島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

タナ・トラジャの赤い水牛

2014-08-12 | 村の暮らしと仕事

アジアでは水牛が農耕に使われる。
ベトナムとか、ラオスとか、テレビでよく見る気がする。

インドネシアでは特にバリ島の棚田で、水牛が田んぼを耕している風景が
絵に描かれてお土産になっている。けれど、あくまでも、絵の世界である。

田んぼはジャワにもフローレスにもあるが、
私は水牛が実際に農耕に使われているところを見たことがない。
フローレスでは水牛自体を見ていない。
フローレスには馬がいる。

先日テレビのインドネシアの番組で(たぶんジャワが舞台)
どこかの田んぼで水牛が使われている光景を
ちょっとだけ見かけて、まだやっているのかと思った。


スラウェシ島タナ・トラジャにも、見事な棚田がたくさんあるが
水牛は田んぼでのんびりさせられて
むくむく太らされている。
タナ・トラジャの水牛は、お葬式の供物になるために生かされている。
お葬式の喪主が客にごちそうするための供物もあるが、
親戚や友人が香典のようにプレゼントする場合もある。
一番高い香典が水牛で、次が黒豚である。

香典として持って行った供物はその場でさばかれて
その場で食べられたり、客の「引き出物」としてお持ち帰りされるので
結局村人たちのおなかに入るというわけだ。

トラジャ人が話すのを聞くと
親戚・友人のお葬式なんかあろうものなら、香典代でえらいことらしい。
そういうのが続くと、借金までしなければならない。
タナ・トラジャで暮らすのは本当にしんどい、と
うんざりした顔で言っていた。
ついでに言うと、中心地ランテパオは物価も高い気がする。


水牛はいろいろな品種?があって
黒いのや、黒と白のや、赤いの、赤と黒の、などなど
色によって値段が違うのである。

ランテパオの隣町で水牛市場が週に1回開かれる。
水牛市場はインドネシアではここだけだと言う。
それにいくと、たくさんの水牛がずらりと杭につながれていて
いろいろな模様のがいるのが分かる。

また、飼われている水牛は、オーナーと飼い主(世話係)が別人の場合もある。
タナ・トラジャではまだカーストが残っているので、
資本家と労働者は別ということだ。

写真/スラウェシ島タナ・トラジャ(2008年)
後ろにある建物は民俗資料館のようなもので、トンコナンハウスの完全に伝統的な形ではない。


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