A.M.'s kitchen

ふと心に浮かんだことを、短く、軽く、たまに鋭く、書き残しておく場所です。

夜食夜話 (11) チンゲン菜

2009-07-24 18:11:32 | 食生活
 チンゲン菜は、時に安価で売られていることがあり、その場合は直ぐに手が伸びる。
 肉との相性もよいし、別に中華風にこだわらずに使い回しが効くからだ。白菜ほどのクセもなく、微妙な苦みもいい。熱を加えた場合、葉はしんなり、茎の部分、とくに根元はたっぷりと出し汁をすってくれて、その瑞々しさを楽しめる。
 ただ、私の調理法が「炒める」という単調なものに限られ過ぎていて、あまり「新しい境地」をチンゲン菜で開拓してはいない。ちょっとマンネリになっているのが悔しい。売場で見た瞬間、「いつも通り、ああしよう」と無意識に決心している。それだけ「定番の食材」としての地位が確立されているともいえる。

 炒めるとはいっても、私の場合、あまり油を多く使わない。そのためか、盛付けた後、急いで食べないと、どんどん水分が出てきて、炒め物だったはずの皿がスープ皿と化してしまうことが多々ある。瑞々しさ、すなわち水分の多い食材なだけに、キュウリと並んで、「スープ化」しやすい。だから、大急ぎでいつも食べている。だからといって、最初からスープとして作るのも、酒の肴にする都合上、相応しくない。
 冒頭で、『中華風』にこだわる必要はない、と書いたが、実際は、ほぼそうなってしまう。ただし、味は薄めにして、チンゲン菜の存在感が損なわれないように注意する。鶏ガラ出汁と塩を基本にし、オイスターソースでコクを狙う。醤油は隠し味程度に抑え、本来の色から逸脱しないように気も配る。その意味では、カレーの具にするなど、もってのほかだ。

 調理する際は、いつも、茎と葉を分離する。面倒なので、いつも手で千切る。中心近くの、小さな部分はそのまま使う。火の通り方を考慮して、茎を入れてしばらくしてから葉を投じる。そうしないと、葉が縮んで視覚的な存在感を失ってしまう。火の通りも早く、すぐに柔らかくなるので、炒め(or 煮込み)過ぎは禁物だ。だからといって、シャキシャキした生の痕跡があっても嬉しくない。

 今、わが家の冷蔵庫には、一株のチンゲン菜が出番待ちとなっている。どうなるかわからないが、軽く茹でてから氷水で冷やし、サラダに使ってみようという目論みを、『今』思い付いた。成功の予感は五分五分だ。相方は、ツナ缶を予定している。