この観測小屋、40年くらい前の建物ですが、壁の中にしっかり断熱材が入っているみたいです。
壁が全く結露しません。
外にグラスウールが捨てられており、それが壁の中に詰められているのだろうとのこと(友人談)。
畳間に掃き出し窓があるのですが、夜になると雨戸を閉めても冷気が入ります。
今回、掃き出し窓にカーテンレールを取り付け、カーテンをしたところ、体感でわかるくらい、ストーブの効きが良くなりました。
窓など、建物の開口部からの熱損失は一般的に30〜40%と言われていますが、納得でした。
先に現場入りしていた友人たちは赤道儀のコントローラーのプログラムを更新して、最高動作速度を12倍速まであげてくれてました。
赤道儀の動作を改善させるために、色々やりました。
ウォームホイールのグリース落としとグリース塗り直し。
ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせ調整。
望遠鏡とカウンターウェイトのバランス微調整。
巨大ニュートンのバランス調整。
ニュートンをこのように垂直に立てて、下にクーラーボックスと枕をたたんで敷き、鏡筒バンドを緩めて、鏡筒の位置を微妙にずらして、赤緯軸のバランスをとりました。
巨大ニュートンの光軸調整。
光軸調整ですが、GINJI-250FNで光軸をレーザーコリメーターでバッチリ調整しても、鏡筒の向きを変えると、光軸がズレるのを経験していました。
この巨大ニュートンでも試してみたら、やはりそうでした。
GINJI-250FNの場合、3本の押しネジと、3本の引きネジが、主鏡の裏側に均等に60度おきに配置されており、これが主鏡の固定の悪さに繋がっているのではないかとも思いました。
この巨大ニュートンの場合、押しネジと引きネジが並んだ状態で120度おきに配置されていますが、それでも向きを変えると光軸がズレます。
鏡筒は厚さ3mmのアルミ製で頑丈ですが、主鏡が多分50kgくらいあります。
向きを変えると微妙に歪むのでしょう。
光軸については妥協するしかありません。
少しずつ暖かくなってきています。
雑草の芽が少しずつ出てきています。
3月には除草剤をまいた方がいいでしょう。
今回は除草剤と除草剤散布機を観測小屋に持ち込みました。
観測小屋に物が溢れ始めたので、それらを収納する物置小屋を物色しに近くのホームセンターに行ったのですが、10万円ほどします。
それなら2バイ4材と構造用合板で自作した方が安く済むとのことで、近々3人で自作することにしました。
僕はそんなのは未経験ですが、半日もあればできるとのこと。
長さが1820mmのツーバイフォー材であれば、1本400円ほどです。
それを多用して立方体の物置小屋を作る計画です。
夜になりました。
前夜とは打って変わって風が穏やかな夜です。
これは期待できます。
まず最初に狙ったのは、この季節、最後となる馬頭星雲。
前回、南の方角の撮影がうまく行きませんでした。
今回、色々整備した結果、撮影がうまく行くのかどうか、気になるところです。
グリースの塗り直し、バランスの微調整、ウォームホイールとギアの噛み合わせ調整などなどの成果やいかに。
撮影してみると、赤道儀がうまく動かない。。。
撮影開始後いきなりなことで焦りましたが、色々やってみると、どうもプログラムが子午線ごえするとうまく動作しないらしいことがわかり、望遠鏡の向きを変えて撮影再開。
(なお、今回の写真は全てノートリミングです)
馬頭星雲
今回の撮影は馬頭星雲狙いということで、EOS 60Daで撮影しました。
巨大ニュートンはF5、f2,500mm
ISO 6400、80秒露出。
8枚コンポジット。
EOS 60Daはもはや過去のカメラになりつつあると感じます。
EOS 60Dの発売が2010年、EOS 60Daの発売が2012年。
ISO 6400でこのノイズはちょっと厳しいなぁ。
続いて、燃える木
同じくISO 6400, 80sec
4枚コンポジット
赤道儀と望遠鏡の調整を頑張りましたが、歩留まりが良いとはとても言えない。
80秒露出での歩留まり40%弱でしょうか。
贅沢を言わせてもらえば、ISO 25600が普通に使えるカメラが欲しい!!
お次はランニングマン
ISO 6400、70秒露出。
南側の空の撮影で歩留まりが悪いことを確認できたところで、今度は東の空に上がってきた回転花火銀河M101を狙いました。
やはり東の空は追尾精度がよく、130秒露出に耐えました。
ただし、回転花火銀河は(大きい割に)淡いため、130秒露出より短くすると露出時間が足りず、歩留まりが良いとは言えませんでした。
結局、今回も16枚コンポジットは叶わず、8枚コンポジットとなりました。
ISO 6400 130秒露出
回転花火銀河はAPS-Cだと画面にギリギリ収まるか、収まらないか、といったところ。
ISO 12800にできれば65秒露出でイケる上、歩留まりがさらに良くなることから、16枚コンポジットどころか、32枚コンポジットがいけたはずです。
画角的にも、フルサイズでの撮影が望ましかった (^_^;)
次回こそ!!
夜も深まったところで、ソンブレロ銀河M104が南の空に上がってきました。
狙ってみましたが、空の低い位置にあるため、鏡筒の下側1/3くらいがスライディングルーフにかかってしまいます。
しかし、試してみると、一応、写りました。
どういうこと?
ISO 6400 60秒露出。
4枚コンポジット
最後に、東の空に上がってきたリング星雲M57を撮りました。
ISO 3200 50sec
4枚コンポジット
東側にウェイトがある場合、赤緯軸が水平に近くなると、星が丸く写らなくなってくる。そしたら、ウェイトをより末梢へ2cmほど移動してやるとよい。
子午線を超えると赤道儀が正常に作動しない。
子午線を超えたらArduinoの電源を一回落とす必要がある。
などなど、赤道儀のクセが少しずつ見えてきました。
もう少し追い込むにしろ、当分はこのレベルの動作精度での撮影が続きそうです。
東の空で130秒、南の空で60秒まで露出が可能。
んー。
やはりISO 25600が使えるカメラが欲しいなぁ。
ISOだけいうならSONYのα7Ⅲだが、ステラショット に対応しているとなるとNikonのD810Aか、CanonのEOS Raか。
手元にあるTリングなどのことを考えるとCanon EOS Raが最有力。
しかし、30万円かぁ。
EOS Rを改造する分には22万円くらい?
安くはない。
けど、10年弱、使う。
悩むなぁ。。。
けど、欲しいなぁ。
ちゃくちゃくと調整が進んでいるようで、それなりに赤道儀の調子も
判って来てこれからに期待出来ます。(^0^;
カメラの選定をされているようですが、経験からするとD810Aはあまり
赤の感度が無く、ガス星雲とかは苦手かと思います。
。。なら、キヤノン系の赤外F外しが有効かと思いますが、
最近のフォーサーズも期待出来ます。(^0^8
また、D810Aのフルサイズにしてみると機能が充実しており、
電池の持ちも良くなっているので自由度が増しました。
ピントをディスプレイで見れるのも質の向上に寄与、これの
煩わしさが無くなり、楽しんで撮影出来ます。(^0^v
結局、Ra、買いました。
こんなに素晴らしい望遠鏡に巡り会えたのですから、それが要求するカメラを入手しない手はないと思って。
60Da同様、10年近く使うことになるでしょう。
これからの撮影が楽しみです。