迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

いまは仇なれ。

2021-06-23 23:08:00 | 浮世見聞記


月が昇る。   


わたしの手猿樂には、月を仰ぐ曲がいくつかある。

實際に仰ひでみて、稽古することもある。


しかし、それを舞台で仰ぐ機會が、いまはない。



アフリカのどこだかの國から来日した運動競技屋一行から、新たに一人の感染が確認され、患者は合はせて二人に増へる。

『感染者を一人確認と發表されたら、實際には十人ゐると思へ』──


東京都では、さっそく感染爆發の警報が鳴る。



舞台で月を仰ぐ機會がない。

いつになれば──



心鎮めの月が、

かえって小波をたてる。





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