次の間と呼ばれている部屋に飾られた雛人形たち。
今日は何となく過去の画像を思い出し雛人形。もうすぐ3月3日は雛祭りです。
ここ数日はアカデミー賞外国優秀映画賞を受賞した日本映画「おくりびと」の話題でマスコミが賑わっています。混沌とした閉塞感漂う現状の日本において久々の明るい話題です。
わたしも観ました。良い映画だと思います。でもわたしはリピートして観ようとあまり感じませんでした。余談ですがケンタッキーフライドチキンが一時期食べれなくなったり河豚の白子の焼いたのはどんなに美味しいのだろうと思ってみたり。わたし自身美しい風景と対照的に前述の食材や食事風景はある意味重要な要素を構成していると思っています。世俗的ですが食べないと生きて行けないのだと思います。食事風景はその他のシーンとは対照的にコミカルに描かれているようですがわたしには本質的なものを感じました。
映画に挿入される背景はそれぞれ意味があって取り入れられているのだと思います。雛人形は一画面の背景に取り入れられていました。日本文化の一つとして何気なく取り入れられているのでしょうかよく考えてみるとなるほどと思えます。横道にそれそうですがここはどこでしょう。
ここは足摺岬の松尾集落にある「吉福家住宅」です。
門構えも立派です。その門を入って行くと独特な石畳があり土間の固められた土と好対照をなしています。
門を入って行きながらいつ頃から吉福家住宅を訪れるようになったか思い出していました。
おそらく平成15~16年頃でしょか。その当時は本当に何というか人の生活感のない古い住宅という感じでした。土佐清水市の資料によれば平成11年5月13日に国指定重要文化財に指定されたそうです。
吉福家住宅は土佐清水市資料によれば”高知近代和風建築の傑作である。”とのことです。
”間取りは身分制度から開放された自由な思想を反映し、封建時代の士農工商のそれぞれの身分の家の機能と空間を併せ持つ。
田の字型間取りの南面座敷は武家風の書院付き床の間を有し”以下省略。
この部屋がその空間です。案内図に表の間と表記されています。 付書院
広辞苑によれば”床の間の脇に設けられた板張りで、縁側に張り出し、前に明り障子を立てたもの。机を造りつけにする。”
季節も春、桃の節句。書院棚には花瓶に桃の花がさりげなく活けられていました。
吉福家住宅を訪ねて先ず印象的な造りをこの空間に感じました。
余談ですがこの花が梅の花か桃の花か変に考え込んでしまいました。鑑別やいかに。
次の間から表の間
雛人形が飾られている次の間から前述の表の間を見たところです。書院付と縁側が見て取れます。
画像は昨年の3月に撮影したものを使用しています。
吉福家住宅を訪れる時には表に表記されていますがガイドさんに説明していただくのが初めて訪れる時には良いのだと思います。
有料ですが数百円だと思います。電話番号に電話するとたちまち駆けつけてくださいます。
吉福家住宅は平成元年頃までは実際に居住されていたそうです。しばらくは荒れた感じを受けました。重文になってしばらく、そしてここ数年訪れるたびに整備され生活感が感じられるようになりました。家は実際人が生活することによって家たるものだと思うのですがちょっと残念な思いも感じた昨年の訪問でした。
わたしが昨年訪れた吉福家住宅の印象を少し・・・。