ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第26節 レノファ山口FCvs栃木SC

2024-08-13 16:23:39 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山口の記事はこちら(23節・鹿児島戦、1-0)
※前回の栃木の記事はこちら(21節・千葉戦、2-1)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 本来のチームカラーはオレンジだが、「まちじゅうエヴァンゲリオン」のイベントとのコラボで紫がメインカラーに。
  • 加入決定していた酒井・奥山・下堂・ユーイェンが24節(秋田戦、0-1)から登録される。酒井は即スタメン出場。
  • 移籍決定していた梅木・加藤が24節をもって登録抹消。
  • 今井がJFL・高知ユナイテッドSCへ完全移籍となり、前節をもって登録抹消。(7/23をもってチーム離脱)
  • 22節(水戸戦、1-1)で負傷交代したシルビオ・ジュニオールが、リハビリのため母国(ブラジル)へ帰還。
  • 磯谷(福岡大)の来季加入が内定し、後日特別指定選手となり前節から登録される。

<栃木スタメン>

  • 坂がJ1・ガンバから完全移籍で加入し、24節(岡山戦、1-1)から登録されて途中出場、前節(熊本戦、2-0)からスタメン出場。
  • 玄理吾が徳島からレンタルで加入し、25節から登録されて途中出場。
  • 山本桜がJ1・柏から育成型レンタルで加入し、今節から登録されてベンチ入り。
  • GK中島がJ1・磐田へレンタルバックで復帰となり、24節をもって登録抹消。

プレーオフ圏以上の位置に居るクラブで、異彩を放っているのが山口。
前年の残留争いから状況を一変させたその姿は、観ている者の心を打つとともに、一年一年が勝負というスピードの速さを示すものであり。
シーズン中にも大規模な移籍期間が挟まり、目まぐるしく変わる編成に付いていく必要性が生まれるサッカー界。
2018年に上位に着けていた際は、それに付いていけずに主力(小野瀬)の引き抜きが絡んだ結果昇格争いから脱落してしまう苦い経験もありましたが、今季はどうなるか。

その山口の立ち回りは、中断期間が挟まった事もありビルドアップの形は非常に流動的に。
これまでは新保を高い位置に上げた左肩上がりがメインとなっていましたが、新保が最終ラインに残ったまま攻撃を始める機会が膨らみ。
一方で逆サイドの前はただ上がるのでは無く、「偽サイドバック」的に絞る位置取りをメインとし。
これらを基本としながら、時には前・新保の両者がワイドを上がり、ボランチが降りての3枚という具合に様々なものを使い分け。
栃木のハイプレスに対し的を絞らせないという思惑なのは明らかで、その通りに立ち上がりはロングパスを交えながらのプレス回避がメインとなりました。

そのため、ボールを持たされる時間が必然的に増える栃木。
前半6分、山口は前に出た新保へロングパスを送るも、森のヘッドでの跳ね返しを繋いで逆に栃木の攻撃に。
宮崎の落としから敵陣でボール確保し、坂が後方から上がり押し込みを図りましたが、その坂のエリア内への浮き球パスが合わずに終わり。
地上での繋ぎはクオリティに欠け、山口のSBが上がる隙を突かんとしてもどうしてもスピードが遅れる破目となり。
ならばと9分、クリアボールを拾った青島がそのまま中央突破を敢行、山口のドイスボランチの間を抜いた末にバイタルへ。
ヘナンに止められて実らずも、突破力に優れるボランチという異色の能力を発揮しに掛かるこの日の青島。

地上でのビルドアップに勤しむ栃木に対し、当然ながら山口はサイドハーフの片割れが最前線に出てのプレッシングを敢行。
それに伴い、栃木のウイングバックに対してSBが果敢に前に出て規制を掛ける姿勢を取り。

これにより栃木は中々前に運べなくなり、状況的に山口有利か……と思っていた所で迎えた17分。
山口が地上から繋ぐ局面になると、最終ラインに降りた相田→佐藤謙への間を通すパス出しが読まれ、プレスバックした奥田により全方位を囲まれる状態となった佐藤謙。
そしてワンタッチでのバックパスがその奥田にカットされて栃木がショートカウンター、スペースを突いて前進し左ポケットに進入した奥田に詰めにいった山口ディフェンスですが、逆に空になった中央へのパスが通ってしまい決定機に。
そして神戸はさらに横パスを選択と、細かく繋ぎきった末に大島がダイレクトでシュートしてゴールゲット。
本来の得意手であるハイプレスが突如襲い掛かる格好で、先制点に辿り着いた栃木。

思わぬ流れでリードを許した山口。
キックオフから、戻し→ヘナンが止める→板倉が左に開いた酒井へロングパスと、試合開始時と全く変わらぬ手法を取るもペースは握れず。
長らく好機が作れない時間も出来る(18分~22分)など停滞感が極まったものの、23分に相田のロングスローからの二次攻撃で、新保の左奥からのクロスをニアで河野がダイビングヘッドで合わせ。
GK丹野にキャッチされるも、期待感を持って飲水タイムが挟まれ(24分)第2クォーターに突入します。

これで冷静さを取り戻したか、26分に栃木のハイプレスを突き、板倉ミドルパス→吉岡落としでWBと左センターバックの裏を取って若月が右サイドをドリブル。
そして右ハーフレーンから一気にエリア内を突き、入れられたクロスに対し走り込む酒井の手前でスライディングでクリアに入った坂。
しかし体勢悪く、ゴール方向に蹴る格好となりオウンゴールと、完全に崩された故に仕方が無いという絵図になりました。
ブレイク明けから間も無く、すかさず追い付いた山口。

その後も山口は、この栃木の裏を突く攻めを徹底し。
32分に若月を走らせるロングパスが跳ね返されたのち、右からの攻めに切り替えると吉岡スルーパス→走り込んだ前がスルーパスと、連続スルーパスでまたも裏を狙ったものの酒井には合わず。
一見有効打に見えましたが、素早い攻めを意識する以上精度に欠く面もあり攻撃機会は膨らみません。

逆に栃木はボールゲインを頻発させて好機を量産しに掛かるも、こちらもフィニッシュまでは持ち込めず。
しかしサイド奥へと持ち込む流れは構築しつつあり、43分に左ポケット奥へ進入した神戸により、左コーナーキックへ持ち込み。
キッカー青島のニアへのクロスを大島がフリック、ゴール前に浮いた所をGK関が福島の手前で何とかパンチング。
しかし尚も攻めを続ける栃木、右からの奥田のダイレクトクロスも流れるも左で拾って継続、戻しを経て手前からの(大森の)クロスを選択。
急角度で上がったこのクロスに、GK関は再度パンチングにいったものの、ヘナンと被ってしまい掻き出せず。
そしてこぼれ球をファーサイドで待ち構えていた宮崎がボレーでしっかり合わせ、ヘナンのブロックも及ばずゴールに突き刺さり。
鉄壁を誇っていた山口ディフェンスの綻びもあり、再度リードを奪いました。

これで前半を終えたかった栃木。
しかし突入したアディショナルタイム、山口は最終ラインから地上で栃木のプレッシングをかわし、右サイドからアタッキングサードに持ち込み。
前のクロスは跳ね返されるも、拾って再度仕掛け、今度はスルーパスで奥を取った末に若月のクロス。
この低いボールをニアで跳び込んだのは前と、「偽SB」の本領発揮というシーンになりましたが、彼を越えて中央に流れた所を河野が森と交錯しながらも合わせ。
そしてゴールネットが揺れ、またも低く鋭いクロスにより同点弾が齎されました。
その後山口ペースとなるも、時間が足りずに2-2のまま前半終了。

良いムードで後半を迎える事に成功した山口は、入りから積極的に仕掛け。
裏狙いで栃木の最終ラインを脅かすも、2度オフサイドを取られ不発となり。

後半も流動的な最終ラインからビルドアップを図る山口ですが、縦関係となるボランチ同士のパス交換が目立つようになり。
1失点目に繋がったこの動作をブレずに交えるという具合に、サイド攻撃が中心ながら、あくまで中央を意識させる事に努めていた感がありました。
一方栃木は、テンションを上げて襲い掛かる山口のプレッシングの前に、前半とは一転して好機を作れない状況に。

今度こそ優勢となった山口ですが、統制取れたサッカー故に消耗も激しく、先んじてベンチが動き。
後半9分に若月→野寄と交代し、河野がFWにシフトとポジションチェンジを絡めた采配。

尚も攻勢を保つ山口は、11分からCK→相田ロングスローとセットプレーで押し込み、後者の二次攻撃で左サイドから新保のクロス。
そしてファーサイドでヘナンが折り返し、河野へチャンスボールが上がるも撃てず、さらにヘナンが合わせにいったところ平松と交錯してしまい反則で終了に。
両者倒れ込み、平松は頭部から出血するという具合に、(褒められたものではありませんが)猛攻に対し無傷で凌ぐ事が出来ず仕舞いの栃木。

そして18分、右からまたも相田がロングスローを入れ、一気に中央まで飛んだ所を河野が収める絶好機に。
何とか掻き出すも、ミドルシュートにいった前と奥田が交錯する格好となり、両者倒れ込んだものの奥田の反則に。
結果山口の直接フリーキックで継続と、攻撃を浴び続けてしまいます。
このFKは新保が直接狙い、ゴール右へ外れて何とか命拾いとなるも、反撃の手段も雰囲気も無く。

当然ながらベンチが動く栃木。
早い段階で動く姿勢は取っていたものの、山口のセットプレーが続く展開もあり間を置いた結果、22分に大森・奥田→小堀・南野へと2枚替え。
WBを1人削る格好で、誰が右WBに回るかと思っていた所、小堀がそのまま務め。(森が左に回る)
これまでFWかシャドーという小堀の役割でしたが、適応力が試される事に。

一方それを見た山口ベンチは、24分に一挙3枚替え。
吉岡・河野・酒井→奥山・小林成豪・山本駿と、前線の駒を一気に代えに掛かりました。

直後の25分、これらの要素が交わって試合が動きます。
GK関からの組み立てでヘナンが左へ展開すると、小堀はハーフレーンの相田に付いたために新保がフリーとなってワイドで受け。
そしてスルーパスが山本駿へ供給されると、そのまま左ポケットまでドリブルで進んだ末にグラウンダーのクロスが送られ。
中央で走り込む小林成の手前で福島がスライディングでクリアに入るも、またもゴールへ入れる格好となる、1点目を左右対称としたかのようなオウンゴールに。
懸念の小堀の所で綻びを見せてしまった栃木により、この試合初めて山口がリードを奪いました。

追い掛ける立場となった栃木、最終ラインからの組み立てに活路を見出す他無く。
これに対し山口は依然としてハイプレスを掛けるも、燃料補填したはずの前線が反則を量産する流れとなり。
その中で、31分に青島を後ろから倒してしまった野寄が警告を受け。
これで受け身にならざるを得なく、その意識が、33分にゴールキックでの再開が遅れてしまいGK関が遅延行為で警告と更なる被害を生み。
しかもベンチの不満も噴出した結果、中山元気コーチまでも警告を貰う破目になり、建て直しを図るべき状況に陥ります。

35分に栃木が動き、青島と宮崎に代えて玄・山本桜の補強選手を揃って投入。
すると山口もこれを見て最後の交代、佐藤謙→キムボムヨンへと代えるとともに、3-4-2-1へとシフトする守備固めの体制を採りました。(前がボランチに、野寄が右WBに回る)

攻撃はシンプルで、跳ね返しが巧く繋がれば……という意識へシフトした感のある以降の山口。
しかしそれが最大の結果に繋がり、37分相田のクリアボールに走り込んだ奥山により、栃木はタッチラインに逃れるもまたも相田のロングスローからセットプレー攻勢に。
またも中央まで投げ込まれる飛距離の長いスローから、ヘナンがヘッドで浮かせた所を山本駿がボレーシュート。
綺麗に仕留めたかに見えましたが、距離を詰めたGK丹野が足でセーブし、さらにヘナンの追撃のシュートも福島がブロックと防いだ栃木。
それでも右CKで継続した結果、キッカー新保のクロスが直接ゴールに向かい、GK丹野はキムボムヨンと競り合いながら何とかセーブ。
しかし大きく弾けず、ゴール前での乱戦となった末に、拾った小林成のシュートがゴールネットを揺らします。
守備重視の布陣から、まさかの追加点でリードを広げた山口。

心を折られるような失点ですが、諦めは許されない栃木。
41分に最後の交代を敢行し、大島→石田。
石田が右WBに入るかと思われましたが、距離が遠かった事かつ山口の左スローインで再開だったため、当初はそのままシャドーに入った石田。
しかしその1分後には入れ替わり、石田右WB・小堀シャドーとなって最終布陣に。

地上で繋がんとしても、5-4-1でリトリートする山口ディフェンスの前に崩しは厳しく。
突入したAT、ならばと平松クリア→小堀フリック→山本桜ヘッドから収めと空中での繋ぎから好機を作り。
玄とのパス交換から右ポケットへ切り込みシュートを放つ山本桜、ブロックされるも拾い直し、尚も右奥からクロスと劣勢のなか奮起を見せる新戦力。

そして最終盤のAT+5分、左スローインからの細かな繋ぎで、左ポケットへのパスを受けた山本桜。
そのまま強引に奥へ切り込み、キムボムヨンを剥がした末に放ったシュートがGK関のニアサイドを破ってゴールに突き刺さり。
土壇場で1点を返し、望みを繋ぎに掛かります。

しかし流石に時間が足りず、再開後暫くしてそのまま試合終了。
4-3で乱打戦という一見のスコアですが、シュート数は9対6に留まり。(オウンゴール2つが絡んだのもありますが)
山口にとってはヒーロー物とのコラボに相応しい、数少ない好機を一気呵成にモノにしての勝利といった所でしょうか。

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