昨晩は外の底冷えが、閉め切ってゐるはずの部屋にもそのまま持ち込まれ、暖房の風がよく當る場所へと我が身を捩らせる。
今朝には道の一部が凍結してゐて、前を行く出勤を急いでゐる人がよろけてゐるのを見る。
他人(ひと)の姿は我が身の教訓、
私の生活に急ぎはなし、
凍結箇所は上から踏むやうにして──大昔に新潟在の遠縁からさう教はった記憶あり──、
ゆっくり進む。
私が“急ぐ”としたら、電車での移動くらゐだらうか。
どうせ同じ運賃を拂ふならば、よほど満員ギュウギュウでない限り、各停より速達性の高いはうに乗る。
……が、それも来年三月十七日までになりさうだ。
東京圏の鐵道各社が、ぼちぼち發表を始めた来る令和五年三月十八日のダイヤ改定の概要を突き合はせて見ると、基本的には新幹線以外、さらなる減便を斷行云々。
驛へ行けばすぐに乗れると云ふ印象のあった山手線の運行間隔が平均五分以上も開くなど、都市機能の弱体化を吐露する現象と思はれてならない。
私がここでダイヤ“改正”ではなく、“改定”と云ってゐる意味を察していただきたい。
今のところまだ各社とも黙ってゐるが、それに合はせて運賃の便乗値上げも斷行されるのである。
値段を吊り上げて質を落とす、お客がますます離れて行く、結果的に自分たちの首を締める惡循環が、これから始まらうとしてゐる。
鐵道利用者のなかには、すでに来春から出控へると宣言してゐる人もゐる。
私も、来年からは外出(おでかけ)計画を順次改正していくつもりだ。
「不要不急の外出は控へませう」、でしたろ?