おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。
会津野は、晴れ・16℃。さくらんぼが赤くなり、さくらんぼ狩りのシーズンに入りました。
「日本語の作文技術」を皆さんは考えたことあるでしょうか?
小学生時代の作文で、テーマに選ぶことや自分が思ったことを書きなさい、という指導を受けた記憶があります。しかし、読みやすいように修飾の順序を変えてみることや、句読点のうち方について指導を受けたことはほとんどないのが現実ではないでしょうか。
先日読んだ本多勝一全集のなかに、「日本語の作文技術」がありました。
この作文技術のなかに、新聞記者として多くの文章を書いてきた著者本人が最も重要だと言う技術が2つあります。
それは、「修飾の順序」と「句読点のうち方」です。
「修飾の順序」を箇条書きにすると、
①節を先にし、句を後にする
②長い修飾語は前に、短い修飾語は後ろに
③大状況から小状況へ、重大なものから重大でないものへ
④親和度(なじみ)の強弱による配置転換
があげられます。
「句読点のうち方」については、
①重文の境目に
②述語が先にくる倒置文の場合に
③呼びかけ・応答・驚嘆などの言葉のあとに
④挿入句の前後または前だけに
です。
それぞれの詳細は本に譲りますが、さまざまな事例による説明を読むと、「なるほどこれなら読みやすい!」さらに「理解しやすい!」という文の順序や句読点のうち方がわかります。
またこの本では、文章の単位ということにも触れられています。少々長くなりますが引用します。
「テンというものの基本的な意味は、思想の最小単位を示すものだと私は定義したい。マルで切れる文章は、これらの最小単位を組み合わせた最初の『思想のかたまり』である。だから人体に例えると、テンで切る部分を思想の細胞とすれば、マルで切る一文は組織の最小単位ーーーたとえば筋とか血液とか毛とか脂肪に当たるともいえよう。これらの組織が集まって、次の単位としての小部分『段落』(パラグラフ)ができる。段落は、指だの脛(すね)だの目玉だのに当たる。それらが集まって、さらに『章』(チャプター)という思想がまとまる。章は、頭や胴体の腕のような、人体を構成する大きな部分だ。そして最後に、ひとつの論文なり報告なり文学作品なりの思想全体ーーー人体ができる。」
と述べています。
日本語の文章を、文法による分解という手法ではなく、構成単位として考えたものにはじめて出会いました。
書きたいものを「プロット」することは、小説家になる手法としてよく論じられますが、それはあくまでも「章」を論じるもので、表現の単位ではありません。
ブログのような短い文章でも、各思想をどのように配置して書けば読者に伝わりやすいか、を考えさせてくれます。今後、このことを意識してブログを書いてみようと思います。
まだまだこの技術を実践できているわけではないものの、なんだか成長を得たような気がしました。本多勝一さんに感謝です。
今日も素敵な1日を過ごしましょう。
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