クリエイターの狂気にも似た熱情というのは、”普通”の人にはなかなか理解されないところがあるのだろうね。
本人としては単なる趣味の域を越えて、生きる糧のようになっていることが、普通の人たちには、いずれ”卒業”する趣味のようなものだとしか理解されないもどかしさ。
誰にも認められない寂しさから、自分の成していることの意味がわからなくなり、諦めてしまうこともあるだろう。
そうしてそのまま、二度と復帰することのなかった人たちもたくさんいることだろう。
何故再び描くことができたのか。それは
認めてくれる人がいたから。
『ルックバック』というタイトル。これは
【原点回帰】というような意味でしょうか。
自分が成していることに意味が見いだせなくなったとき、もう一度原点に戻ってみる。
クリエイターが何故作品を作り続けるのか、その理由の究極はおそらく誰にもわからない。
その狂気、その熱情の源泉がどこにあるのか、究極的にはわからない。
それでもクリエイターは作品を発表し続ける。自分のために、そして
自分を認めてくれた人たちのために。
これは表現者の「現実」を描きながら、それでいて「ファンタジック」な物語でもあります。
とても高度な意味で、「マンガ」です。
多くの人に、この「マンガ」を味わっていただきたい。
良い作品です。