時代小説家、池波正太郎の小説『剣客商売』の主人公、老剣客・秋山小兵衛は、時の老中田沼意次と親しい。
田沼意次の娘で女剣客の三冬は、父の政治姿勢が好きになれず、そのことを小兵衛に相談します。
そのときの、秋山小兵衛の言葉。
【政事(まつりごと)とは、汚れの中に真実(まこと)を見るものなのじゃよ】
綺麗事だけでは政治は成り立たない。清濁合わせのむとはよく言いますが、たとえ濁を飲み込んだとしても、そこに一筋の真(芯)があるか、その真はどこに、誰に、何に向けられているのか。
そういうことです。
もう1つ。秋山小兵衛の名セリフを。
【人の世は、勘違いで成り立っているものさ】
人は結局、自分の視野、自分の視点の中でしか、他人を測ることが出来ない。
善い人悪い人、好き嫌い。すべては自分の中で作り出したもの。
人と人との関係性は基本、
『勘違い』
他人の中にある真実(まこと)を見極める努力をすることでしか、勘違いを是正することは出来ないのでしょうね。
たぶん。
でも100%の是正などあり得ない。人は所詮、自分の視点でしか世界を視ることが出来ない。世界を作っているのは
「自分」
なのだから。
元首相の悲劇的逝去に関し、世界中から寄せられた弔慰になにを感じるか。たとえそれらの弔慰が全て【勘違い】であったとしても、世界中を勘違いさせられる程に、その方は
『偉大』な人だったであろうことは
間違いない。
たとえ「勘違い」であったとしても、私はこの『偉大』なる人物を
慕います。
国葬、善き哉。
さて、あなたは今日の私の記事を、どう読み解くのでしょうか。それもまた、
「勘違い」
かもよ。
フッ、フフフフ……。
ありがたしかな 大いなる 勘違い
所詮他人様を100%理解するなんて不可能なんだから、どうせなら善い方向に勘違いした方が良い。
でもこれが、なかなか出来なかったりするのよねえ。