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三好 徹 三国志「興亡三国志」

2005-07-12 21:31:37 | 三国志/小説(演義ベース)
興亡三国志 (全五巻)/三好 徹(みよし とおる)著/集英社/未確認(刊行中?)/各1600円(本体価格)

内容とコメントビジネス・ジャンプ誌に連載したものに最後の四章を加えた作品。
大きな特徴は曹操の詩に触れた事がきっかけで試みた、敵役ではなく、人間・曹操の描写です。
曹操の、同胞や部下への気遣いは、他の作品ではなかなか見られません。
腹心の軍師たちとも、言葉を交わさずとも良く通じ合っています。
その為、後に生じるすれ違いは、むしろ「言葉」が意思の疎通を邪魔したかのように受け取れます。さすがに、それが著者の意図によるものかどうかまでは判りませんが。
全体的に、武将たちよりは軍師たちの心理描写の方が多く、かつ丁寧です。
また、著者が魅せられた曹操の詩作と、著者自身の捉(とら)え方を紹介しています。

この武将がキラキラ♪
曹操と劉備。お互い、憎い仇というよりは好敵手として見ているようです。

この武将がキラリ!
陳宮。曹操の下を離れた真の理由とは…。そして、義弟・鄭欽(ていきん・オリジナルキャラ?)を通して、思い知らされる偉大さに感激し、同時に切なくもなります…。

この描写がキラリ!
糜竺(びじく)と孫乾。劉表のもとへ身を寄せたい劉備の為に、(命がけで)劉表たちを説得すべく弁舌をふるうのですが、言ってる事はちぐはぐで、二人の様子が「鏡の国のアリス」の双子・ディーとダムに似ていて、笑いを誘われます。
もう一つは、徐庶と孔明。「三国志」では徐庶と入れ違いで孔明が劉備に仕えるのですが、この作品では、短い間ながらも、二人一緒に劉備に献策していて、その様子が見られてとても嬉しいです! 著者の粋な計らいに大感謝です。










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