A.M.'s kitchen

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アニメ矛盾紀行 その2「水戸黄門の印籠」

2017-06-06 13:14:01 | よしなし事
 実写ヒーロー作品は、私は好きです。その中には、必ずといって「お約束」が存在します。たとえば、ヒーローに変身して、必殺技で敵を仕留めるプロセスが、毎回、似たり寄ったりであること。決して、悪いわけではなく、「きたきたー」という感じになります。

 こうした現象を、私は、大好きな時代劇になぞらえて、「水戸黄門の印籠」と呼びます。

 ところで、こうした「見せ場」として用意したのであろうと推測されるものの、今ひとつしっくりこない「お約束」が、アニメ作品の中に多く存在します。その例を挙げてみましょう。

・パニックに陥った少女キャラに「いやー」と叫ばせる。

・放映期間の中盤に、海水浴や温泉旅行があって、健全な性描写に迫る。

 これらを、私なりに製作者の立場で斟酌するなら、「やった方が売れる」という切羽詰った事情があるのではないでしょうか。ある意味、強迫観念に近いものになっていると心配になってしまいます。あるいは、こうした場面を、キツい作業の目標に置いて、現場を鼓舞するのかもしれません。

・「上から目線」を地で行く「ったく」という台詞を乱射する。

 これを私なりに斟酌すると、辛い制作現場の愚痴を作品に混めた、というより、視聴ターゲット層の置かれた社会的事情を配慮して、発散させているのでないかと思います。もっとも、昨今では、動画を含めたSNSへの投稿に、その役割は取って代わられていますが。

・電波を出すキャラが(とくに女子キャラに)襲い掛かってくる。しかも、突然、目の下にクマができていて、瞳の中に変な色の光が灯っている。

 これは、萌えキャラ系の作品でやると「意外性」で以前はウケていました。そこで、展開に詰まったとき使える必殺ワザになっているのでしょう。でも、そろそろ、賞味期限は切れているのではと心配です。

 まだまだありそうですが、この話題はここでお開きです。

 本当に、アニメ業界は、大変だと思います。頑張って、面白い作品をたくさん、世に送っていただきたいと、心よりエールを送ります。

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