図書館の本祭りに行った。
小雨が降っていたが、早い時間にもかかわらず、結構な人数が集まっていた。
お雛様めぐりに関するコーナーには人だかりができていた。
除籍図書や図書の譲渡会で気に入りそうな本を探すのが図書館祭りに来た目的だった。
除籍図書は数年前一度行って、司馬遼太郎さんにまつわる雑誌を3冊もらったことがある。
今回も望外な収穫で、5冊いただくことができた。
まず初めに手にしたのは、芥川賞発表作品の掲載がある雑誌2冊。
2冊のうち1冊は『コンビニ人間』が受賞した時の本。
最近の文学業界や受賞作には疎く、どんな作家が活躍しているか全く知らない。
ちょうど数日前、この作家のインタビュー番組をラジオで聞いたばかりだった。
「ラジオ・仕事学のすすめ ビジネスチャンス」ゲストが村田沙耶香さんだった。
たまたま耳にしたのは、「後半」だけである。
聞き逃しで、今ストリーミング放送をやっているので、期限内に「前半」も合わせて聞こうと思っている。
単行本の物語と史跡をたずねての「宮本武蔵」を入手できた。
宮本武蔵に関しては、ラジオニッケイで「聴く名作・週間宮本武蔵」が放送されていた。
宮本武蔵を読む番組があるなんて、知らなかった。
気づいた時はもう150回を超えていたけれど、できるだけ聴くようにした。
それがつい最近、最終回を迎えた。
巌流島の戦いが最後の場面だった。
決闘の名場面を名文で読み、迫力満点で聴いていて感動したのだが、
この決闘の描写に、疑念を感じるところがある。
武蔵の伝説には、決闘の時間に遅れて到着したとか、一撃で小次郎が仕留められたように語られているが、
自分なりの考えでは、武蔵側からしても、小次郎側からしてみても、この決闘シーンには不満か疑問を持っているのではないかと思っている。
なぜならば、武蔵からしたら、正式な決闘で時間前に舟島(巌流島)に到着し、定刻に試合をしたのだ。
「正規の試合に遅れて行くなんて卑怯な真似はしていない」と武蔵は激怒するはずだし、
小次郎からしてみたら、武蔵が無敵だからと言っても、一撃でやられるほど自分は弱くない。
真剣勝負で「あともう少しというところまで追い詰めたのだ」と小次郎は憤慨するだろう、と思う。
実際、残っている資料によると、数十回も刀を交わしたと書いてあり、武蔵の首もあわや飛んだかもしれないほど際どい攻めぎ合いがあったと記されている。
吉川武蔵は確かに、評判高い名作だけれど、これらの事実の点で合点が行かぬところがある。
もし史実に近い場面での名作が著されたなら、是非読んでみたい気がする。
そんな訳で、「宮本武蔵」をゲットできたのは嬉しかった。
読むのが楽しみである。
その他の2冊は、カメラに関する雑誌「フォトテクニック」。
最近カメラを持って出かけることが全然ないけれど、より良く写せるコツが載っているので、読んでいて損はないだろうと判断した。
自分にとって、これらの5冊は、とても有り難い。
いい本に出会えた有益な一日だった。