足摺岬 旅の宿 夕食
どうなんでしょう旅の魅力は・・・以前テレビで関西圏の辣腕旅行会社の担当者が話していました。
観光地はその自然も大切だが宿泊施設と食事もとても大切な要素だそうです。
画像は足摺岬でも人気の宿泊施設の夕食です。大体8500円からとなっていますが11500円くらいでしょうか一泊二食付き。繁忙期とか休日前など少し料金の違いがあります。
やっぱり夕食は良いなあ~旅の醍醐味の一つです。
カツオのたたき
画像の色調が悪く恐縮ですがとても美味しかったです。
カツオのたたきの盛り付けには各々の宿泊施設で趣向を凝らしているようにも見えます。
女性の係りの方が
「お客さん、グジャグジャにかき混ぜてお召し上がり下さい。」
「そうなんですか。」
そこでわたしは「えいっ!」とばかりにグジャグジャにかき混ぜて食してみる。
これがとても美味しい。
ところで、「たたき」の由来知ってますよね。ネットで調べれば高知の料理屋さんのホームページにいろいろと記載されていますから是非どうぞ!
で、わたしが最も好きな「カツオのたたき」の由来について・・・もちろん土佐清水のエース「ジョン万次郎」さんこと「中浜万次郎」説が大好きです。以下は引用です。伝承写真館「日本の食文化」Vol10四国。
この中で高知県出身の漫画家「はらたいら」さんが「おらんく風土記・たべもの篇」で記述されている一節がわたしのお気に入り。
”このカツオのたたき料理が、いつどうして生まれたかについては、いろいろな説があるが、私がいちばん好む話に、ジョン・万次郎説がある。土佐清水の貧しい漁師の子として生まれた中浜万次郎が出漁中、嵐にあい漂流、それを米国の捕鯨船に救助されアメリカに渡ったのである。
十年間のアメリカ生活の中で口にしたビフテキの味が忘れられず、帰国後もあのレアに、ミディアムにひってきする食べ物はないものかとさがした。そこで考えついたのがカツオのタタキ料理、たしかにカツオの切り口を見るとレアでありミディアムである。
この説が正しいか正しくないかは別にして、ユーモラスで夢があるから、あえてここに書いたわけであある。”以上、引用。
旅の宿 夕食 ヒオウギガイ
ここで広辞苑からの引用です。
”桧扇貝、ヒオウギガイ・・・
イタヤガイ科の二枚貝。殻は扇形で表面に24本内外の放射肋があり、その上に鱗状突起が並ぶ。普通は赤褐色であるが、黄・橙・紫色など美しいものは観賞用。肉は美味で養殖される。房総半島から九州に分布。”
もちろん食する時には上記のようなことは考えませんがそこはそこつい同じイタヤガイ科のホタテ貝と比較してはみますけど。
足摺岬で宿泊する時、画像のような食材が焙烙に盛られ供されることが多く経験されました。蒸し焼きにして食べます。ヒオウギガイは産地として宇和海など愛媛県などで養殖され、お歳暮など地産品として出荷されている場面を時々テレビで見ることがあります。
足摺岬の旅の宿でも供されることが多いので近くに養殖しているところがあるのかも知れません。購入しようとすると足摺岬では「黒潮市場」にあったと思います。もちろんお持ち帰り用にパックしてくれます。(別途費用がかかると思います。)
皿鉢料理
土佐の代表的な料理といえば皿鉢料理・・・
足摺岬を旅する時、各宿泊施設ではコースとして「皿鉢料理コース」などという料金設定がありますが少人数で旅する時はどうしても画像のような大皿に盛り付けた形式になってしまいます。
現在では皿鉢料理は大皿にどんなものでも盛り付けた料理というイメージになっていますがものの本を読むとなかなか奥が深い料理であることが分かります。ここから前述のはらたいらさんが書いている文章から引用です。
”豪快な皿鉢料理
土佐の食を語るときには皿鉢(さわち)料理にかぎる。ほとんどの食べ物が大皿の上に並べられているからだ。すし、刺し身、煮物、焼き物。その気にさえなれば、なんだって盛りつけることができる。
・・・中略・・・
この皿鉢料理はなにも土佐だけのものではなかった。その昔、神人一体となって作った農作物を、ひとつのなべで調理して神といっしょに食べる儀式は、明治の中ごろまで全国各地に見られた。
それが他国では自然になくなっていったのに対して、土佐だけになぜかのこったのである。豪快な皿鉢料理の中に、土佐人のいごっそうとネアカとたくましさを見ることができるのである。”以上引用終わり。
はらたいらさんの記述は料理史を興味深く解きほぐしてくれます。
パイン
どうして今日は「足摺芳香パイン」の話題を取り上げようと思っていたのにこんなにだらだらとなってしまったのか。で、本題の足摺芳香パインのお話。
画像はある宿泊施設の夕食。女性の担当の人に尋ねました。
「これって、足摺芳香パインですか。」
「あっ、違いますね。」
「違うんだ~」
「足摺芳香パインが食べたいんですけど?」
「少し無理みたいですよ。地元の私達でも口にできませんから。」
「そうなんだ。でも、もう4~5年前から地元の特産品として育てていたのではないのですか。」
「そうなんですか。」・・・
別なパイン
それからというもの、わたしは足摺岬で宿泊するたびに食後のフルーツにパイナップルがある時は係りの人に尋ねるようになりました。
「これって足摺芳香パインですか。」
「パイン?」
「ホウコウ?」
「足摺にはパインはありません。」
わたしはどうして足摺岬で一流と言われているホテルの食事接客の担当員が知らないのか少し驚きを禁じ得ませんでした。
「ホウコウ」と二度聞き返されてわたしの思っていることが間違いだったのかと疑心暗鬼になりましたが・・・
広辞苑で調べるとありましたです。
ほうこう[方向]
ほうこう[彷徨]
ほうこう[芳香]
ほうこう[咆哮]
ほうこう[奉公]
わたしは思わず咆哮しそうになりましたが・・・というのはまったくなく「まだまだ、足摺芳香パインは定着していないんだ。」という思いが強くなりました。
土佐清水でも地元の特産品を育てようという試みの中でその一つが「足摺芳香パイン」ということを以前から知って楽しみにしていました。
ちなみに画像パインの奥にあるいわゆる醤油ですが最近これが土佐清水で開発された商品で何らかの賞をいただいたと思います。簡単にいえば醤油瓶の中に宗田節が入っていて自分の好みの醤油を容器に入れ宗田節の風味が加わった醤油が楽しめるというアイデア商品です。
あしけん市場
足摺岬にもちょっとした地域の特産品を販売する所もあります。
しかし、足摺芳香パインはとても希少なもので特に足摺岬というより土佐清水市の特産ブランドとして土佐清水市の都会のアンテナショップで季節限定で販売されるそうです。もちろん季節は夏だそうですが・・・
もう一つ土佐清水市が運営する「土佐清水元気プロジェクト」という会社で通信販売で「足摺芳香パインを使ったロールケーキがありますが・・・やや価格が高く設定されていていま一つ購買意欲が湧いてきません。数量限定で今すぐという訳にはいかないようです。解凍して食べるということは一般的なロールケーキの手法ということでわたしはやっぱり今作られたイチゴロールのようなフレッシュなイメージの足摺芳香パインが食べてみたいです。
それが叶わないのであれば・・・凍結するのであれば細かくしたパインをいれたご当地ソフトクリームなどにして手軽に季節を問わず食べられるようになればいいなあ~と思いました。
ソフトクリームといえば手前味噌になりますがわたしの郷土の誇り小豆島には醤油テイストのソフトクリームが大好評で何と小豆島特産の醤油で作った佃煮がトッピングされています。
まあ、食べられないとなるととても食べたくなるのが人情というもの。
足摺岬 朝
今日は一枚も足摺岬の画像がなかったので・・・朝日に照らされている足摺岬です。
ここでも足摺芳香パイン。土佐清水市の資料からの引用です。
”土佐清水産の足摺芳香パインは「永田農法」により植物本来の持つ力を引き出すよう、原産地の環境を温室栽培により再現し、安全性と美味しさを追求して、肥料や農薬も必要以上に与えず、心をこめて栽培しました。また、美味しさのポイントである健康な根を育てるため、除草剤は一切使用しておりません。
完熟状態で、収穫・出荷するため、芳醇な甘い香りがあり、酸味と甘みのバランスがとれたパインです。肉質はジューシーで、通常はスジがあり召し上がれない芯の部分まで美味しく召し上がっていただけます。”
「永田農法」といえば確か高知の特産トマトもそのような育て方だったと思います。今年はトマトブームですからこれからの高知のトマトも目がはなせません。ただ、「永田農法」と言えば今、飛ぶ鳥を落とす勢いのユニクロのファーストリテーリングが手がけた「アグリカルチャー」事業のことも少し脳裏をかすめました。土佐清水議会でも少し取り上げられたこともあったと思います。今年の夏の収穫が楽しみです。食べることができるでしょうか・・・土佐清水の特産品として育って欲しいものです。今年は夜明けとなるのでしょうか。
食べたい食べたい足摺芳香パイン。