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【会津野】書籍「愛国消費」

2017年01月29日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

2016年夏頃、シェアハウスに関する本を読みまくりました。そこで出会った消費社会研究家の三浦展さんの書籍で、積読(つんどく)になっていたのが、「愛国消費」(三浦展著)です。この度、目を通してみたら、興味深く、あっという間に読み終えてしまいました。

もっとも興味を感じたのは、「『世界を探す旅』『自分を探す旅』から『日本人を探す旅』へ」というところ。

ここでは、社会学者山口誠さんの「ニッポンの海外旅行」という書籍を引き、1960年代の「海外を探す旅」から、1980年代の「自分を探す旅」を論じ、1990年以降は、どこへ旅しても理想郷はないということを知ってしまった人々を描写します。その結果、「個性という様式でアイデンティティを追及することよりも、集団的アイデンティティを前提として出発する『日本人探し』」の時代がはじまったと導きます。

この書籍は2010年12月の出版なので、2011年の311直前の評論です。311では明らかに社会の様子が変わりましたが、このあたりの個人の行動様式(エートス)は、あまり変わっていないような気がします。

また、経済学者中谷厳さんの言葉を引き、新自由主義とグローバル化は、個人と国家しか想定していないと言います。そこには、個人と国家の中間にあるべき、固有の歴史を有し人と人とがつながりを持つ「社会」への視点が決定的に欠けているとも言います。

この言葉からは、311で、NPOなどの中間支援組織の重要性が認識されたことを思い出します。

2017年のいま、海の向こうでは、トランプ大統領誕生により、新自由主義とグローバル化に反する勢力の台頭が顕著になってきました。アメリカファーストの言葉に代表されるように、反グローバル化の風潮がはっきりとしてきました。

では、日本ではどうなのでしょう。古民家を大事にする風潮や、友達や家族を大事にする風潮がより力を増してきていると私は感じます。

これは、311前からの大きな流れであるでしょう。

戦後、日本はずっとアメリカの後を追いかけてきましたが、この風潮に関しては、アメリカに先行していたようです。

「日本人的なことを探す旅」、この先もまだまだ続きそうです。

今日も素敵な一日を過ごしましょう。

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