つれづれ草 下 第137段
花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは。 雨に対(むか)ひて月を恋ひ、垂れ込めて春の行衡(ゆくへ)知らぬも、なほあはれに情け深し。 咲きぬべきほどの梢、散り萎れたる庭などこそ、見どころ多けれ。(略)
徒然草wiki 下 第155段
世に従わん人は(中略)
春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。
春はやがて夏の気を催し、夏より既に秋は通ひ、
秋は即ち寒くなり、十月は小春の天気、
草も青くなり、梅も蕾(つぼ)みぬ。
木の葉の落つるも、先ず落ちて芽ぐむにはあらず、
下より萌(きざ)しつはるに堪(た)へずして落つるなり。
迎ふる気、下に設けたる故に(注1)。待ちとる序甚(ついで、はなは)
だ速し(注2)。(日本の桜の開花のしくみ)
(注1) 葉の落ちる時機を待っている生気を内部に包蔵しているので。
(注2) 待ち受けて交替する順序が非常に速くて、続いて起きるのである。
生・老・病・死の移り来る事、また、これに過ぎたり。四季は、なほ、定まれる序あり。死期(しご)は序を待たず。
死は、前よりしも来らず。
かねて後に迫れり。人皆死ある事を知りて、
待つことしかも急ならざるに、覚えずして来る。
沖の干潟遥かなれども、磯より潮の満つるが如し。
ふーっ。
開花のしくみ
夏に「花芽形成」、
葉から開花抑制物質 「休眠」
秋~冬 落葉 低温 → 「休眠打破」 開花の準備
春 気温が上昇→花芽の成長 「生成」→「開花」
↑ 2007年02月16日
Second vol. Isson road Cherry blossom