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スラウェシ島、裏トラジャの山中に、たった一人で畑を切り開いて暮らしていた人の小屋。
周りを開墾して作物を作っている。
→前の記事・裏トラジャの農民のかご
日本でも戦前・戦後、人口が増えすぎて、農家の次男以下は相続する土地もなく、それでは食べていくこともできず、農地を求めて外へ外へと出て行った。
ハワイ、ブラジル、満州、中にはスラウェシ島にまで来ていた人もいる。日本の山地は今よりうんと開墾されていたので、森林面積は今よりずっと少なかった。今も山に行くと、杉林の中に昔の棚田の跡の石積みをいくらでも見かける。高度成長後、田んぼも畑も要らなくなって杉を植えてしまったのだ。瀬戸内では島のてっぺんまで段々みかん畑や段々花畑だったが、これも今は山に戻ってしまっている
この人もどういう理由でか開墾する土地を求めてここに来た。本当の家が実家にあってここは単に出稼ぎなのか、あるいはいずれもっと立派な家を立てて住み着くつもりなのか。本人にも今は分からないかもしれない。
この小屋は全部自分で作ったという。壁のない家のように見えるが、椰子屋根の中にちゃんと壁のある寝室が作ってある。こんな暖かい土地では大部分の時間をオープンエアで過ごせるのだから、贅沢なことだ。高原だから、決して暑くはない。
熱帯の高原は、伝染病や蚊さえ防ぐことができれば、天国のようだと思う。
写真/スラウェシ島西スラウェシ州(2008年)
昔、豊穣のスラウェシ島で その1 その2
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