ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

羊どろぼう。

2015-10-06 21:29:47 | 唐桑日記
ほぼ日に小さいことばシリーズという
本のシリーズがあります。

これはみんなに読んで欲しいです!
つなかんには全部置いてありますので、
寝る前にでも読んでくださいねー。


糸井さんがほぼ日やツイッターで
綴った言葉を永田さんが編集する本で
毎年楽しみにしています。

その中でも2011年にでた
「羊どろぼう。」
僕はいちばん好きです。

どこがいいか。と考えたのですが、
リアルタイムで読んだのが
羊どろぼうが初めてだったからかも
しれません。
僕がいちばんしんどい時期によく
読んでいたからっていうのが
大きいのかもしれません。


すんごい読み込んで
違いがわかるほど
ことばのことはわからないので、
今のところはそういう
精神的なものだろうなと考えています。

羊どろぼう。2011年あの震災の年のことを綴った
次の年にでた「夜は、待っている。」この2冊の流れが
すごい好きです。つなかんに来た理由として、
「東北にいて、ぼーっと考えたり、
読みたい本があった。」っていうのも
実は結構大きな理由でもあったので
夢は叶った笑。


といっても僕は羊どろぼう。が
シリーズの他の本と比べて
「ここがこう違うからいいんだよね」って
ことはよくわかってないです。

サバやかつおは、見たりさわったりすれば
脂が乗っているか、身の固さはどうか。
「美味しいか美味しくないか」は
ちょっとはわかるようにはなったし。
外で食べて、
「ああこういう切り方だから
この味になったのね」ってことは
想像することができるようになりました。

でも、ことばについてはよくわかりません。
食べたときに「このサバ美味しいな!」ってくらいに
読み終わって「この本いいな!」って思うくらいです。


このシリーズは糸井さんが書いていますが、
糸井さんが本にしたいわけではなくて、
編集している永田さんが残したいなってことで
本にしているところも好きです。

寿司屋でいえば、
誰もお客さんがこなかった時にでも
女将さんだけでも親方のお鮨のよさが
わかっているといった感じです。
誰かにちゃんと伝わってるぜ!ってことが
わかるところがほんとにいいなと思います。
大きいレストランなのに、親方と女将が
やってる小さな鮨屋のよさも
兼ね備えてて、ほぼ日はほんとにすごい。


糸井さんのことばが
なんでこんなにこころに響くんだろうか。
ずっと考えていたのですが、ここで
いちよさんと一緒に過ごして
「本気で伝えようとしている」
からなんだと思うようになりました。


いちよさんのことばもこころに響きます。
それは僕だけじゃなくて
来てくれたお客さんが感じてるはず。

昨日は、初めてつなかんに来たお客さんに
自己紹介や、震災をきっかけに
つなかんができた経緯を話していたら
泣いている人がいました。
団体の中にいる
唐桑のことも知らなかったなお客さんです。
いちよさんがどんな人かも知らずに、
それでも出会って20分で
話を聞いて涙がでてくるって
こんなことあるんだって思いました。
「あ、本気で伝えたいなら伝わるんだ」と
すごく不思議な気持ちになりました。

うまいとかへたとかではなく
本気で伝えたいって気持ちを
もっているかどうか。

へたでいいよ。
ってわけではなくて。
料理で例えると、
美味しいものをつくりたいと思っても
経験がないと美味しくはつくれない。
だからうまい、へた、は関係ありますが、
「本気でつくりたい」と
思えば練習もするし、いつかは
できるようになります。


だからといって、うまい、から
それでいいってわけでもなくて、
名前が売れてる有名なプロの料理人でも
「本気でつくってないな」というのが
伝わってしまうと「このお店気取ってるだけやん」とか
ルーティンワークになってるんだろうなー。と
思ってしまいます。
いいお値段のレストランでも
「美味しく食べて欲しい」ってことが
感じられない料理もあります。

いちよさんはことばのプロでもないし、
ことば使いもだいたい雰囲気で進んでいきます。
「いやー、震災後は1歩進んで2歩さがって、、
ほんとちょっとずつ復興していきました」

いやいや!それじゃあ後ろにさがってるよ、いちよさん!
なんて突っ込まれる時もあるくらいです。

それでも知らない人の
こころに響いて涙がでたりします。

昨日のことがあって、糸井さんのことばも
「ここの改行の仕方がいいよなぁ」とか
「これをひらがなにしちゃうって発想は
すごいよね!」ってことではなく、
(別にそういうことはわからなくても
いいやと思えるようになった)
ほんとに伝えたいことばだから好きなんだと
思うようになりました。



ほんとはねー、羊どろぼう。が好きすぎて
奈良美智さんの本とかグッズを
Amazonで大人買いしちゃった!ってことを
書こうと思っただけだったんだけど。
ただそれだけだったんだけど、まあいいかー。


羊どろぼう。以外で奈良さんの作品を
じっくり見たのは初めてですが、
目が特徴的なんですね。
それを羊どろぼう。では
目を閉じてるところが
またいいなと思いました。

奈良さんと糸井さんの対談もめっちゃおもしろいよ!
あと、羊どろぼう。について、
永田さんの紹介文もすごい好きです。


最後に羊どろぼう。で気に入っているページを。






虫の魂も盗人の理も
5年前よりもさらに
居場所がなくなってる気がする。
自分の中でもそうなってるかもしれないから
また読み直そー。

「なんでそのほうがいいの?」という質問に
「そのほうが住みやすくなる」と答えるって
いいなぁ。正解はないけど
そっちのほうが住みやすいと思わない?って。
LIFEだ。



最新刊の永田さんも相変わらずすごい。
「忘れてきた花束。」もいいよー。

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