問わず語りの...

流れに任せて

吉田拓郎『雪さよなら』

2022-12-17 05:09:05 | 今日の一曲

 

今年いっぱいで音楽活動からの引退を表明した吉田拓郎さんの、最新にして最後のアルバム『ah-面白かった』に収録されている曲です。バック・コーラスを務めるのは盟友小田和正。

 

 

この曲は元々、1972年に拓郎さんのバック・バンドを務めていた「猫」というフォーク・グループのために書いた曲で、結構ヒットしたらしいです。

 

 

この曲で歌われている情景は岩手県盛岡市だそうです。なんでも、当時のIBC岩手放送の玄関から出てきた美人さんのアナウンサーに目を惹かれたことから、この曲が生まれたのだそうな。

 

 

なんとなく、拓郎さんらしいや(笑)

 

 

 

拓郎さんが登場する以前のフォーク・ソングというのは、反権力主義というのか、左翼的で反商業主義的で、一部の過激な学生たちなどが好んで聴くような音楽だったらしい。よく知りませんけど。

 

そんな中で拓郎さんは、革命など歌わず、極私的な心情などを歌い、当時のゴリゴリのフォーク・マニアからは、「あんなのはフオークじゃない」と否定され、酷評されまくりだったらしい。

 

拓郎さんがステージに上がるとヤジが飛び交い、歌が聴こえないほどだったとか。ビール瓶が投げ込まれる、なんてこともあったようで、拓郎さんはそれでも己のスタイルを崩そうとはしなかった。

 

 

『結婚しようよ』なんて曲は当時のフォーク・マニアには絶対に許せない曲だったでしょう。

 

 

でもそんなマニアたちとは裏腹に、世間一般で拓郎さんはその評価を上げていき、フォークの間口を広げていった。そうして後続として井上陽水や松任谷由実といった後に大物になるシンガーソングライターが続々と登場してくることになる。

 

 

拓郎さんが戦い続けたことで、日本のポップ・シーンは、その可能性が大きく開かれたと言ってよく、

 

 

現在のJ-ポップは、拓郎さんなしには生まれ得なかった、と唱える評論家もおられるようです。

 

 

私には詳しくはわかりませんが、吉田拓郎という方は、日本の戦後音楽史の中で、忘れてはならない大きな存在であったということは、

 

 

間違いないようです。

 

 

 

 

やっぱりね、「大衆化」って必要ですよ。一部の者たちの需要に留まっていたのでは、発展は望めない。

 

 

 

 

J-ポップの発展に大きく寄与した拓郎さん。そんな拓郎さんも引退ですよ。己の限界を知ったというのか、この潔さ。

 

 

これもまた、拓郎さん「らしい」や。

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2 コメント

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Unknown (薫兄者)
2023-01-10 05:51:36
チャメさん、日本の音楽史を彩った、偉大な方でした。引退は残念なことですけど、ご本人が決めたことですからね。
拓郎さんにはこれからの日々、どうぞのんびりお過ごしください。ありがとうございました。そうお伝えしたいです。
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Unknown (チャメ子)
2023-01-09 21:54:30
吉田拓郎さんのこと、お名前くらいしか存じ上げなく、薫兄者様の記事で初めて知り、知ったと思ったらもう引退されたなんて…。
『雪さよなら』のモデルになった岩手放送の美人さん、きっと色白の髪の長いスレンダーなおしとやかな東北美人の方だったのでしょうね。日本のポップシーンを築き上げてくださった吉田拓郎さん、ありがとうございました、そしてお疲れ様でした。
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