工務店現場日誌

株式会社朝田工務店 代表取締役朝田満のブログ
現場での出来事や日々の出来事を綴ります。

続 シロアリ3

2009-09-02 18:36:27 | シロアリ
またまたご無沙汰してしまいましたシロアリについての続きです。

前回は建築基準法にも触れていないというところまで書きました。


今回はシロアリそのもの性質と対策について書きます。

しかしながら詳しく書くと大変なので、非常に詳しく書いてあるサイトをご紹介。

岡崎シロアリ技研

↑シロアリについては凄い情報量です。ここを読めばシロアリの全てが理解できる!?



上記のサイトのシロアリ対策と木材保存にはこう記してあります。

「薬剤に頼らないシロアリ対策は設計段階から」


まったくその通りだと思います。この言葉、裏を返せば「設計が悪いとシロアリにやられやすい」という事であります。


さらに新築時のシロアリ対策にこう記してあります。

「構造の工夫こそシロアリ対策の根幹」

「複雑な構造あるいは木質系の外壁やデッキは禁物」

同意です。まさに我が意を得たり。ここに今回の相談に対する解決の糸口があると考えられます。

続く。。。




続 シロアリ2

2009-08-22 18:17:25 | シロアリ
また間が空きました。落ち着いてブログを書く時間がなかなかとれません。

シロアリの記事が終わるのは何時になる事やら。。。

前回の記事の続きになります。

「新築して僅か数年しか経っていないのに、木製バルコニーがシロアリにやられた。
そこから建物本体へ食害が広がり、大部分の補修工事が必要となった。
最近の建物には10年保証がついていると思うが、この場合は保証されるのか?」

前回はシロアリついて品確法に記載がないというところまで書きました。


だからと言ってシロアリに法規制がないという訳ではありません。

建築基準法施行令第四十九条2項にこうあります。


「構造上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち地面から1m以内の部分には

有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を

防ぐための措置を講じなければならない。」


しつこい様ですが、解り易く言うと

「地面から1mはシロアリに喰われたり、腐ったりし易いから初めに対策しなければいけませんよ。」

こんな具合であります。


しかしながら、木製バルコニーは2階にありました。

従って地面から1m以上高いところにあるので問題はありません。

ちなみに建築基準法にも「10年間シロアリに喰われてはいけない」とかは書かれておりません。

このまま泣き寝入りなのでしょうか。続きます。。。

シロアリ

2009-07-25 19:04:13 | シロアリ
今回のお題はシロアリです。

シロアリについて書くのは一年振りぐらいでしょうか。


「新築して僅か数年しか経っていないのに、木製バルコニーがシロアリにやられた。
そこから建物本体へ食害が広がり、大部分の補修工事が必要となった。
最近の建物には10年保証がついていると思うが、この場合は保証されるのか?」


こんな質問が寄せられて参りました。

大変、お困りだと思います。お気の毒であります。

このケースはいろいろと微妙な問題を含んでいますので、ずばりというお答えにはなりません。



お答えについてはまた来週。

白蟻について 続

2008-08-19 12:15:13 | シロアリ
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↑いつも応援クリックありがとうございます。


tys様がブログで白蟻に喰われた物件についてアドバイスを求められていました。
役に立つかどうかわかりませんが、私の白蟻に喰われた物件についての意見です。

まず、白蟻そのものがまだそこに居るかどうかです。
喰われている場所をくずして中にいるかどうか確認します。
居る場合は、駆除します。

駆除の価格ですが、薬剤散布で建坪(3.3㎡)当り¥5000~¥9000。
薬剤散布の場合、必ず保証のある専門業者に依頼して下さい。

次にいない場合です。いない場合も薬剤散布をしたほうが良いですが、
喰われた跡がかなり古く、今は蟻がいない様にみえる場合は、
床や壁を壊してリフォームする時に防蟻剤を塗布します。
防蟻剤には色々な物がありますが、ホームセンターやネット経由で簡単に入手可能です。

以前も書きましたが、大きなポイントは湿気です。

裏山がある場合や丘陵地の途中で、水が常に流れている場所、雨の後もしばらく
土が濡れている様な場所は危険です。

水廻りや雨漏り箇所に関係なく湿気が供給される為、食害の被害の危険性が常にあります。
床下全てに防湿シートを敷き、土間コンクリートを打つ必要があります。

このような場所を購入する場合、相当な覚悟で臨みしょう。
(見送られた方が賢明です。)

後はやはり、水廻りと外壁の改修履歴ですね。10年以内に改修の跡が見られない建物で
白蟻にやられた場合は、改修が必須となります。

食害の範囲により改修規模が大きく変わります。残念ながら壊して見ないと解りません。ここは博打になります。
食害が少なければラッキーです。

それと簡単な外壁の白蟻危険度ですが、金属→サイディング→モルタルの順で、モルタルが一番危険です。
モルタルの裏へ廻った湿気が乾燥しづらい為です。

ざっと書くとこのような具合です。

まとめると
対応策が無い訳ではないが、壊してみないと被害が確定できない為、購入が博打になる。
と言えるでしょう。

最後に付け加えると建物全体的に食害に遭った例を、幸いにも私は見た事がありません。
ただし、一部被害にあった場合でも部分的に柱や土台がほとんど無くなるまで喰われた例を見た事があります。(補修して現在も建物は存在してます。)

白蟻について

2008-05-14 20:32:35 | シロアリ
5月なのに、急に寒くなって少し体調がよくないです。

今日は白蟻についてふれます。

春になって暖かくなると、お出掛けしたくなる人が多いと思いますが、
白蟻も活動が活発になり、羽蟻となってお出掛けする季節でもあります。

家の中で羽蟻を見かけたら、お出掛けせずに専門家へ電話をおかけ下さい。
でてしまった白蟻は仕方がないので、駆除するしかありません。

しかしなるべく白蟻がでないように思うのが当然であります。
大切な財産である家をまもる為にも白蟻の予防対策について述べます。

関東以北に生息する白蟻の多くはヤマトシロアリといいまして、水分の多い
腐朽した木を好んで巣を造り、食害をもたらします。

もともと、地中で生息する生物であり、乾燥している場所では弱ったり、
生存し続けるのが困難になるようです。
白蟻の被害を受けた方は思い当たる節があると思いますが、被害箇所
は浴室、トイレ、洗面所、雨漏り箇所等、湿気の多い所がほとんどです。

裏を返せば、湿気を防げば予防できるという事であります。
具体的な対策は次の通りです。

・雨漏りそのものを予防しましょう。(早めの塗り替え、早めの防水等)
・雨漏りを発見したら、早急に直しましょう。(当たり前ですが)
・15年以上経過した在来工法(防水、モルタル、タイル仕上)の浴室は
可能であればユニットバスへ交換しましょう。
・床をリフォームする際は湿気対策を考慮しましょう。(防湿フィルム敷き、コンクリート打等)

※注意、間違っても悪質訪問会社の床下換気装置などは絶対に依頼しないでください。
基礎を破壊し取り付けされている例を目撃した事があります。

補足ですが、寒さに弱く本州では太平洋沿岸の暖かい地域及び四国、九州に
生息するイエシロアリ(自ら水分を補給し被害範囲を拡大させる)や
乾いた木材のわずかな水分で生き延びるアメリカカンザイシロアリ(どこでも
食害するので対策が大変)などもいるそうです。

いずれにしても早めの対策が肝心ですので、被害を受ける前に
対策を打つようにお勧めします。
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