迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

真夏の蜜は何味なるや。

2018-07-19 23:12:49 | 浮世見聞記
常田富士男さんの逝去を知る。

子どもの頃よく見てゐた「まんが日本昔ばなし」の語りもさることながら、市川崑監督の“金田一耕助シリーズ”にも常連で出演し、昨日も触れた「天河伝説殺人事件」では天川村の駐在役で出演、いかにも田舎臭いお巡りさんを好演してゐた。

今夏は有名人の訃報が続くなぁと思ってゐると、熱中症で死亡した人の報が今日もあり、そして2020年オリンピックでは、この異常な暑さを受けて競技開始時間を早朝に前倒しするとの発表もあった。

──時間を前倒しするとか、さういふ問題ではないだらう、と思ふ。

今日とても、甲子園の地方大会で学生が熱中症で搬送されたと云ふ。

この事故は、2020年夏の新国立競技場でどんな事が展開されるか、そのプレタイプと見るべきだ。

関係者と先棒担ぎの報道屋がやたら聖代にしたがる1964年の前回時は、暑さを考慮して十月に開催をずらしてゐる。

今回はそのことを無視し、開始時間の前倒しと云ふ小手先でお茶を濁してゐるところに、オリンピックといふものがすでに本来の姿を喪ひ、スポーツとは何ら無関係の輩の利権興行となってゐることが、苦々しいまでに露呈してゐる。

にもかかわらず、世間はその現実を見て見ぬふりをし、無理にでも感動感涙の祭典に糊塗しやうとかかってゐる様子に、私は激しい嫌悪感を覚える。


私は、今さら東京で二度目のオリンピックなどやらなくてよい、と思ってゐる。

もう一度開催する意味を、見出せないからだ。


だから開催期間中は、トウキョウから遠く離れていたいと、本気で考えてゐる。


大勢入り込んでくるであらう得体の知れぬ異人や、ただお祭り騒ぎがしたいだけの太平楽どもで溢れかへる炎暑の都心など、考えただけでも目眩ひが……。
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