「オーストラリアン・オープン」男子シングルス4回戦、第8シードの錦織圭が第23シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)との今大会ここまでの最長となる5時間5分の激戦を6-7(8) 4-6 7-6(4) 6-4 7-6(10-8)の大逆転で制し、3年ぶり4度目のベスト8進出を決めた。
「錦織圭が執念8強「もう言葉ない」最長5時間5分…」(日刊スポーツ)
「錦織圭5時間5分の 大逆転劇 8強だ」(TENNIS.jp )
「錦織圭対カレノブスタ、極上の陶酔。年に数試合しかない最高のテニス。」(Number Web)
確かに錦織の試合ぶりには驚嘆するしかないのですが、1stセットで再三ブレークしながらミスでキープができずにセットを奪われたのが苦戦のきっかけでした。
ジョコビッチやナダル、フェデラーなら1セット目を確実に取ってあっさり試合を終わらせていたのではないかと思います。
「錦織圭が執念8強「もう言葉ない」最長5時間5分…」(日刊スポーツ)
「錦織圭5時間5分の 大逆転劇 8強だ」(TENNIS.jp )
「錦織圭対カレノブスタ、極上の陶酔。年に数試合しかない最高のテニス。」(Number Web)
確かに錦織の試合ぶりには驚嘆するしかないのですが、1stセットで再三ブレークしながらミスでキープができずにセットを奪われたのが苦戦のきっかけでした。
ジョコビッチやナダル、フェデラーなら1セット目を確実に取ってあっさり試合を終わらせていたのではないかと思います。
キープができなかった最大の原因はフォアハンドの精度。
チャンスを作りながらフィニッシュでミスを重ねて、取れたはずのサービスゲームを何度もブレークをされてしまったためです。
チャンスを作りながらフィニッシュでミスを重ねて、取れたはずのサービスゲームを何度もブレークをされてしまったためです。
もちろんカレーニョブスタのストロークが深くてパワフルだったせいもありますが、しっかりキープをして1stセットを取ってしまっていればあそこまでもつれなかったでしょう。
2ndセットは何故か錦織の動きがガクッと落ちてしまいました。
セットを取られて動揺したのか、フォアハンドを修正できずにパニックになったのか、見るからに動きが悪くなった。
連戦の疲労なのか、メンタルの影響か、それともカレーニョブスタのプレーについていけなかっただけなのかはわかりませんが、ボールを最後まで追えなくなり、ここもセットを落としてしまいます。
足の故障も疑ったのですが、トレーナーを呼ばなかったのでケガではなかったのが救いでした。
セットを取られて動揺したのか、フォアハンドを修正できずにパニックになったのか、見るからに動きが悪くなった。
連戦の疲労なのか、メンタルの影響か、それともカレーニョブスタのプレーについていけなかっただけなのかはわかりませんが、ボールを最後まで追えなくなり、ここもセットを落としてしまいます。
足の故障も疑ったのですが、トレーナーを呼ばなかったのでケガではなかったのが救いでした。
ここまでは2年前、つまり手首の怪我をする前の不安定な錦織に戻ったようでした。
それでもそこから少しずつ自分のプレーを取り戻します。
まず自分のできることをひとつづずやろうと開き直ったことで思い切りが出て、フォアが振り切れるようになりました。
またフットワークが落ちたためにラリーのペースを落とし、高い軌道のトップスピンやスライスを使ってストロークを丁寧に繋ぎ、甘い球を思い切ってオープンコートに叩き込むというプレースタイルの変更が徐々にハマってきます。
またフットワークが落ちたためにラリーのペースを落とし、高い軌道のトップスピンやスライスを使ってストロークを丁寧に繋ぎ、甘い球を思い切ってオープンコートに叩き込むというプレースタイルの変更が徐々にハマってきます。
体も少しずつ動きが戻り、大事なポイントではしっかりサービスでポイントを取ってキープを重ね、流れを取り戻しました。
加えて前半から飛ばしてきたカレーニョブスタに疲れが見え始め、錦織のミスは減り、カレーニョブスタのミスが増えてきたことでブレークも容易になり、フルセットに持ち込みます。
最終セットも錦織が先にブレークして、そのまま押し切るかに見えましたが、カレーニョブスタも最後の力を振り絞り、動きが戻ってきます。
サービングフォーザマッチでついにブレーク、錦織もそこから踏ん張り10ポイントタイブレークへ。
一進一退の攻防から先に抜け出したカレーニョブスタが8-5とリードし、勝負あったかに見えましたが、ここで問題のポイント。
カレーニョブスタのネットに当たって高く弾んだボールを錦織がバックハンドのウィナー、打ったのとほぼ同じタイミングで線審がアウトのコール、ウィナーは決まったがカレーニョブスタがチャレンジすると判定はイン。
「アウトのコールが間違いなのだからポイントのやり直し」をカレーニョブスタが主張するも主審は「錦織のウィナーが決まっているのだから錦織のポイント」と判定、それに対してカレーニョブスタが猛抗議するも受け入れられず、結局そこから錦織が5連続ポイントを奪って勝ちました。
一番の問題はミスジャッジの上にレイトコールをした線審(コールしなければボールはインで錦織が決めていたのだから何の問題もなかった)で、ウィナーが決まってリプレイしないという判定を下しながらチャレンジを受け入れた主審にも判断ミスがありました。
「あれは審判のミスだったと思う。コート近くにいた審判(線審)のミスだった。もし(主審が)錦織にポイントがいくと思っているならば、なぜホークアイ(映像を使った審判補助システム)を要求できたのだろうか。もしホークアイを要求して、自分のボールがアウトであれば、ホークアイ(のチャレンジ)が失敗だったということ。ホークアイを要求して、ボールがインだったのに、自分はポイントを失ってしまった。理解できない」
「錦織に逆転負けのカレノブスタが激怒抗議した審判判断の是非を巡って論争」(THE PAGE)
ただ、プレーを見ていた限りではカレーニョブスタはもしアウトのコールがなくてもボールに追いつくのは無理だったでしょう。
「あれは審判のミスだったと思う。コート近くにいた審判(線審)のミスだった。もし(主審が)錦織にポイントがいくと思っているならば、なぜホークアイ(映像を使った審判補助システム)を要求できたのだろうか。もしホークアイを要求して、自分のボールがアウトであれば、ホークアイ(のチャレンジ)が失敗だったということ。ホークアイを要求して、ボールがインだったのに、自分はポイントを失ってしまった。理解できない」
「錦織に逆転負けのカレノブスタが激怒抗議した審判判断の是非を巡って論争」(THE PAGE)
ただ、プレーを見ていた限りではカレーニョブスタはもしアウトのコールがなくてもボールに追いつくのは無理だったでしょう。
何よりその時点でもまだ8-6と自分が2ポイントリードしていたのですから、判定を受け入れ、切り替えて次のプレーに集中するべきでした。
あの極限状態の中で冷静になれないのはやむをえないところもありますが、感情を引きずったままのプレーが結果的に錦織の5連続ポイントを許してしまいました。
あそこで冷静な判断ができるかどうかがグランドスラムやツアーファイナルで何度も修羅場をくぐってきた錦織との経験値とメンタルの差でしょうか。
カレーニョブスタは普段は寡黙で穏やかな性格らしいので、本人も結果としてあの態度は自分のプラスにはならなかったと後悔していたようです。
「劇的試合に水差す激高、錦織の相手が謝罪「あれは自分ではない」」(AFPBB News)
過ちを素直に認めて反省できる人間なら必ずこの経験を次に活かせるはずです。
カレーニョブスタは普段は寡黙で穏やかな性格らしいので、本人も結果としてあの態度は自分のプラスにはならなかったと後悔していたようです。
「劇的試合に水差す激高、錦織の相手が謝罪「あれは自分ではない」」(AFPBB News)
過ちを素直に認めて反省できる人間なら必ずこの経験を次に活かせるはずです。
それにしても負けてもおかしくなかった試合を3試合も乗り越えた錦織は強運の持ち主といってしまえばそれまでですが、その運を引き寄せるだけの心技体を備えているともいえます。
準々決勝は天敵のジョコビッチ、しかも中1日での試合でフィジカルがどれだけ回復できるかが懸念されますが、ここまでくればあとは思い切って当たっていくだけ。
ジョコビッチも決して本調子とは言えないものの、グランドスラムの期間中に徐々に調子を上げてくることが予想されますから厳しい戦いになるのは必至です。
その中でどこまでやれるか、期待しつつ応援します。