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DAZN観戦 2024年J2リーグ第27節 徳島ヴォルティスvsファジアーノ岡山

2024-08-20 16:00:44 | サッカー視聴記(J2)

※前回の徳島の記事はこちら(23節・甲府戦、3-1)
※前回の岡山の記事はこちら(23節・仙台戦、2-0)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 加入決定していた岩尾・ターレス・鈴木輪太朗イブラヒームが24節(仙台戦、2-0)から登録される。岩尾は即スタメン出場。
  • 鹿沼がJ1・磐田から完全移籍で加入し、25節(愛媛戦、1-0)から登録されて途中出場。
  • 山口が愛媛から完全移籍で加入し、前節(山形戦、0-1)から登録され即スタメン出場。
  • J3・大宮からのレンタルの身であった高田颯が、完全移籍へと移行。
  • レンタル移籍(ポルトガル・ボアヴィスタSCへ)していた渡井の復帰が決定。(登録は未だされていない)
  • J3・八戸へレンタル移籍となっていたオリオラ・サンデーが、J3・大宮へ完全移籍となり籍を離れる。
  • 玄理吾が栃木へレンタル移籍となり、25節をもって登録抹消。
  • 橋本がJ1・新潟へ完全移籍となり(以下同文)
  • GK後東がJ3・YS横浜へ育成型レンタル移籍となり(以下同文)
  • 棚橋がJ3・相模原へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 中野がJ3・八戸へレンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。

<岡山スタメン>

  • 嵯峨がいわきから完全移籍で加入し、24節(栃木戦、1-1)から登録されて途中出場、25節(山形戦、1-1)からスタメンに定着。
  • 一美がJ1・京都から完全移籍で加入し、25節から登録されて即スタメン出場。
  • 神谷(元清水)が韓国・江原FCから完全移籍で加入し、25節から登録されて途中出場を続け、今節初のスタメンに。
  • 仙波が群馬へレンタル先変更という形で移籍(レンタル元はJ1・広島)となり、24節をもって登録抹消。
  • ガブリエル・シャビエルが双方合意の下で契約解除となり、25節をもって登録抹消。
  • 河野が鹿児島へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 23節で負傷交代したルカオは以降ベンチ外。
  • 家坂(中央大)の来季加入が決定、同時に特別指定選手となり24節から登録される。
  • 藤井海和(流通経済大)の来季加入が決定、後日特別指定選手となり今節から登録される。

リーグ序盤の暗黒期から脱し、昇格を狙える状況にまで浮上してきた徳島。
波乱万丈な軌跡をドラマティックに締めるかのように、夏の移籍期間では岩尾の獲得・復帰が決定となり、待っていたかのようにボランチとして即スタメンに定着する運びとなりました。

その岩尾の入団の際のコメントが、心を打たないファンは居ないと言いたくなるような内容であり。
この流れを狙って作り上げたのならば素晴らしいの一言ですが、だったら序盤の迷走はやる必要は無い、と一言放ちたくもなってしまい。
ともかく再び前を向く事に成功したフロントは、橋本の個人昇格というトラブルに対しても、すかさず隣県(愛媛)から山口を引き抜き補強するという具合に対処が早く。

一方の岡山も夏場に激しく動き、昇格という目標への向き直しを図ったチーム。
加入した嵯峨・一美・神谷が揃ってスタメン出場となったこの日。
一美の獲得は負傷離脱したグレイソンの穴埋めなのは言うに及ばずで、彼の他にシャビエルも突然の契約解除に襲われ。
ルカオの負傷離脱も絡んだ事で、GK以外は日本人選手を主体としての戦いを余儀なくされた格好ですが、その顛末や如何に。

徳島のホーム(ポカリスエットスタジアム)ながら、近隣である岡山も大挙してサポーターが訪れた一戦。
どちらも勝ち点3が欲しいのは当然で、試合開始から徳島は追い風を生かす、それも柿谷の飛距離の長いスローインからの攻勢。
それを裏で受けたブラウンノアが田上に倒され、以降左奥でのフリーキック→コーナーキック2本と、ひたすらセットプレーを続けるという流れに。

ボール保持に長けた徳島らしからぬ流れは、それを象徴するような得点で締められます。
6分、左サイドから柿谷がスローインを裏に送り、タイミングよく左奥へ抜け出したブラウンノアと先程と類似した絵図に。
そしてダイレクトでマイナスのクロスが中央に入ると、走り込んだ渡が果敢にダイレクトシュート。
鈴木喜のブロックを掠めて方向が変わり、GKブローダーセンの逆を突いてゴールに突き刺さります。
大胆な姿勢が見事結果を齎し、徳島が先手を取るという幕開けになりました。

ビハインドとなった岡山は、以降最後方からボール保持を試みるという、追い掛ける立場を如実に示す絵図となり。
可変の肝となっていた柳貴博が不在のなか、やはりその右サイドで新たな形が見え。
神谷がセンターバック(本山)とウイングバック(嵯峨)の間に降りてパスを引き出す事で、ミラーゲームとなっている状態を動かしに掛かるビルドアップが主体となりました。
これにより、CBの本山も前線に絡みながらのパスワークを軸として押し込みを図り。

しかしその間にも、徳島は柿谷のロングスローでボックス内を脅かす等攻め手を緩めず。
13分にはGKブローダーセンのフィードをエウシーニョにカットされ、渡がレイオフで繋いだボールを受けたブラウンノアがミドルシュート(ブロックに当たり枠外)と、圧力をまともに受けた末に少ない手数で仕留められるという流れは中々覆せない状況に思われました。

それでも15分、上記の攻めの形から神谷が裏へミドルパスを送り、セカンドボールを拾うという組み立てを経て中央→左へとサイドを移し。
そして左ポケットでパスを受けた末吉が奥へ切り込み、クロスに辿り着いた事で左CKを得ると、その二次攻撃でした。
クロスの跳ね返りからすかさず左奥でキープする状況を作ると、鈴木喜のクロスがピンポイントにニアサイド一番手前に位置取っていた岩渕に合い。
そしてフリック気味に綺麗に放たれたヘディングシュートが右サイドネットを揺らし、早期に同点に追い付く事に成功した岡山。

振出しに戻ると、徳島は思い出したかのように本来のボール保持の体勢に。
18分にGK田中颯の縦パスを降りて受けた岩尾、それに対し藤田息が喰い付いた事で、戻しを経てのGK田中颯のロングフィードが生まれたスペースへ。
収めた柿谷のポストプレイから、青木がさらに裏へロングパスを送りブラウンノアが走り込む(繋がらず)という具合に、ロングボールによる攻撃でもキッチリと相手を動かして崩す意識が見られるその徳島のポゼッション。
やはり「縦に速い攻撃」を指標した吉田達磨前監督の時期は無d

一方岡山もロングボール主体の攻めに意識を移し、徳島の攻勢の裏を突きに掛かり。
しかしハイプレスは仕掛けずに陣形を保つ徳島ディフェンス、メインターゲットとなる一美を囮としつつその裏で岩渕が合わせにいくという攻めに対しても、CBは釣られずにしっかりと対処するなど中々綻びは生まれません。

復帰した岩尾の動きは多彩の一言で、自ら中盤の底でパスを散らすプレーを主体としながら、時には25節で魅せたような最前線への抜け出しも混ぜ合わせ。
自ら相手のプレッシャーを剥がすという事はあまり期待出来ずも、こうしたプレーにより岡山サイドも、彼に対しボランチの守備対応が曖昧となり。
前述のように何度か喰い付いて規制を掛けにいくも、効果的とはならず次第にリトリートを強いられる状況になっていきます。

この日は何故か飲水タイムは挟まれず、25分過ぎ辺りから徳島の反則が目立ってきて試合がブツ切りになると、しきりにピッチサイドで水分補給にいくという絵図が目立ち。
それに伴い停滞する徳島の隙を突き、GKブローダーセンのロングフィードから左CKを迎えた岡山。(31分)
キッカー神谷のニアへのクロスに、本山は合わせられずもこぼれた事でボックス内で紛れが生まれましたが、シュートは撃てずに終わり。

何とか失速からの失点は避けられた徳島、34分にバックパスを受けた岩尾、児玉に託すとともにパス&ゴーで最前線へ。
児玉はその動きを囮として自ら持ち運び、中央から果敢にミドルシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
39分今度は右サイドからの攻めでエウシーニョが軸となり、縦パスを送ってブラウンノアポストプレイ→児玉裏へミドルパスに走り込むエウシーニョ。
これは遮断されるも渡がこぼれ球をさらに裏に送り、結局繋がって最奥からエウシーニョのクロスがファーに送られると、柿谷が合わせヘディングシュート。
しかしゴールポストを直撃と、惜しい所で決められず。

その後もボール保持で主導権を握る徳島。
突入したアディショナルタイムでも、パスワークで上下動させた末に、最後方からのロングパスで一気に裏を突いての決定機。
渡が収めてエリア内からシュートを放つも、GKブローダーセンがセーブと守護神に立ちはだかられ決められません。
結局1-1のまま前半終了となり。

共に交代無く迎えた後半は、岡山が追い風を得る状況となる事でその変化が予想される試合展開。
どちらかといえば、アバウトな攻めが脅威となり得る岡山のスタイルだけに尚更であり。

しかし後半3分、敵陣でGKブローダーセンのフィードを岩尾がカットして徳島の攻撃。
右サイドで溜めを作ったエウシーニョが中央へ縦パスを打ち込むと、渡のスルーを経て、ダイレクトで放たれた柿谷のシュートがゴール右を襲い。
惜しくも外れたものの、後半になっても泰然自若という様相で好機を作りにかかる徳島。

それでも岡山はハーフタイムで修正を施したようであり。
守備時は、岩尾に対しボランチがマンマーク気味に付く事を徹底してボールタッチを減らしに掛かり。
攻撃時は竹内が最終ラインに降りるという具合に形を変え、保持力を高めて敵陣に押し込みを図ります。

直ぐに流れは変わらず、9分にも徳島の攻撃でエウシーニョが右から切り込んでクロス、ファーに走り込む柿谷の手前でクリアするも左CKに。
クロスの跳ね返りをエリア内で拾った森のシュートをGKブローダーセンがセーブと、必死のディフェンスで何とか流れを変えんとする岡山。
そしてその姿勢は報われ、12分の徳島の左サイドからのFK、この日初めてキッカーを務めた山口(それまでは全て岩尾)のクロスは精度を大きく欠いてしまい。

失速の気配が漂った徳島に対し、14分に岡山ベンチが先んじて動き。
末吉・神谷→高橋・木村へと2枚替え、前線に変化を付けに掛かります。

そして16分、右サイド・アタッキングサードでパスを受けた嵯峨が、ボールキープに努める所山口に腕でのチャージを受けて反則。
これによるFKから、CK2本と続いてのセットプレー攻勢で、攻めの時間を増やすとともに徳島の焦りと苛立ちを膨らませる流れに。

流れの中での攻撃では、最終ラインに加わる竹内からの間を通す縦パスで崩しを図り。
それによりアタッキングサードでの展開を増やしますが、リトリートに徹する徳島も中々崩れず。
特にマンマークで喰い付くという姿勢は他チームに比べ少なく、細かくパスを繋いでも決定的な場面を生み出す事は難しい岡山。

そうこうしているうちに時間が経過するも、後半も飲水タイムは取られず。
これが誰の意思決定なのかは不明ですが(湿度が低かったからか?)、実際プレーが途切れた際の水分補給は岡山サイドの方が盛んに行っていた節があり、ホーム側が運営レベルで暑さを若干甘く見ていた感があったでしょうか。

その因果関係は不明ながら、25分辺りから目に見えて失速が目立ってきた徳島。
28分に動き、ブラウンノア・渡→チアゴ・坪井へと2枚替えを敢行して流れを変えに掛かった増田功作監督。
しかし、前岡山なため必然的に生まれるチアゴへのブーイングにより、そうはさせまいという岡山サポーターの意気込みがヒシヒシと感じられるスタジアム内。
その通りに、以降も全く好機を作れないままの徳島の攻撃。

この流れのなか、仕留めたい岡山は34分に右サイドからのFKという好機。
キッカー高橋のクロスがファーサイドに上がると、田上が身体を崩しながら合わせヘディングシュート。
ゴール右へと突き刺さり、思惑通りの勝ち越し点か、と思われたもののオフサイド判定に引っ掛かって残念ながらノーゴールに。

34分に再度動く徳島ベンチ、後半は目立てなかった岩尾に代えて永木を投入。(同時に柿谷→杉森に交代)
それを見た岡山サイドも、36分に藤田息・嵯峨→田中雄・柳育へと2枚替え。
シャドーに入った田中雄・右CBに入った柳育に伴い、木村が右WBへ、本山がボランチへ回りました。

共に采配が交わり局面がどう変わるか、という所で徳島はさらにアクシデントに見舞われ。
エウシーニョが倒れ込み、その様相は足を痛めたか攣ったか不透明なものであり、交代を余儀なくされてしまいます。
すぐさま高田颯を投入し、5人の枠を使いきる格好に。

運動量を保つのも難しくなってきた徳島。
40分に岡山がカウンターに持ち込んだ所、一美の中央突破に対し森が反則を犯してしまい警告。
その後も45分に同様のシチュエーションで一美を反則で阻止し、今度は児玉が警告を受けるなど被害は膨らむ一方となり。
これらに加え、43分の杉森のハンドも絡んで岡山の敵陣でのFKの局面が目立った終盤戦。
キッカー田上が中央から直接シュートを狙う(ゴール上へ外れる)など、この有利な状況で勝ち越しを果たしたい岡山ですが決められず。(42分に岩渕→齋藤へと交代)

そのまま突入したAT、岡山サイドも息切れが目立つ状況で、後は気力勝負。
それを示すかのように、左から本山のロングスローを一美がフリック、ファーに流れた所に走り込む田中雄。
しかしGK田中颯を削ってしまい、田中に対する田中の反則という珍妙な絵図を作り上げるのみに終わります。

その後徳島も攻め上がりCKにまで持ち込むも、それが精一杯で再度岡山の攻勢に。
ゲーゲンプレスをいなし、田中雄がドリブルに持ち込んだ所をまたも(高田颯が)反則・警告で阻止する破目となった徳島。
ここからFK→右CKとセットプレーを続けた岡山もフィニッシュには持ち込めず。
結局1-1のまま試合終了、序盤の点の取り合いから全く動かないという、痛み分けというフレーズが最も相応しい内容の引き分けとなりました。

物語性を盾に浮上したい徳島は、さらに渡井がレンタル復帰という形で再加入。
これらの補強に伴い、玄をはじめ若手選手は軒並みレンタル移籍にかける運びとなりましたが、ハッピーエンドの結末に辿り着けるかどうか。

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