ほんの数ヶ月離れて戻っただけで、
どうも近頃日本の景色が違って見える気がしています。
東京にしても地方都市にしても、
きれいな新しいビルのすぐ横に、意味不明なまでに朽ちた建物があったり、
色使いのうるさい電気屋さんや薬局の広告の看板なんかが、
景観なんかそっちのけに乱立する様子などに対して以前は、
センスなくて苛立つわぁ~などと思っていたものです。
でも、どうもその「ぐちゃぐちゃ」感が、
日本の湿度ある空気とともに「そうそうこれですよ」みたいな、
妙にマッチした味わいを覚えたのなんて、始めてのこと。
シドニーのやたらとコザッパリと乾いた風景(シティ内も郊外も)に比べると、
日本の路地なんかには、ときにオドロオドロしさというか、
しっとりと陰気な感じがありますよ。
念すらこもってるんじゃないか、みたいな。
でも、この肌で感じるある種の暗さは、実態こそ手に取れるものでないだけに、
「文化」とか「風土」とか、そんなカテゴリーを使ってごまかしながら、
表現するしかないのかもしれないです。
写真は銀座4丁目の交差点から少しだけ離れた路地で見つけた、
小さな鉛筆屋さん。