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【会津野】書籍「N女の研究」

2017年03月06日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

「N女の研究」(中村安希著)を読みました。

「N女」とはNPOで働く女性のことを指しています。そんな女性たちが、NPOでどんな働き方をしているかや、仕事の遂行にあたり、どんなことを考えているか、さらに生活スタイルはどんななのかということを、インタビュー形式で取材し、まとめているのが、この本の内容です。

作者は、むすびに語られているN女の特長として2つの点をあげています。

1.行政を当てにしない

2.きれいごとを言わない

1つ目は、次のようなことを言っています。世界で最も借金の多い国である日本の行政は、もうオカネを出せないことは誰にでもわかること。その行政を当てにして補助金頼りの事業構築をしても、コトが進まないのは自明です。社会を変えるには、ソーシャルなビジネスモデルを創造し、NPOもそれを実践しながら社会を変えていく。行政はそういうものを欲しているから、実現の暁には、結果的に行政が味方についてくる。そういうことを言っています。

2つ目はこういうこと。生活保護受給者や若年無業者を、「甘えてる」というバッシングをする方が世の中にはたくさんいるが、バッシングをして排除するより、そういう方を救って納税者にする方が、社会を構成する人々の負担コストが減る。ただ、「弱者を救おう」というような「きれいごと」をいうだけでなく、その本質を語り、社会を良くしていく行動を行う。そこには、与えられる側も社会を支える行動をしなければならない現実を伝える必要もあるし、ネットで炎上してしまいそうな事柄を扱う必要もある。「きれいごと」は、言葉だけで行動が伴わないことが多いのも現実。「きれいごと」より、「本質的な行動」という傾向があることを言っています。

N女という切り口で、ソーシャルビジネスを行う現場のことがよくわかる内容の本でした。営利を追求する民間ビジネスとも、かなりだぶるところがあると私は感じました。民間でもNPOでも、社会の問題を解決するためのビジネスは、その問題解決のための本質に従い行動することが、やはり必要だと感じさせてくれました。

今日も素敵な一日を過ごしましょう。

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