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泣き虫弱虫諸葛孔明

2005-04-25 21:23:46 | 三国志/小説(演義ベース)
泣き虫弱虫諸葛孔明/酒見賢一 著/文藝春秋/刊行中/1905円(本体価格)

内容とコメントその奇行ぶりから、地元ではちんぴらにも恐れられるほどに変人扱いされていた諸葛亮が「臥龍」となり、黄氏を妻に迎え、劉備と出会って出廬するまでを著者独自の屈折したユーモアな文章で描いてます。
「臥龍」「鳳雛」の由来(狙い)のエピソードや天下三分の計は「梁父吟(りょうほぎん)」から着想したと推測しているのが新鮮で面白いです。
ただ、黄氏と結婚してからは世に出ようとする積極性が無くなり、会いに来た劉備に仕えようと思った理由の描写が弱く、「その内」「おいおい」という言い回しや、他の説明で濁されてしまった感じです。それが作品の尻すぼみ感になってしまった気がします。
劉表のいる荊州を劉備に執拗に取らせようとした理由が、叔父を死に追いやったのが劉表だと判った為、というエピソードを仕える理由に結び付けてもいいような気がします。
曹操、孫権との因縁や待遇を紹介しておきながら、安易に出来そうな推測(何故劉備なのか)もされてません。小説なので独断でも著者の推測が欲しかったです。
とにかく、笑える表記が多いので、あまり深く考えず昔話、笑い話として読んだ方がいいのかもしれません。 この作品の孔明のフォローとして、姉弟、叔父など、身内思いであることを挙げておきます。

この武将がキラキラ♪
曹操と郭嘉。この作品では孔明と周りの人々が奇人だったり振り回されたりする設定なのに、この二人はまともな描写で良かったです。

この武将がキラリ!
劉備三兄弟。実は裏表ある劉備の心の中の悪口雑言に笑ってしまい、却って親近感が増しました。
恒例の「桃園結義」披露を嫌がりつつも徐々に乗ってしまう堅物関羽や劉備の裏人格(本性?)と波長が合う張飛と三人で孔明を“訪(おとな)う”(襲撃する?)ノリが楽しいです♪
この作品では三人に対して誰もが抱く鋭いツッコミも成されてます。

この描写がトホホ
徐庶が劉備に仕えていた期間。徐庶や曹仁に良いイメージがあると読んだ事を後悔するような描かれ方です。「演義」でも見所の一つ「八門金鎖の陣」の場面も同じです。
徐庶の人物像は「演義」での彼の扱いよりもイジメ行為に見えるほど酷いです。徐庶~

2 コメント

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こんにちは (かなの)
2005-04-28 23:05:06
翼△から遊びに来ました、かなのです。こんにちは。

知っている作品なので、ごあいさつがてらコメントを・・・

おもしろいですよね、酒見さんの作品、歴史小説でこんなに笑っていいんだろうかというぐらいよく笑った作品でした。私見ですが、私はこの孔明が劉備につかえた理由に劉表への憎しみはありえないと思っています。だって報復100倍って性格ですよ。本当に憎しみがあったら、それこそ流言ながして、曹操がもっと早く攻めてくるように画策したんじゃないかと思います。たぶん宇宙を見つめている孔明はその程度の男と劉表のことは見下してたんじゃないかなと思っていました。あぁ、でも劉備に仕える理由が弱いっていうのは確かにその通りで目からウロコです。そしてたしかに徐庶ファンにはこの作品つらいですよね。私も何度か「えー!」と思いながら読んでました。

それではブログ頑張ってください。
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コメントありがとうございました (青い章魚)
2005-04-29 20:38:17
かなの様、こちらのブログでははじめまして、ですね。そしてコメントを書き込んで下さって、ありがとうございました。

かなの様のご意見、大変参考になりました。

劉表を見下していたとなると…ますます劉備に仕える理由が見えにくいです。同じ劉姓の劉備に滅ぼさせるとか…って、どんどん孔明像が酷くなってしまいますね(汗)。宇宙に聞かないとダメでしょうか…。



まだまだブログ初心者で無作法者ですが、頑張りたいと思いますので、よろしければまた遊びにいらして下さい
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