おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。
古市憲寿さんの新刊「古市くん、社会学を学び直しなさい!!」を、読みました。
近頃は、メディアで目立つようになった古市さん、古市さんをあまりお好きでない方々もいらっしゃるようで、disる発言を聴くこともしばしば。
私が古市さんを読むようになったのは、佐藤優さんの「『知』の読書術」に紹介されていた「僕たちの前途」を手にしたのがきっかけでした。
「僕たちの前途」では、「起業」にまつわることがたくさん述べられていました。もっとも気になったことは、「個人」として起業した後、なんらかのことで事業が炎上してしまったら、「個人」の人格を消すようなことになってしまうということ。再起のために、人格を「法人」としておくことが必要だと言うことが書いてありました。
社会で生きていくために社会制度をうまく使うことが、その主旨です。しかし、なかなかこういうことを言葉で書いている書籍は見たことが無かったので、なかなかこの作者は実態を知っているなと感心したことを覚えています。
続けて、「絶望の国の幸福な若者たち」、「上野先生、勝手に死なれちゃ困ります」、「希望難民ご一行様」と読み進み、若者たちが生きていく上で必要な「共同性」と「目的性」を論理立てて説明している文章に出くわしました。そこでは、ユースホステルを利用する旅がどうして廃れたかなどにも言及していたことから、社会実態を社会学的な視点で見ることの大切さを、私なりに感じたものです。
そして、今回の新刊。この本は、12人の社会学者との対話を本にしたものとなっています。
社会でdisられている古市さんと社会の関係を、他の社会学者が説明してみたり、社会学的な説明方法の手法を各論客が論じたりと、「社会学っていったいなに?」という疑問に、さまざまな角度から答えを出すヒントを与えてくれる内容になっています。
私は特に、橋爪大三郎先生と吉川徹先生、それにフクシマ論で知られる開沼博先生が素晴らしいと思い、あらためて興味を持ちました。
この新刊は、社会学を目指す学生たちに、日本の社会学の実際を垣間見せてくれる良書です。
古市さんも学び直すかも知れませんが、学生とは程遠い私のような世代も、学び直すには良いきかっけになる内容でした。
今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
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