迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

シゴトを仕事する。

2021-03-11 21:25:00 | 浮世見聞記
日没後、隣町の驛前の一角にある飲食店街の前を通る。カウンター式の居酒屋の店先にはいくつもの卓が並び、BGMを消したそこでは何組ものお客が、“静かに”仕事帰りの一杯を樂しんでゐた。心ある庶民は、國難の終熄に向けてちゃんと“協力”してゐる。あとは為政者たちが、いかにそれを汲んだ“仕事”をするかだ。もっとも、彼らは「やってゐる!」と、せいぜいふくれ . . . 本文を読む
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十年目の光り。

2021-03-11 14:58:00 | 浮世見聞記
十年前の3月11日14時45分、私はこの場所で地面の大きな揺れに遭ふ。東北の被災地と被災者たちのために、自分にはいったい何が出来るのか──?その問ひはあの時から十年、いつも心に在る。藝能をもって慰問する人たちがゐて、自分も心が動ひたが、だうもさういふことではない氣がした。ただし、忘流の猿樂師が決め付けたやうな、“賣名行為”とは思はなかった。この時には猫も杓子も、盛んに“絆”だの“寄り . . . 本文を読む
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