?)
WB 藤本(L)香川(L)宇津元(R)野嶽(R)高畑(L)(松尾?)(茂L?)
DH 弓場 保田 羽田 池田 (ペレイラ?)
IH 野村 町田 中川 渡邉 梅崎 屋敷 (池田)(伊佐)
FW 長沢 サムエル 伊佐

予想順位 6位~12位

おまけ


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