猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

2024/03/09 IRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランス探し

2024-03-20 15:11:45 | 天体観測
複数の望遠鏡で並列撮影をし始めて、カメラが足りなくなってきました。
まともなのはEOS Raのみ。
EOS 60Daはさすがに厳しくなってきました。
ノイズが半端ないので、ISOを下げて、長時間露出するとなると時間がかかってしまっていけない。
月に何度も遠征できるわけではないので、少しでも効率を上げたい。
EOS 6Dは、僕的にボックス蹴られが気になります。
EOS 6DもEOS 60Daも発売が2012年。
EOS 60Daの元となるEOS 60Dに至っては2010年発売。
6Dも60Daもそろそろサブ機になってもらってもいい頃でしょう。

しかし、カメラが高くなりましたね。
Canonのフルサイズ機 現行機種で一番安いEOS R8で23万円程度。
(RPは除外しました。。。)
ちょっとハードルが高い。

友人にEOS 70Dを勧められました。
中古で購入してIRフィルター改造してはどうかと。
中古が3万円台
改造費用 1.5万円程度。
お試しにはいいのではないかと。
BKP130とかVIXEN ED81Sとかフルサイズがちと厳しい望遠鏡もあることだし。

ヤフオクで入手した直後に室内で試し撮りした写真がコレ

IRフィルター改造後の写真がコレ

星雲が発するHα線が656nmで、IRフィルター改造は「ダストリダクション機能を残して760nm付近までの波長感光を確保します」とのこと。

ヒトの視覚は、波長の長い光を赤色光として感じとるが、その上限は 760 - 830 nm 付近とされ、それより波長の長い光は知覚できない(Wikipediaより)そうなので、赤い光が写り込みやすく改造されていると解釈しています。

それじゃあ、普通のカメラが捉えられる光は、可視光よりも狭いということなのね?

試しにEOS 60Daで撮ってみたのがこれ。
あれれ?
割と普通の色だぞ?
これはどういうことなのか。
改造を請け負ってくれた人に質問したら、過去にEOS 60Daの修理を請け負った際にEOS 60Daの中身をみたら、CMOSの構造(フィルター以外)は通常機と全く同じだったのでCanon基準に基づいて『ホワイトバランス』のみを調整しているのではないかとの個人的な推測を教えてくれました。
(「だったらキャノン、とっとと次の「a」シリーズを出してくれよ」と思ってしまうのは星見屋のわがまま?)


観測小屋の外の風景をIRフィルター改造したEOS 70Dで撮ってみたらこんな感じになりました。
やはり赤っぽい。
ちなみに、オートフォーカスがおかしくなってます。
フィルターを交換するとピントが合わなくなるようです。



ホワイトバランスを適当に調整してみたらこんな感じになりました。
(ピントはマニュアルで合わせました。)
まだ赤っぽいけど、ホワイトバランスを調整すれば普通の色に近づけることができそう。


というわけで、この夜はBLANCA-80EDTに笠井の×0.8レデューサを介してIRフィルター改造したEOS 70Dを取り付け、ホワイトバランス探しをすることにしました。
赤道儀は、モーターを17HS3401S(1アンペア)から17HS8401(1.7アンペア)にパワーアップしたVixen GPです。

被写体は乙女銀河ぐんのM96です。

まずはオートホワイトバランス(AWB)で撮影。
 ISO 3200 120sec 色温度5500K
赤かぶりしてます。
ヒストグラムでRedが分離している。

ISO 3200 120sec 色温度7000K
ヒストグラムでますますRedが分離してしまった

ISO 3200, 120sec 色温度2500K
今度はBlueのヒストグラムが分離

ISO 3200 120sec 色温度4000K
RGBのヒストグラムが集まってきました。

ISO 3200 120sec 色温度4500K
色温度4000KのときRGBの中心にあったRedが右側に出てきました。

ISO 3200 120sec 色温度4200K
だいぶRGBが集約してきました。

ISO 3200 180sec 色温度4200K
露出時間を120secから180secに延したらGreenが左に離れてしまいました。
つまり、同じ被写体であっても、露出時間が異なれば、適切なホワイトバランスが異なるということです。
なんてこったい。
EOS RaやEOS 60Daはこれを自動でやってくれる。
そこら辺がメーカー純正ということなのでしょう。

ISO 3200 180sec 色温度4300K
色温度4200Kとほとんど変わりませんが、Redがほんの少し主張してます。

このあとはホワイトバランス補正を試してみました。
ホワイトバランス補正(カメラ撮影設定画面の「WB補正/BKT設定」で、グリーン(G)-マゼンダ(M)、ブルー(B)-アンバー(A)を調整できます。
G-M、B-A方向にそれぞれ9段階ずつ調整できます。

ISO 3200 180sec 色温度4200K M5
最初にマゼンダ側に5段階、寄せてみました。
そしたら、グリーンのヒストグラムが離れていってしまいました。

これはいかんということで、今度はグリーン側に振りました。
ISO 3200 180sec 色温度4200 G5
RGBのヒストグラムが集まってきました。

もう一息、RGBのヒストグラムを集約するために今度は、
ISO 3200 180sec 色温度4200 G9
さらにいい感じになってきました。


ISO 3200 180sec 色温度4100 G9
今までで一番いい感じかもしれません。
しかし困った。
G9はグリーンの補正の限界値なので、これ以上、グリーンのヒストグラムを右に寄せることができません。
これが調整の限界です。


いい感じになったところで、再び120秒露出を試してみたくなりました。
ISO 3200 120sec 色温度4100 G9
ヒストグラムの具合も写真の色合いも、割といいのではないでしょうか。



今度はブルー(B)-アンバー(A)方向の調整をかませてゆきます。
まずはアンバー(A)側に振ってみました。
ISO 3200 120sec 色温度4100K A3 G9
Redのヒストグラムが右側に出てきました。
写真も赤かぶりしています。


今度はブルー(B)側に振ってみます。
ISO 3200 120sec 色温度4100 B3 G9
今度はブルー(B)のヒストグラムが主張してきて青被りしてしまいました。



ISO 3200 120sec 色温度4100 B1 G9
若干青被りしているように見えます。
結局、ブルー(B)-アンバー(A)方向の調整はせず、ISO 3200 120sec 色温度4100 B0 G9が一番いいように思います。


次は、ISO 3200 120sec 色温度4000K G9
大きくは変わらないような。。。


ISO 3200 120sec 色温度4000 B1 G9
青被りがひどくなった

ISO 3200 120sec 色温度4000K A1 G9
一番まし?

ここで再び露出時間を180秒に延してみました。
ISO 3200 180sec 色温度4000 A1 G9
悪くないが、若干黄色がかっているような。。。

ISO 3200 120sec 色温度3900K A1 G9
悪くはないが。。。

気分を変えて、球状星団M3に向けてみました。
ISO 3200 120sec 色温度4000K A1 G9

ISO 3200 90sec 色温度4000K A1 G9

ISO 3200 40sec 色温度4000K A1 G9

この夜撮ったオリオン大星雲の撮って出しがこれ。
ISO 3200 75sec AWB


Adobe Camera RAWでRAW画像を開いた時の画面がこれ。
撮影時のAWBの色温度は4250K
色かぶり補正は、グリーン(G)-マゼンダ(M)のようです。


RAW現像してみたのがこれ。
色温度を3550Kにして、グリーン(G)寄りに補正するとRGB3色のヒストグラムが見事に重なりました。


このオリオン大星雲をいつもの画像処理してみたのがこれ
(もうちょっと全体を明るくした方が良かったか)


ん〜、色温度4000K A1 G9ではないのか?
EOS 70Dの色温度は100K単位でしか調整できないので、色温度3550Kは無理。
だけど、次の機会に色温度3500Kと3600Kは試さないわけにはいかないでしょう。

ちなみに、Adobe Camera RAWで現像したのが2024/03/17なので、色温度3550Kを試すのは4月以降になりそうです。

なお、ステッピングモーターを17HS8401に交換してパワーアップしたVixen GPですが、オートガイドが大暴れでした。
レデューサを使ってf=384mmだったのであまり目立ちませんが、少なくとも、モーターがパワーがない17HS3401Sだった時より酷い。
それともウォームギアとホイールの調整の問題か?

あと、BLANCA-80EDTと笠井の×0.8レデューサ、相性がイマイチですね。
四隅の星が僕の許容限度を超えて伸びてます。
次回はKenko Close-up lens No.4で自作したレデューサで撮ってみるか?

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2 コメント

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Unknown ((^0^)コメト)
2024-03-21 23:11:57
猫五郎さんこんばんは

ホワイトバランスは苦労してますネ。8^0^8
やはりバランスがとれた写りは自然に感じます。

これがモノクロだったら面白くありませんが、まぁ、やれるだけ
やってみるのも趣味の内かと存じます。(^0^;

アプリを駆使して調整されているようですが、操作に
慣れるのも一苦労です。
いずれは何撮っても上手く表現出来ると思われ、ガンバ!(^0^!

。。それと、健康クローズupレンズは(^0^)も使ってますが、
元々がメニスカス色消しとして望遠を意識して作られて
いるので、それなりでしかなく、寄り道かも。。
Unknown (猫五郎)
2024-03-22 18:57:42
(^0^)コメトさん
60Daにしろ、Raにしろ、購入時に改造カメラが比較対象とはなりました。
改造した方が数万円安い。
けど、敢えてメーカー純正を購入しました。
安心感が欲しかったし、何よりこんなマニアなカメラを発売してくれるキャノンを応援したかったので。

今回初めての改造カメラですが、なかなか手こずらせてくれます。
が、これも慣れられるのかもしれません。
何はともあれ、いろいろやってみようと思います。

いずれにせよ、メーカー純正品にはそれなりの価値があったということですね。

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