融通無碍なる留学生活

~豪に入っては豪に従います~

テンプレ考

2007年07月15日 | 気付いたこと築いたこと
はずかしげもなくテンプレートどおりの展開を見せる全てのもの(メディアから発信されるもの、他人との会話などなど)に対して「げんなりしました」とかイチイチ表明してしまったりとかいうのは、青臭い苦悩の表れですかね。
でも、ようは面白いものが、ただただ大好きというそれだけ。
なかなかないね、面白いものって。
だから出会ったときに、狂喜乱舞手前。有難し。

ニッポンの本屋さん

2007年07月14日 | 一時帰国生活
ちょっと売れるとスグこれなんだから・・・。

なにやら「~品格」とか、「日本の~」とか、「~な人、…な人」とか、もぅそんなのが目白押しだね、最近の本屋。どうしてこうも、恥ずかしげもなく商売っ気丸出しで流行モノのタイトルつけるんでしょう。いや、売れるからですよ。でも中身は別段新鮮なものでなかったりするんだから。新書レベルの本もピンキリですね。

でも今日見つけたので大ヒットうなずけます!というのが「ちびギャラ」の本。7巻まであって全部平積み。実は今日までこのシリーズ何一つ知らず。本屋さんウロウロはこういう発見あるからうれしい。1年日本の本屋離れたら、いろいろ発見がある。

あ~しかし。この一年読書らしい読書をせずに過ごしてしまったよ。英語でも変わらないペースで読書ができたらいいのに。


ものすごく、ケチ。

2007年07月13日 | 気付いたこと築いたこと
1AUドル=106円近くなってきましたよ。。。もの凄い円安ぶり。
昨年、80円代から90円代に一気に落っこちたときは気絶しそうになったけど、もうここまできたら、
「えー貧乏ですとも。それがなにか?」と開き直るしかない。なんかもう強気。泣いても笑ってもあと一学期。

で、有難き渡航費支援あって叶ったこの「冬休み」の一時帰国中、「日本でアレも買おう、コレも買おう」と思っていたのに、やはり財布の口が堅くなってしまう。

来学期は通訳の毎週の単語テストのために、ガリ勉モードで単語カードをつくるぞ、と。つきましては日本で買いだめして帰るぞ、と。ところが、1コ70円の単語カード(リングでとめてあって、中高生時代に使ったようなやつ)に手がでない。。。なんてこった!無印良品の350円のペンケースを買うのに数日悩んだりする。アウチっ!ウキウキの100均ショッピングも、年末帰国のときより足取り鈍し。

33歳でコレって貴重体験ゾーンだよね、たぶん。

指揮者 海老原光さん のこと

2007年07月08日 | 音楽

昼間のアマオケ公演とは思えない、もの凄い熱気の演奏会でした。

練馬交響楽団の定期演奏会(於 練馬文化ホール)、
指揮は海老原光氏。
曲目は
リスト/交響詩「レ・プレリュード」
R.シュトラウス/交響詩「死と変容」
ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」
アンコールにヴァグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の前奏曲


とりわけ5番は、熱いけれども決して重くならず、始まりから終わりまで一気に疾走していった。ためらい無く疾駆する響き。個々の音質がどうこうというのでなく、音楽が流れてしまって流れてしまって、どんどん引き込まれてしまう演奏。力強く、素晴らしかった・・・。

演奏後の会場の熱気は圧巻。実際この日は満遍なく二階席まで人が一杯で、明らかに聴衆もオケも、火照ったような空気に包まれていたと私は感じたが、どうだっただろうか。

一体感とか、勢いとか、熱さとか、そうした空気感はもしかしたら、アマチュアオーケストラによって生み出せる、ある種の強みなのかもしれないとも考えられる。でも、この日のそれは、指揮の海老原光氏によってさらに上昇気流に乗った、という印象だ。

この人は席巻力のある指揮者。見せる/魅せる人。
引っ張る、鳴らす、見せる/魅せる、驚かす、作りこむ・・・
音楽の作り方や指揮そのもののみならず、ステージ上でのこの指揮者の立ち居振る舞い(曲入りのタイミング、観客の拍手への応え方や、アンコール曲紹介時の発声まで)全てが、おそらくオケの演奏者だけでなく聴衆の身体性をも喚起させ、演奏会全体を指揮していた。言ってしまえば、最高のエンターテイナーだ。本当に楽しかった。

聴衆の「楽しい」は、拍手のタイミングや「ブラボー」という叫び声ばかりでなく、例えば私の後ろに座っていた女子中学生3人組みたいなのが、「きゃあ素敵」モードに入ってはしゃいでいた様子などからもわかって面白い。

海老原氏も、今後音楽の作り方や、演奏者・聴衆への「魅せ方」はどんどん変わっていくかもしれない。でも、どの時点でもきっとこの人は、本当に「多くの」人を席巻する力を発揮されていくのだと思う。
つまり、「スター」性みたいなのを持ち、「ファン」層みたいなのを獲得できる人。これは侮れない才能、そしてそうそういないと思うんですよ。一方でまた、この指揮者の「根のマジメさ」みたいなものは、信頼できる勤勉さを示してくれるので、聴き手の側には誠意のようなものとして伝わってくるように思う。

クラシック音楽だって、どこの業界だって、その当事者が、音楽などの彼/彼女の向かう対象に真摯に対峙したその結果、そうした供給と需要の大きなうねりを作れるのであれば、誰も無視することは出来なくなるんだろう。私個人が過剰にこの指揮者を応援したいと感じているのだとしても、それを差し引いたとしても、そんな構図が思い浮かんで、わくわくしてしまう。

あんな演奏会は初めてですよ。心から楽しく、本当に感動しました。演奏会にはまた足を運びますよ。今後の更なるご活躍を心から応援しています。

陰気さと念の日本風景

2007年07月05日 | 一時帰国生活

ほんの数ヶ月離れて戻っただけで、
どうも近頃日本の景色が違って見える気がしています。

東京にしても地方都市にしても、
きれいな新しいビルのすぐ横に、意味不明なまでに朽ちた建物があったり、
色使いのうるさい電気屋さんや薬局の広告の看板なんかが、
景観なんかそっちのけに乱立する様子などに対して以前は、
センスなくて苛立つわぁ~などと思っていたものです。

でも、どうもその「ぐちゃぐちゃ」感が、
日本の湿度ある空気とともに「そうそうこれですよ」みたいな、
妙にマッチした味わいを覚えたのなんて、始めてのこと。

シドニーのやたらとコザッパリと乾いた風景(シティ内も郊外も)に比べると、
日本の路地なんかには、ときにオドロオドロしさというか、
しっとりと陰気な感じがありますよ。
念すらこもってるんじゃないか、みたいな。

でも、この肌で感じるある種の暗さは、実態こそ手に取れるものでないだけに、
「文化」とか「風土」とか、そんなカテゴリーを使ってごまかしながら、
表現するしかないのかもしれないです。

写真は銀座4丁目の交差点から少しだけ離れた路地で見つけた、
小さな鉛筆屋さん。

土地と人

2007年07月02日 | 一時帰国生活

オーストラリアのブルーマウンテンは有名ですが、
どうにも腰が重くて、まだ行っていません。
で、代わりに、というわけでもないですが、
山梨県の昇仙峡に行って来ました(笑)
ここの仙が滝を見たのは初めて。なかなか見事でございました。

思春期のころから6年ほど暮らした山梨は、
当時、「居心地が悪い」とか「きらい」と思っていたけれど、
車で細い道を通り、
建物があちこち建て替わっていても、
既知感ある景色に出くわすと、
懐かしくて、なぜか少し嬉しい気持ちになるから不思議だ。
感傷か?ならば、それも結構。

土地と人との関わり方ってあるのだと思った。

結局その土地を「好き」とか「嫌い」とかいうのは、
自分がその時抱える全ての「条件」、つまり、
出来事、人々、自分の立ち位置などが
複雑に絡み合って生じた、ただの一過性の記憶。

私は「どこででも生きていかれる」とかいう類の人間ではないし、
自分の過ごす場所に対して
極端に感傷的だし、
意味を持たせたがるし、
居心地良くありたがる方だ。

でも、だからこそ、
あるまとまった時期を過ごしたり、これから過ごす場所に対して、
一過性的でありながら固定的な印象を与え続けるのは、
なんだかもったいないし、第一、面白くない。

シドニーでの生活はあと4ヶ月ほど。
私の今抱える条件の中で、何ができるかを考える。
この生活をどのように相対的総体的に築くことができるかは、
自分次第。
結果として充実したときを過ごすことができれば、
きっと「シドニー良かった!」言えることができるのだろう。

先学期はマジでくじけそうにもなったけど、
最終学期は、根拠なく強気でいこう(笑)。
留学して本当によかったなと、すでにしみじみ思う今日この頃。