工務店現場日誌

株式会社朝田工務店 代表取締役朝田満のブログ
現場での出来事や日々の出来事を綴ります。

傾いた家

2008-05-01 16:22:44 | 現場実例
 本日ご相談依頼を受けたお客様、相談内容は
「家が傾いてきているので、何とかしたい。修復が可能かどうか現場を見て判断して欲しい。」

 現場を確認すると、確かに地盤沈下の為に床が沈み傾いている。ひどい所では1m辺り凡そ5cm。
建物は築30年以上、約5年前に外部を改修、合板を貼った上にサイディングを貼ったとの事。(当社の施工ではない。)

よく見ると玄関引戸枠が傾いたなりに、斜めにサイディングが施工されており、
当時すでに傾いていたのだが、そのまま工事をすすめたらしい。

「なんとかなりますか。」

「ええ。技術的には可能です。実際、一昨年に軸組みまでばらし、ジャッキアップ
して基礎を造り直した施工例があります。」

「費用はどのくらい?」

「正直に申しまして、建替えた方がお徳です。新築した場合の80~90%程度費用が
かかります。一作年の例は接道が無く、建替えができなかったので施工しました。」

「そうですか。この家を継ぐ者があればそうしたいのですが、あいにく子供達は独立し、
それぞれ家を持ってまして。なんとか費用を抑えて直す方法はないでしょうか。
持病もありまして、あと何年生きれるかというのに建替えはちょっと・・・」

「隣地側に余裕があれば建物外部の下部から掘り下げて補強基礎を造りジャッキ
アップする工法がありますが、空き地がないので施工不能です。

 傾いた下地を造り替え、平らに補正し、基礎を補強するのであれば、費用は
抑えられますが、さらに沈下が進行した場合は、また傾く恐れがあります。
 会社に持ち帰って他の方法がないか検討してみますので、お時間いただけますか。」

「ええ。ではお願いします。」

長いので続きは明日以降にします。