自由

起きたい時間に起きて
好きなものを食べて
音楽を聴き
友達と話し
ビーチに行って昼寝

あっという間に一日が終わる
何も考えることもなく
気がついたら時間が過ぎていく。

平屋だった周りの家は
マンションに変わる。

僕の家は相変わらずトタン屋根
お湯も出ないしクーラーもない。

50円で食べられたご飯も、
700円かかるようになっていた。

いつも横にいたはずの君は
あれだけ拒んでいた社会を迎え入れ
毎日15時間も働き、変わりに
ナイキのスニーカーを買い、
ダンスにでかける。

「お前も早くこっちに来いよ、
お金稼いで自由になろうぜ」

「そうだな、考えておくよ」

僕はスニーカーなんて
履いた事もなく
今日も家から2分の
ビーチにでかける。


それが僕の全て。
何も残るものもなく
何も望むこともない
それが僕の自由。