学生時代に買い求めて手付かずの本が山積している。
先日、能「砧」を鑑賞して、ふと立原正秋さんを思い出した。
学生時分「薪能」「剣ヶ崎」を読んで感動したことがあった。
その当時、数人の友人から、「立原正秋の小説は面白いよ」と薦められて、数冊買ったけれど本棚に並べたままで開くことすらなかった。
背表紙など黄ばんでしまった本もあるけれど、折角購入したのだから、読まなければ勿体無いと思い、「帰路」を読むことにした。
最晩年の作品で、亡くなる数ヶ月前に出版された作品だと読了した後に知った。
年齢のいった今読むのは、描写が妖艶で濃密すぎる文章が多いように感じた。
もっと若い頃読めば、違った印象を持ったかもしれない。
今は「春の鐘」を読んでいるが、
この作品も刺激的な表現が多いように思える。
過激な恋愛や濃厚な表現を好まない年齢に達したのかもしれないと実感する。
本の内容が読書に向いている時期があるのかもしれない、と感じた。
年齢に相応しい本を読書したほうが良さそうだ。
でも、やっぱり一読だけはしておきたい等など。
読書に対して気持ちが揺れ動いてしまう。