工務店現場日誌

株式会社朝田工務店 代表取締役朝田満のブログ
現場での出来事や日々の出来事を綴ります。

山師 続き

2008-05-19 20:17:03 | 材木等
5月17日の続きです。

当社でお願いしている山師よりしばらくぶりに連絡が入りました。
「良い木がでたので、見にきませんか」
社長と二人で早朝に高速道路を4時間程、車で飛ばして山師の自宅へ。

山師の自宅へ到着。

この自宅が凄まじいです。外部は化粧垂木が4重に廻り、板張りの上は漆喰仕上、
内部は壁、天井すべてが無垢板貼、節など何処を見回しても見つかりません。
池には鯉が泳ぎ、裏山には良く手入れされたツツジが並んでおります。
さながら寺、いや仏像が置いてないので、城といったところでしょうか。

材木置き場へ案内され見てみると、幹周りの最大直径が1m40cm程の「椹(サワラ)」
でした。(木材については木材図鑑をご参照ください。)
国定公園の指定が進んで以降、椹自体をあまり見かけなくなっており、
ましてこのような巨木となると滅多にでません。たしかに良い木です。
しかし、これを買ってもつかう当てが全くありません。
値段を聞くと一本、高級乗用車一台分です。
つかう当てのないものにそこまでお金をかける程、余裕がありません。
購入はあきらめました。

その後の社長と山師の雑談で
「以前、紹介してもらった檜はお寺につかったのだけど、
ずいぶん喜んでもらえたなあ。またあれぐらいのがあると良いのだけど」
「では探しておきますよ。どれぐらいの檜ですか」
「そうだなあ。材寸で1尺角(30cm)、3間(5.4m)ぐらい無節だといいな」

それぐらいだと市場にもあまり置いてません。まず無理だろうなと
私はこの時、思っていました。

続く

補足 木材は節がない物ほど、高級です。狂いも少なく、加工も容易であり
仕上げが美しくなるからです。節ありと節無しで数倍の開きがある場合もあります。

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